フリーランスで月80万円を稼ぐには?必要スキル・職種別単価・案件獲得方法を徹底解説
はじめに
フリーランスで月80万円を稼ぐことは、決して一部の天才だけが達成できる目標ではありません。ITエンジニアやPM、ITコンサルなどの高単価職種では、実務経験と専門スキルがあれば現実的に狙える水準です。
実際、2026年5月の調査では、フリーランスエンジニア案件の月額平均単価が78.7万円となっており、別の案件集計でも月額平均単価は76.3万円でした。調査対象によって差はあるものの、ITフリーランス市場において月80万円は、相場から大きく外れた金額ではありません。エン株式会社(en Inc.)+1
ただし、月80万円の「売上」と、会社員の「月給80万円」は同じではありません。フリーランスは売上から経費、税金、国民健康保険料、国民年金保険料などを支払う必要があります。また、案件が終了すれば翌月の売上がなくなる可能性もあります。
この記事では、フリーランスで月80万円を稼ぐために必要なスキル、職種別の単価、案件獲得方法、手取りの目安、収入を安定させる戦略を詳しく解説します。
1. フリーランスで月80万円を稼ぐことは可能?現実的な収入ラインを解説
1-1. 月80万円の年収・手取り・会社員年収との比較
フリーランスとして毎月80万円を12か月間売り上げた場合、年間売上は960万円です。
ただし、年間売上960万円がそのまま年収や手取りになるわけではありません。フリーランスの所得は、基本的に売上から必要経費を差し引いて計算します。さらに、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などが発生します。
例えば、年間売上960万円、年間経費120万円であれば、経費を差し引いた金額は840万円です。ここから青色申告特別控除や社会保険料控除、基礎控除などを適用し、最終的な課税所得と税額を計算します。
会社員は会社が社会保険料の一部を負担し、有給休暇や福利厚生を利用できることがあります。一方、フリーランスは保険料や休業リスクを自分で負担します。そのため、フリーランスの売上960万円と会社員の額面年収960万円を単純に比較することはできません。
1-2. フリーランスで月80万円を達成できる人の特徴
月80万円を達成しやすいのは、単に作業が速い人ではなく、クライアントの課題を理解し、成果につながる提案ができる人です。
具体的には、特定分野で3年以上の実務経験がある、要件定義や設計など上流工程を担当できる、一人で業務を進められる、チームや顧客との調整ができるといった特徴があります。
また、高単価案件では、専門スキルだけでなく安定性も重視されます。納期を守る、返信が速い、問題が起きたときに早めに報告するなど、基本的な仕事の進め方を徹底できる人ほど継続契約につながりやすくなります。
1-3. 月80万円を稼ぐために必要な単価・稼働日数・時給の目安
月80万円を20日間の稼働で得る場合、1日当たりの売上は4万円です。1日8時間稼働すると仮定すれば、請求上の時間単価は約5,000円となります。
月16日稼働の場合は1日5万円、1日8時間なら時間単価は約6,250円です。週3日程度の稼働で月80万円を目指す場合は、時間単価の高いコンサルティングや上流工程の案件が中心になります。
ただし、フリーランスには営業、提案、請求、経理、学習など、報酬が発生しない時間もあります。すべての労働時間を含めて時給を考えると、案件上の時間単価は目標より高めに設定する必要があります。
1-4. 未経験・経験浅めから月80万円を目指す場合の現実性
実務未経験の状態から、独立直後に月80万円を安定して稼ぐのは簡単ではありません。高単価案件では、即戦力として業務を任せられることが前提になるからです。
未経験者は、まず会社員や副業として実務経験を積み、月30万~50万円程度の案件を担当できる状態を目指すのが現実的です。その後、専門領域を絞り、上流工程や顧客折衝の経験を増やすことで、月60万円、70万円、80万円と段階的に単価を上げていきます。
経験が浅くても、AI、クラウド、セキュリティ、データ分析など需要の高い分野に早期から特化すれば、比較的短期間で高単価に到達できる可能性があります。ただし、資格や学習歴だけではなく、実務でどのような成果を出したかを説明できることが重要です。
2. フリーランスで月80万円を狙いやすい職種・案件単価の目安
2-1. ITエンジニア・プログラマーの月80万円案件
ITエンジニアは、フリーランスで月80万円を狙いやすい代表的な職種です。
特に、Java、Python、Go、TypeScript、React、AWSなどを扱えるエンジニアは、高単価案件に応募しやすい傾向があります。PE-BANKの2026年6月時点の解説では、エンジニア案件の一般的な相場は月50万~80万円程度とされ、需要の高いスキルを持つ人材では月70万~100万円以上の案件もあるとされています。ITフリーランスエンジニアの案件・求人はPE-BANK
月80万円以上を狙うには、プログラムを書くだけでなく、要件定義、基本設計、アーキテクチャ設計、コードレビュー、チームリードなどを担当できることが重要です。
インフラ分野では、AWSやGoogle Cloud、Azureを使ったクラウド設計、コンテナ、CI/CD、セキュリティなどの経験が評価されます。AI・機械学習、データ基盤、SREなど、対応できる人材が限られる分野も高単価につながりやすいでしょう。
2-2. Webデザイナー・UI/UXデザイナーの月80万円案件
Webデザイナーが制作作業だけで月80万円を安定して得るには、一定の営業力と案件数が必要です。一方、UI/UX設計、プロダクト改善、デザインシステム構築、ユーザー調査まで担当できれば、高単価案件を狙いやすくなります。
月80万円を目指す場合は、複数のバナー制作や小規模サイト制作を大量に受注するより、事業会社のプロダクトデザインやSaaSのUI改善など、継続性のある案件を獲得する方が効率的です。
ポートフォリオでは、完成したデザインだけでなく、課題、調査内容、設計意図、改善結果を説明します。「きれいなデザインを作れる」だけでなく、「事業上の課題をデザインで解決できる」と示すことが重要です。
2-3. Webマーケター・広告運用者の月80万円案件
Webマーケターは、売上や問い合わせ件数など、成果を数値で示しやすい職種です。広告運用、SEO、CRM、SNS、アクセス解析などの専門性があり、改善実績を持つ人は月80万円を目指せます。
例えば、「広告を運用できます」という説明より、「月間広告費3,000万円の案件を担当し、獲得単価を20%改善した」と説明できる方が評価されます。
高単価を狙うには、運用作業だけでなく、マーケティング戦略、予算配分、KPI設計、クリエイティブ改善、経営層へのレポーティングまで担当できる状態を目指しましょう。
2-4. PM・PMO・ITコンサルの月80万円案件
PM、PMO、ITコンサルは、月80万円以上の案件が比較的多い職種です。業務内容には、プロジェクト計画、進捗管理、課題管理、ベンダー調整、要件整理、経営層への報告などが含まれます。
高単価案件では、単に会議を進行するだけでなく、プロジェクトの遅延や品質低下を防ぎ、関係者を動かす役割が求められます。特定業界の業務知識やERP、SAP、クラウド移行、DX推進などの経験があると、さらに単価を上げやすくなります。
2026年5月の市場調査では、エンジニアリングマネージャーの平均単価が109.9万円と報告されており、技術とマネジメントの両方を担える人材の価値が高いことが分かります。エン株式会社(en Inc.)
2-5. ライター・編集者・ディレクターで月80万円を目指す方法
ライターが記事執筆だけで月80万円を稼ぐには、多くの記事を納品するか、高い文字単価を獲得する必要があります。作業量に依存すると収入の上限が低くなりやすいため、編集やディレクションまで業務範囲を広げることが重要です。
例えば、SEO戦略、キーワード設計、構成作成、執筆者管理、品質管理、アクセス分析まで担当すれば、月額固定の継続案件を獲得しやすくなります。
専門性の高い金融、医療、法律、IT、BtoB領域も高単価につながりやすい分野です。ただし、専門領域では情報の正確性や法令への配慮が強く求められます。
2-6. 職種別に見る月80万円達成の難易度
月80万円への到達難易度が比較的低いのは、ITコンサル、PM、PMO、上流工程を担当できるエンジニアです。1件の案件で月80万円を超えやすいため、営業や案件管理の負担を抑えられます。
WebマーケターやUI/UXデザイナーも、成果や上流経験があれば十分に狙えます。一方、ライターや制作中心のWebデザイナーは、作業単価が低いままだと多くの案件を抱える必要があります。
どの職種でも、作業者から設計者、管理者、提案者へ役割を広げるほど、月80万円を達成しやすくなります。
3. フリーランスで月80万円を稼ぐために必要なスキル
3-1. 高単価案件で求められる専門スキル
月80万円以上の案件では、マニュアルに沿って作業する能力より、自分で課題を発見して解決する能力が求められます。
エンジニアであれば、設計、技術選定、性能改善、障害対応などの経験が評価されます。マーケターであれば、KPI設計や予算管理、施策全体の改善能力が必要です。デザイナーであれば、ユーザー調査や情報設計、プロダクト改善まで担当できると単価を上げやすくなります。
専門スキルは、広く浅く増やすだけではなく、「この課題なら自分に任せてほしい」と言える領域を作ることが大切です。
3-2. 案件を継続受注するためのコミュニケーション力
高単価案件では、コミュニケーション力も重要な評価対象です。
具体的には、相手の要望を正確に整理する、専門用語を分かりやすく説明する、進捗や問題点を早めに共有する、意見が対立したときに代替案を提示するといった能力が求められます。
返信の速さや報告の分かりやすさは、技術力より先に評価されることもあります。クライアントが安心して任せられる状態を作ることが、継続受注につながります。
3-3. 単価交渉・営業・提案スキル
月80万円を稼ぐには、自分の価値を適切に伝える力が必要です。
単価交渉では、生活費や希望額を理由にするのではなく、担当範囲や成果、市場相場を根拠にします。「業務量が増えたから」ではなく、「設計から実装、レビューまで担当し、納期短縮に貢献したため」と説明する方が説得力があります。
新規案件への提案でも、自分の経歴を並べるだけでは不十分です。募集内容から相手の課題を推測し、自分の経験がどのように役立つかを具体的に伝えましょう。
3-4. 市場価値を高める実績・ポートフォリオの作り方
ポートフォリオには、成果物だけでなく、担当範囲と成果を記載します。
「Webサイトを制作した」ではなく、「問い合わせ率を改善するために導線を再設計し、公開後のコンバージョン率が向上した」と説明します。守秘義務の関係で企業名や数値を公開できない場合は、業界、案件規模、担当工程、改善内容を匿名でまとめます。
エンジニアの場合は、GitHubだけでなく、扱える技術、開発規模、担当工程、チーム構成、技術的な課題と解決方法を職務経歴書に整理しましょう。
3-5. 月80万円以上を安定させる自己管理・納期管理スキル
フリーランスは、成果を出し続けるための体調管理や時間管理も自分で行います。
複数の案件を抱えすぎると、納期遅延や品質低下が起きやすくなります。予定を稼働時間の100%まで埋めず、修正対応やトラブルに使える余白を確保しましょう。
また、請求書の発行、入金確認、契約更新、確定申告などの管理も必要です。タスク管理ツールや会計ソフトを活用し、定型業務を仕組み化することが安定稼働につながります。
4. 月80万円のフリーランス案件を獲得する方法
4-1. フリーランスエージェントを活用する
月80万円の案件を効率よく探すなら、フリーランスエージェントの活用が有効です。
エージェントは、スキルや希望条件に合う案件の紹介、単価交渉、契約手続き、参画後のフォローなどを行います。一般には公開されていない案件を紹介してもらえることもあります。
登録先は1社に絞らず、2~3社を比較するとよいでしょう。同じような業務でも、商流や契約条件によって提示単価が異なる場合があるからです。
4-2. クラウドソーシングで高単価案件を探す
クラウドソーシングは、実績が少ない時期に案件を獲得しやすい方法です。ただし、低価格で競争が起きやすいため、月80万円を目指すなら案件を慎重に選ぶ必要があります。
単発の小規模案件を繰り返すより、法人向けの継続案件や、コンサルティング、ディレクションを含む募集を探しましょう。
最初はクラウドソーシングで評価を集め、一定の実績ができたら紹介や直接契約へ移行する方法もあります。ただし、利用サービスの規約に反する直接契約は避けなければなりません。
4-3. SNS・ブログ・ポートフォリオから直接案件を獲得する
SNSやブログで専門知識を発信すると、企業や担当者から直接相談を受けられる可能性があります。
発信内容は、「案件を募集しています」という営業投稿だけでなく、実務で得た知見、業界の課題、改善事例などを中心にします。継続的な発信によって専門性が伝われば、営業しなくても相談が入る状態を作れます。
プロフィールには、対応できる業務、得意分野、実績、問い合わせ方法を分かりやすく記載しましょう。
4-4. 知人紹介・既存クライアントから継続案件につなげる
知人や既存クライアントからの紹介は、成約率が高い案件獲得方法です。すでに一定の信頼があるため、実績の説明や価格交渉が進みやすくなります。
案件を納品した後は、別の課題がないか確認しましょう。例えば、サイト制作後に保守運用を提案する、記事制作後にSEO分析を提案するなど、関連業務まで支援できれば継続契約につながります。
紹介をお願いするときは、「仕事があれば何でもお願いします」ではなく、対応できる業務や希望する案件を具体的に伝えましょう。
4-5. 月80万円案件に通る提案文・面談対策のポイント
提案文では、募集要件と自分の経験の共通点を最初に示します。
「Javaの経験が5年あります」だけではなく、「Javaを使った業務システム開発に5年間携わり、要件定義から運用まで担当しました」と伝えます。募集企業が求める業務との関連性を明確にすることが重要です。
面談では、成功事例だけでなく、問題が起きたときの対応も説明できるようにしておきましょう。高単価案件ほど、トラブルへの対応力や関係者との調整力が確認されます。
5. フリーランスで月80万円を安定して稼ぐための戦略
5-1. 低単価案件から脱却する単価アップの考え方
低単価案件から抜け出すには、同じ作業を速くこなすだけではなく、担当する業務の範囲を広げる必要があります。
実装だけを担当しているなら設計やレビューへ、記事執筆だけなら構成作成や編集へ、広告運用だけなら戦略設計や予算管理へ進みます。
現在の案件で上位工程を経験できない場合は、副業や個人開発、社内提案などを通じて実績を作りましょう。
5-2. 複数案件より高単価案件に集中すべき理由
月20万円の案件を4件担当するより、月80万円の案件を1件担当する方が、連絡、会議、請求、スケジュール調整の負担を抑えられます。
複数案件を抱えると、各クライアントの優先順位が衝突しやすく、品質低下のリスクも高まります。月80万円を安定させる段階では、主力となる高単価案件に集中し、余裕がある範囲で小規模案件を組み合わせる方法が現実的です。
ただし、収入を1社に依存すると契約終了時の影響が大きくなります。主力案件に集中しながらも、次の案件につながる関係や営業経路は維持しましょう。
5-3. 継続案件・準委任契約を増やして収入を安定させる
毎月案件を探す状態では、営業期間中の売上が不安定になります。月80万円を安定させるには、3か月、6か月などの継続案件を増やすことが重要です。
特にIT分野では、一定期間の稼働を前提に報酬を受け取る準委任契約が多く見られます。契約内容によっては月ごとの稼働時間幅が設定され、時間が不足した場合や超過した場合に報酬が調整されます。
契約前に、精算幅、超過・控除単価、更新期間、解約条件を確認しましょう。
5-4. スキルの掛け合わせで希少性を高める
単独のスキルだけで競争するより、複数のスキルを組み合わせた方が市場価値を高めやすくなります。
例えば、エンジニアリングとマネジメント、デザインとマーケティング、ライティングとSEO、広告運用とデータ分析などです。
専門スキルに業界知識を組み合わせる方法もあります。金融業界に詳しいエンジニア、医療分野に詳しいマーケターなど、業務理解まで持つ人材は代替されにくくなります。
5-5. 案件終了リスクに備えた営業・貯蓄・収入分散
高単価案件でも、企業の予算縮小やプロジェクト終了によって契約が終わる可能性があります。
収入が途切れても生活できるよう、最低でも数か月分の生活費と事業費を確保しておきましょう。また、契約終了の1~2か月前から次の案件を探せるよう、更新時期を管理します。
収入分散は、案件数を無理に増やすことだけではありません。主力案件に加えて、スポット相談、研修、コンテンツ販売など、負担の少ない収入源を持つ方法もあります。
6. 月80万円を稼ぐフリーランスの収入シミュレーション
6-1. 月80万円の売上から引かれる税金・社会保険料
月80万円を12か月売り上げた場合、年間売上は960万円です。ここから経費を差し引き、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などを支払います。
所得税は課税所得に応じて5~45%の累進税率が適用されます。課税所得の全額に同じ税率がかかるわけではなく、所得の区分ごとに税率が上がる仕組みです。国税庁
2026年度の国民年金保険料は月額17,920円です。国民健康保険料は全国一律ではなく、自治体の算定方法、前年所得、世帯構成などによって異なります。年金機構+1
6-2. 経費を差し引いた実際の手取り額
年間売上960万円、年間経費120万円のケースを考えてみましょう。
経費差し引き後の金額は840万円です。ここから青色申告特別控除、社会保険料控除、基礎控除などを差し引き、所得税と住民税を計算します。
家族構成、居住地、経費、各種控除によって大きく変わりますが、税金と社会保険料を支払った後に使える金額は、年間580万~680万円程度、月平均では約48万~57万円が一つの目安です。
インボイス登録や消費税の課税状況によっては、さらに消費税の納付が必要になる場合があります。月80万円の売上だけを見て生活水準を上げすぎず、税金用の資金を別口座に確保しておくことが重要です。
6-3. 青色申告・経費計上で手取りを増やすポイント
青色申告では、要件を満たすことで55万円、電子申告など一定の要件を満たす場合は65万円の青色申告特別控除を利用できます。国税庁
事業に必要なパソコン、ソフトウェア、通信費、交通費、書籍代、外注費などは、条件を満たせば必要経費として計上できます。自宅で仕事をしている場合は、家賃や電気代、通信費のうち、事業で使用した割合を合理的に計算して経費にできることがあります。
ただし、私的な支出を経費にすることはできません。領収書や請求書、利用目的の記録を保存し、事業との関連性を説明できる状態にしておきましょう。
6-4. 会社員と比較したメリット・デメリット
フリーランスのメリットは、スキルや成果が報酬に反映されやすく、働く場所や案件を選びやすいことです。会社員より短期間で収入を増やせる可能性もあります。
一方、案件終了、病気、休暇によって売上が減る可能性があります。会社員のような有給休暇や賞与、退職金が自動的に用意されるわけではありません。
月80万円を達成した後も、売上だけではなく、労働時間、将来の保障、スキルの成長、案件の継続性を含めて働き方を評価する必要があります。
7. フリーランスで月80万円を目指す際の注意点
7-1. 高単価案件ほど求められる責任と成果
月80万円以上の案件では、指示された作業を終えるだけでなく、プロジェクトの成果に責任を持つ姿勢が求められます。
問題が起きたときに黙って待つのではなく、原因を整理し、対応案を提示しなければなりません。重要なシステムや大規模な予算を扱う案件では、判断ミスによる影響も大きくなります。
単価だけを見て応募せず、担当範囲と自分の能力が合っているかを確認しましょう。
7-2. 稼働時間が増えすぎるリスク
月80万円を複数の低単価案件で作ろうとすると、長時間労働になりやすくなります。
月の売上が高くても、毎日深夜まで働いている状態では継続できません。稼働時間、会議の多さ、緊急対応の有無、休日対応などを契約前に確認しましょう。
売上額だけでなく、実質的な時間単価を毎月計算することが大切です。
7-3. スキル不足のまま独立するリスク
高収入を期待して早すぎる段階で独立すると、受注できる案件が限られ、低単価案件から抜け出せなくなる可能性があります。
独立前には、自分のスキルでどの程度の単価が提示されるか、複数のエージェントに確認しましょう。案件紹介を受けられない場合は、会社員として経験を積みながら不足スキルを補う選択肢もあります。
7-4. 収入が不安定になったときの対策
収入が減少したときは、生活費を下げるだけでなく、案件獲得の経路を増やす必要があります。
エージェント、直接営業、知人紹介、SNSなど複数の経路を持ち、一つのサービスに依存しないようにします。また、契約終了後に慌てて探すのではなく、日頃から市場の募集条件を確認しておきましょう。
収入が高い時期に固定費を増やしすぎないことも重要です。
7-5. 契約・請求・確定申告で注意すべきこと
契約書では、業務内容、報酬、支払い日、著作権、秘密保持、損害賠償、契約解除の条件を確認します。
請求書には、請求先、業務内容、金額、支払期限、振込先などを正確に記載します。源泉徴収の対象になる業務では、差し引かれる金額も確認しましょう。
また、適格請求書発行事業者として登録すると、売上規模が免税事業者の基準内であっても、原則として消費税の申告と納税が必要になります。基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合や、特定期間の要件を満たす場合も消費税の納税義務に注意が必要です。国税庁+1
8. フリーランスで月80万円を目指すステップ
8-1. 現在のスキル・経験から目標単価を決める
最初に、自分のスキル、実務経験、担当工程、業界知識を整理します。
フリーランスエージェントの案件検索や面談を利用し、現在の市場単価を確認しましょう。最初から月80万円だけを目標にするのではなく、現在が月50万円相当なら、まず60万円、次に70万円と段階的に上げます。
8-2. 高単価職種に必要なスキルを習得する
案件情報を確認すると、高単価案件で求められるスキルが分かります。
資格の取得だけを目的にせず、募集要件から逆算して学習内容を決めましょう。エンジニアであればクラウドや上流工程、マーケターであればデータ分析や戦略設計など、現在のスキルと相性のよい領域を追加します。
8-3. 実績・ポートフォリオを整える
職務経歴書やポートフォリオには、業務内容だけでなく成果を記載します。
案件の規模、担当期間、チーム人数、自分の役割、利用技術、改善結果を整理しましょう。数字で示せる成果がない場合は、納期短縮、品質改善、業務効率化などを具体的に説明します。
8-4. エージェントや直接営業で案件に応募する
準備ができたら、エージェント登録と直接営業を並行して進めます。
応募数を増やすだけではなく、面談後に不採用理由を分析しましょう。スキル不足なのか、説明不足なのか、希望単価が高すぎるのかによって対策は異なります。
条件に完全一致する案件だけを待たず、経験の一部が生かせる案件にも応募することが大切です。
8-5. 継続受注と単価アップで月80万円を安定化させる
月80万円の案件を一度獲得しても、契約が終了すれば収入は途切れます。
参画後は成果を記録し、契約更新のタイミングで担当範囲や単価を見直します。単価交渉が難しい場合は、実績を持って別案件へ移る選択肢もあります。
目標は、月80万円を一度達成することではなく、無理のない稼働時間で継続できる状態を作ることです。
9. フリーランスで月80万円に関するよくある質問
9-1. フリーランスで月80万円はすごい収入?
月80万円は年間売上にすると960万円であり、フリーランスとして高い水準です。一方、ITフリーランス市場では平均単価に近い調査結果もあり、経験豊富なエンジニアやPMにとっては現実的な金額です。エン株式会社(en Inc.)+1
ただし、本当に重要なのは売上額だけではありません。経費や税金を差し引いた手取り、労働時間、案件の継続性を含めて判断しましょう。
9-2. 月80万円を稼ぐには何年の実務経験が必要?
職種によって異なりますが、ITエンジニアでは3~5年以上の実務経験を求められる案件が多くなります。
ただし、年数だけで単価が決まるわけではありません。上流工程、マネジメント、専門分野の経験があれば、比較的短い経験年数でも高単価を得られる場合があります。反対に、同じ作業だけを長く続けていると、経験年数が長くても単価が上がりにくいことがあります。
9-3. 副業から月80万円を目指せる?
副業だけで月80万円を稼ぐことは可能ですが、時間の制約があるため難易度は高くなります。
本業と合わせて長時間労働になる可能性もあるため、作業量で稼ぐのではなく、コンサルティングや専門性の高い業務など、時間単価を上げる必要があります。
まず副業で月5万~20万円の実績を作り、継続案件や紹介を増やしてから独立する方法が安全です。
9-4. 在宅・リモート案件だけで月80万円は可能?
在宅やリモート案件だけで月80万円を稼ぐことは可能です。
2026年5月のフリーランスエンジニア市場調査では、リモート案件の平均報酬が79.9万円、常駐案件が77.9万円という結果も報告されています。ただし、リモート案件の定義や集計対象によって数字は異なるため、参考値として見る必要があります。エン株式会社(en Inc.)
リモート案件では、チャットでの情報共有、オンライン会議、自己管理など、対面以上に明確なコミュニケーションが求められます。
9-5. 月80万円以上を稼ぎやすいフリーランスエージェントは?
最適なエージェントは、職種や経験によって異なります。
ITエンジニアであれば、レバテックフリーランス、PE-BANK、HiPro Techなどが候補になります。HiPro Techは事業会社案件を多く扱い、公式サイトでは最高報酬200万円の実績を案内しています。HiPro Tech
上流工程やITコンサル、PMOを希望する場合は、TechStockやハイパフォコンサルなども選択肢です。週2~3日など柔軟な働き方を希望する場合は、稼働日数の少ない案件を扱うエージェントも併用するとよいでしょう。
案件数や募集状況は常に変わります。エージェント名だけで決めず、希望職種の案件数、直請け案件の割合、支払いサイト、リモート可否、担当者の対応を比較することが重要です。
まとめ
フリーランスで月80万円を稼ぐことは、十分に実現可能です。特に、ITエンジニア、PM、PMO、ITコンサルなどでは、1件の案件で月80万円以上を狙えます。
一方、月80万円は売上であり、そのまま手取りになるわけではありません。経費、税金、社会保険料、案件終了リスクを考慮し、資金を管理する必要があります。
月80万円を達成するためのポイントは、作業量を増やすことではなく、専門性と担当範囲を広げることです。実装から設計へ、制作から戦略へ、担当者から管理者へと役割を高めるほど、単価は上がりやすくなります。
まずは現在の市場価値を確認し、不足しているスキルを明確にしましょう。そのうえで実績とポートフォリオを整え、エージェント、直接営業、紹介など複数の経路で案件を探します。
一度だけ月80万円を達成するのではなく、継続案件、単価交渉、営業経路の確保、十分な貯蓄によって、安定して稼ぎ続けられる状態を目指すことが重要です。

