フリーランスの給料はいくら?平均年収・手取り・会社員との違いを解説

はじめに

フリーランスの給料は、会社員のように毎月決まった金額が振り込まれるものではありません。案件ごとの報酬、継続契約の月額単価、成果物ごとの単価などを合計した「売上」から、経費・税金・社会保険料を差し引いた金額が実際に使えるお金になります。

そのため、「フリーランスの給料はいくら?」と考えるときは、額面の売上だけでなく、年収、月収、手取り、収入の安定性まであわせて見ることが大切です。この記事では、フリーランスの平均年収・月収の目安、職種別の給料相場、会社員との違い、手取りの考え方、収入を安定させる方法まで解説します。

1. フリーランスの給料はいくら?まず押さえたい結論

フリーランスの給料は、職種や経験、営業力、契約形態によって大きく変わります。大まかな目安としては、年間所得が300万円未満の層も多い一方、エンジニア、コンサルタント、マーケターなど専門性の高い職種では年収600万円〜1,000万円以上を目指せるケースもあります。

内閣官房などによる令和4年度のフリーランス実態調査では、フリーランスとしての事業による直近1年間の収入について、100万円未満が14.1%、100万〜200万円未満が12.6%、200万〜300万円未満が12.7%、300万〜400万円未満が12.6%、400万〜500万円未満が9.5%、1,000万円以上が3.4%でした。なお、この調査でいう収入は、売上高ではなく、売上から必要経費等を差し引いた所得で、社会保険料と税を差し引く前の金額です。

1-1. フリーランスに「給料」はない?報酬・売上・所得の違い

厳密にいうと、フリーランスには会社員のような「給料」はありません。会社に雇用されていないため、給与ではなく、業務委託契約などに基づく「報酬」を受け取ります。

ここで混同しやすいのが、売上・所得・手取りの違いです。売上はクライアントから受け取る報酬の総額、所得は売上から必要経費を差し引いた金額、手取りは所得から税金や社会保険料などを差し引いた後に実際に使える金額です。

たとえば、年間売上が500万円あっても、経費が100万円かかれば所得は400万円です。さらに所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などを支払うため、実際の手取りは400万円より少なくなります。

1-2. フリーランスの平均年収・月収の目安

フリーランス全体の平均年収は、調査対象や定義によって変わります。副業フリーランス、専業フリーランス、個人事業主、一人社長などが混在するため、単純な平均だけで判断するのは危険です。

令和4年度フリーランス実態調査の年収階級をもとに、各階級の中央値で概算すると、フリーランスの年間所得は約375万円、月換算では約31万円がひとつの目安になります。ただし、1,000万円以上の階級を仮置きして計算した概算であり、正式な平均値ではありません。

月収で見ると、低単価案件が中心の人は月10万〜20万円台にとどまることもあります。一方、フリーランスエンジニアのように月額案件で働く職種では、月単価70万〜80万円前後の案件も珍しくありません。たとえば、フリーランスエンジニア向け案件検索サービスの調査では、2025年12月のフリーランス案件の月額平均単価は78.3万円とされています。

1-3. 手取りは売上より少ない|税金・保険料・経費を差し引く必要がある

フリーランスの給料を考えるうえで最も重要なのは、「売上=自由に使えるお金」ではないという点です。売上から、仕事に必要な経費、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料、消費税などを支払う必要があります。

所得税は課税所得に応じて5%〜45%の累進税率で計算され、国民年金保険料は令和8年度で月額17,920円です。国民健康保険料は所得や世帯構成、自治体によって変わります。

そのため、フリーランスは売上のすべてを生活費に使うのではなく、税金・保険料・事業資金を先に取り分けておく必要があります。

1-4. 職種・経験・働き方によって収入差が大きい

フリーランスの収入差は、会社員以上に大きくなりやすいです。理由は、仕事の単価、稼働時間、営業力、専門性、継続案件の有無がそのまま収入に反映されるからです。

たとえば、同じWeb制作でも、バナー作成だけを請ける人と、サイト設計・デザイン・実装・マーケティング改善まで担える人では単価が大きく変わります。単純作業に近い業務ほど価格競争になりやすく、専門性や成果責任が高い業務ほど高単価になりやすい傾向があります。

2. フリーランスの平均年収・月収の実態

2-1. フリーランス全体の平均年収

フリーランス全体の平均年収を見るときは、「売上」なのか「所得」なのかを確認する必要があります。売上ベースでは高く見えても、外注費、広告費、交通費、ソフトウェア費、通信費などが多い職種では、所得や手取りが大きく下がります。

公的調査では、フリーランスの年間所得は300万円未満の層も一定数存在します。一方で、500万円以上、1,000万円以上の層も存在しており、フリーランスの給料は平均だけでは実態をつかみにくいのが特徴です。

2-2. 年収別に見るフリーランスの収入分布

令和4年度フリーランス実態調査では、年間所得300万円未満の合計は39.4%、300万〜500万円未満は22.1%、500万円以上は21.9%でした。わからない・答えたくないと回答した人も16.4%いるため、実際の分布には幅があります。

この分布からわかるのは、フリーランスは「大きく稼げる可能性がある働き方」である一方、「誰でも高収入になれる働き方」ではないということです。安定して稼ぐには、案件獲得、単価交渉、スキルアップ、資金管理が欠かせません。

2-3. 月収換算した場合の給料イメージ

フリーランスの月収イメージは、年収を12で割るとわかりやすくなります。

年間所得月収換算の目安
240万円月20万円
300万円月25万円
360万円月30万円
480万円月40万円
600万円月50万円
960万円月80万円

ただし、フリーランスの場合は毎月同じ金額が入るとは限りません。1月は80万円、2月は20万円、3月は0円ということもあります。平均月収だけでなく、最低月収、入金タイミング、固定費を把握しておくことが重要です。

2-4. 副業フリーランスと専業フリーランスの収入差

副業フリーランスは、本業の給与があるためリスクを抑えながら始められます。ただし、使える時間が限られるため、月数万円〜10万円台の収入から始まるケースが多いです。

専業フリーランスは、稼働時間をすべて事業に使えるため収入を伸ばしやすい一方、案件が途切れると収入が大きく下がります。副業から始めて、継続案件や十分な貯蓄ができてから独立するほうが、収入面のリスクを抑えやすいでしょう。

2-5. 収入が高いフリーランス・低いフリーランスの特徴

収入が高いフリーランスには、いくつかの共通点があります。専門性が高い、実績を見せられる、継続案件がある、単価交渉ができる、直請け案件を持っている、納期や品質への信頼がある、といった点です。

一方、収入が伸びにくいフリーランスは、低単価案件を断れない、営業経路が少ない、実績が整理されていない、時給換算で赤字に近い仕事を続けている、価格ではなく価値を伝えられていない、という傾向があります。

3. 職種別に見るフリーランスの給料相場

3-1. フリーランスエンジニアの給料・年収相場

フリーランスエンジニアは、フリーランスの中でも高収入を狙いやすい職種です。月額案件の場合、月単価60万〜90万円程度がひとつの目安になり、年収換算では720万〜1,080万円程度になることもあります。

特に、バックエンド開発、クラウド、AI、セキュリティ、PM、PMO、SREなどは高単価になりやすい分野です。2025年12月のフリーランスエンジニア案件の月額平均単価は78.3万円という調査もあり、IT系フリーランスは他職種より単価が高い傾向があります。

3-2. Webデザイナーの給料・年収相場

フリーランスWebデザイナーの年収は、スキル範囲によって大きく変わります。バナー作成や簡単な画像加工が中心の場合は年収200万〜400万円台、Webサイト全体の設計、UI/UX、コーディング、改善提案まで対応できる場合は年収500万円以上も狙えます。

収入を伸ばすには、単に「デザインができる」だけでなく、売上や問い合わせにつながるデザインを提案できることが重要です。ポートフォリオでは、見た目だけでなく、目的、課題、改善結果も示すと単価アップにつながります。

3-3. Webライター・編集者の給料・年収相場

Webライターは始めやすい反面、単価差が大きい職種です。初心者向けの低単価案件では、文字単価0.5円〜1円程度の案件もあります。一方、SEO設計、専門分野、取材、編集、構成作成、監修者対応までできるライターは、文字単価3円〜10円以上、記事単価数万円以上を目指せます。

年収の目安は、初心者や副業では年間数十万〜200万円程度、専業で安定して案件を取れる人は300万〜600万円程度、専門性の高い編集者やディレクターはそれ以上も可能です。

3-4. 動画編集者・クリエイターの給料・年収相場

動画編集者は、YouTube編集、SNS動画、広告動画、企業PR動画、講座動画など、案件の種類によって単価が変わります。カット編集やテロップ中心の案件は価格競争になりやすく、1本数千円〜数万円程度が中心です。

一方、企画、撮影、構成、サムネイル、広告運用、ディレクションまで対応できるクリエイターは、月額契約やプロジェクト単位で高単価化しやすくなります。年収は200万〜500万円台がひとつの目安ですが、法人案件を継続的に獲得できれば600万円以上も狙えます。

3-5. コンサルタント・マーケターの給料・年収相場

コンサルタントやマーケターは、成果への影響が大きいため高単価になりやすい職種です。Web広告運用、SEO、SNS運用、CRM、事業戦略、採用マーケティング、営業改善などの領域では、月額20万〜100万円以上の顧問契約や業務委託契約もあります。

特に、売上改善やコスト削減に直結するスキルを持っている人は、作業時間ではなく成果価値で報酬を設定しやすくなります。実績が明確で、数値改善を示せる人ほど高収入になりやすいです。

3-6. 職種ごとの単価差が生まれる理由

職種ごとの単価差は、需要と供給、専門性、成果への影響、代替されにくさによって生まれます。誰でも始めやすい業務は競争が激しく、単価が下がりやすいです。反対に、習得に時間がかかるスキル、企業の利益に直結する業務、責任範囲が広い仕事は単価が高くなります。

つまり、フリーランスの給料を上げるには、「作業者」から「課題解決者」へ移行することが重要です。

4. フリーランスの手取りはいくら?計算方法を解説

4-1. フリーランスの手取りの基本計算式

フリーランスの手取りは、次の式で考えるとわかりやすいです。

手取り=売上−経費−所得税−住民税−国民健康保険料−国民年金保険料−消費税など

会社員の場合、税金や社会保険料は給与から天引きされます。しかし、フリーランスは自分で納付するため、手元にあるお金をすべて使ってしまうと、後から納税資金が不足する可能性があります。

4-2. 売上から差し引かれる主な経費

フリーランスの経費には、事業に必要な支出が含まれます。たとえば、パソコン、ソフトウェア、サーバー代、通信費、交通費、打ち合わせ費、書籍代、セミナー代、外注費、広告費、会計ソフト代、事務用品費などです。

自宅で仕事をしている場合は、家賃や電気代、インターネット代の一部を家事按分できるケースもあります。ただし、事業と関係のない生活費は経費にできません。経費にできるか迷う支出は、記録を残したうえで税理士や税務署に確認すると安心です。

4-3. 所得税・住民税・消費税の考え方

所得税は、所得から各種控除を差し引いた課税所得に税率をかけて計算します。税率は課税所得に応じて5%から45%まで段階的に上がります。

住民税は、前年の所得に対して翌年に課税されるため、独立初年度より2年目以降に負担を感じやすい税金です。消費税は、原則として基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合などに納税義務が生じます。インボイス登録の有無によっても実務が変わるため、売上が増えてきたら早めに確認しましょう。

4-4. 国民健康保険・国民年金の負担

会社員は健康保険料や厚生年金保険料を会社と折半しますが、フリーランスは原則として国民健康保険と国民年金に加入し、自分で保険料を納めます。

国民年金保険料は令和8年度で月額17,920円、年間では215,040円です。国民健康保険料は、所得や自治体、世帯人数、年齢によって変わります。

4-5. 年収300万円・500万円・800万円の手取りシミュレーション

以下は、売上に対する経費率20%、青色申告特別控除65万円、単身、40歳未満、国民年金加入、国民健康保険料は概算という前提でのシミュレーションです。実際の手取りは自治体、控除、扶養、経費率、インボイス登録状況などで変わります。

年間売上経費20%控除後の所得概算手取り月あたり手取り
300万円240万円約185万円約15万円
500万円400万円約305万円約25万円
800万円640万円約464万円約39万円

このように、年収500万円と聞くと余裕があるように見えますが、経費や税金、保険料を差し引くと、実際に生活費として使える金額は大きく下がります。

4-6. 手取りを増やすために知っておきたい節税の基本

手取りを増やすには、売上を増やすだけでなく、適切な経費計上と控除の活用が重要です。青色申告、帳簿管理、事業用口座の分離、領収書や請求書の保存、小規模企業共済、iDeCo、経営セーフティ共済などを検討するとよいでしょう。

ただし、節税のために不要な支出を増やすのは本末転倒です。手取りを増やす基本は、利益率の高い案件を増やし、必要な支出だけを経費として正しく管理することです。

5. フリーランスと会社員の給料の違い

5-1. 会社員は給与、フリーランスは業務委託報酬

会社員は雇用契約に基づいて給与を受け取ります。勤務時間や業務内容に応じて、毎月一定の給与が支払われるのが一般的です。

一方、フリーランスは業務委託契約などに基づいて報酬を受け取ります。成果物の納品、業務の遂行、月額契約など、契約内容によって支払条件が変わります。報酬の支払期日は、フリーランス法により、原則として給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内で定める必要があります。

5-2. 額面収入と手取りの違い

会社員の額面給与には、給与所得控除があり、社会保険料も会社と折半されます。税金や保険料は給与から天引きされるため、入金された金額が手取りとしてわかりやすいです。

フリーランスは売上から自分で経費、税金、保険料を管理します。入金額が大きく見えても、その中には後で支払う税金や保険料が含まれていると考える必要があります。

5-3. ボーナス・退職金・福利厚生の有無

会社員には、企業によってボーナス、退職金、通勤手当、住宅手当、育休制度、健康診断、研修制度などがあります。フリーランスには、原則としてこれらの福利厚生はありません。

そのため、フリーランスは報酬単価を決める際、単純に会社員時代の月給と比較するのではなく、ボーナス、退職金、社会保険、休暇、営業コスト、事務作業の時間も含めて考える必要があります。

5-4. 社会保険・年金の負担の違い

会社員は健康保険と厚生年金に加入し、保険料を会社と折半します。フリーランスは国民健康保険と国民年金に加入するのが一般的で、保険料を自分で負担します。

また、将来の年金額にも違いがあります。会社員は国民年金に加えて厚生年金がありますが、フリーランスは基本的に国民年金が中心です。そのため、iDeCoや小規模企業共済など、自助努力による老後資金づくりも重要になります。

5-5. 収入の安定性とリスクの違い

会社員は毎月の給与が安定しやすく、病気や休暇中も一定の保障を受けられる場合があります。一方、フリーランスは働けない期間や案件がない期間の収入が止まりやすいです。

ただし、フリーランスは収入の上限を自分で広げやすい働き方でもあります。高単価案件を獲得したり、複数の収入源を持ったりすれば、会社員時代より収入を増やせる可能性があります。

5-6. フリーランスと会社員はどちらが稼ぎやすい?

国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円、正社員の平均給与は545万円でした。

会社員は安定性があり、フリーランスは上振れの可能性があります。どちらが稼ぎやすいかは、職種、スキル、営業力、リスク許容度によって変わります。安定を重視するなら会社員、収入の上限や働き方の自由度を重視するならフリーランスが向いているでしょう。

6. フリーランスの給料が不安定になる理由

6-1. 案件が途切れると収入が下がる

フリーランスの収入が不安定になる最大の理由は、案件が途切れると売上がなくなることです。会社員のように固定給が保証されているわけではないため、契約終了や予算削減の影響を直接受けます。

6-2. 単価交渉ができないと収入が伸びにくい

同じ作業量でも、単価が低ければ収入は伸びません。フリーランスは、自分の価値を説明し、必要に応じて単価交渉をする必要があります。交渉が苦手な人ほど、長時間働いているのに手取りが少ない状態になりやすいです。

6-3. 営業・経理・事務作業も自分で行う必要がある

フリーランスは、仕事そのものだけでなく、営業、見積作成、契約、請求、入金確認、経理、確定申告も自分で行います。これらの時間は直接報酬になりにくいため、時給換算すると想像より低くなることがあります。

6-4. 病気や休暇中は収入が止まりやすい

フリーランスは、自分が働けないと収入が止まりやすい働き方です。体調不良、けが、家族の事情、長期休暇などに備えて、生活防衛資金や収入の分散が必要です。

6-5. 税金や保険料の支払いで資金繰りに悩みやすい

フリーランスは、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などを自分で支払います。特に住民税や国民健康保険料は前年所得をもとに計算されるため、売上が下がった年でも負担が重く感じられることがあります。

7. フリーランスで安定した給料を得るための方法

7-1. 継続案件を増やす

安定した給料に近づけるには、単発案件だけでなく継続案件を増やすことが重要です。月額契約、保守契約、運用代行、顧問契約などを持つと、毎月の売上見込みを立てやすくなります。

7-2. 高単価案件を獲得できるスキルを身につける

収入を安定させるには、単に案件数を増やすだけでなく、高単価案件を獲得できるスキルが必要です。エンジニアならクラウドや上流工程、デザイナーならUI/UXやマーケティング、ライターなら専門分野やSEO設計などを身につけると単価アップにつながります。

7-3. ポートフォリオや実績を整える

クライアントは、依頼前に「この人に任せて大丈夫か」を判断します。そのため、ポートフォリオ、実績、制作物、改善事例、お客様の声を整理しておくことが大切です。

実績を見せるときは、単に作品を並べるだけでなく、課題、担当範囲、工夫、成果を説明すると信頼されやすくなります。

7-4. 複数の収入源を持つ

ひとつのクライアントに依存すると、その契約が終了したときに収入が大きく下がります。複数のクライアント、複数のサービス、教材販売、講座、アフィリエイト、顧問契約などを組み合わせることで、収入の安定性が高まります。

7-5. エージェントやクラウドソーシングを活用する

営業が苦手な人は、フリーランスエージェントやクラウドソーシングを活用するのも有効です。エージェントは高単価案件を紹介してくれることがあり、クラウドソーシングは実績づくりや小規模案件の獲得に向いています。

ただし、手数料や商流の深さによって手取りが変わるため、条件をよく確認しましょう。

7-6. 単価交渉のタイミングを見極める

単価交渉は、成果を出した後、業務範囲が広がったとき、契約更新時、追加依頼が増えたときがタイミングです。「頑張っているから上げてほしい」ではなく、「成果」「業務範囲」「市場相場」「追加価値」を根拠に交渉しましょう。

7-7. 生活費と事業資金を分けて管理する

フリーランスは、事業用口座と生活用口座を分けることをおすすめします。売上が入ったら、税金用、経費用、生活費用、貯蓄用に分けて管理すると、資金繰りが安定します。

8. フリーランスの給料を上げる具体的なステップ

8-1. 現在の売上・経費・手取りを把握する

まずは、現在の売上、経費、所得、手取りを数字で把握しましょう。毎月いくら稼いで、いくら使い、いくら残っているのかを見える化しないと、改善点がわかりません。

8-2. 時給換算して低単価案件を見直す

案件ごとに、報酬を作業時間で割って時給換算しましょう。たとえば、5万円の案件でも40時間かかれば時給1,250円です。修正対応や打ち合わせ時間も含めて計算すると、思ったより低単価になっていることがあります。

8-3. 専門分野を絞って市場価値を高める

何でも屋として幅広く受けるより、特定分野に強いフリーランスのほうが高単価になりやすいです。医療、金融、不動産、SaaS、採用、EC、BtoBマーケティングなど、需要があり専門知識が必要な領域を選ぶと市場価値を高めやすくなります。

8-4. 実績をもとに単価アップを提案する

単価アップを提案するときは、過去の成果を具体的に示しましょう。問い合わせ数が増えた、広告費を削減できた、検索順位が上がった、作業時間を短縮できたなど、数字で示せる成果は強い交渉材料になります。

8-5. 下請けから直請け案件へ移行する

下請け案件は、間に入る会社が多いほど手取りが下がりやすくなります。収入を上げるには、可能な範囲で直請け案件を増やすことが重要です。

直請けを増やすには、紹介、SNS発信、ブログ、ポートフォリオサイト、セミナー登壇、既存顧客からの追加依頼などを活用しましょう。

8-6. 収入目標から必要な案件数・単価を逆算する

年収目標を決めたら、必要な月売上、案件数、単価を逆算します。たとえば、年間売上600万円を目指すなら、月売上は50万円です。月額25万円の継続案件が2件あれば達成できます。

目標を「もっと稼ぎたい」で終わらせず、「月いくらの案件を何件持つか」まで落とし込むことが大切です。

9. フリーランスになる前に準備すべきお金のこと

9-1. 独立前に必要な生活防衛資金

独立前には、最低でも生活費6か月分、できれば1年分の生活防衛資金を用意しておくと安心です。独立直後は案件獲得に時間がかかることがあり、入金も納品後1〜2か月先になるケースがあります。

9-2. 開業後すぐに発生する税金・保険料

開業後は、国民健康保険、国民年金、住民税、所得税などの支払いが発生します。会社員時代は天引きされていたものを自分で支払うため、負担が大きく感じられることがあります。

9-3. 確定申告に向けた帳簿管理

フリーランスは、毎年確定申告が必要です。売上、経費、請求書、領収書、入金履歴を日々記録しておきましょう。会計ソフトを使うと、帳簿管理や申告作業を効率化できます。

9-4. 請求書・入金管理の基本

フリーランスは、仕事が完了したら請求書を発行し、入金を確認する必要があります。請求日、支払期日、振込先、源泉徴収の有無、消費税の扱いを明確にしておきましょう。

9-5. 収入が少ない時期の乗り越え方

収入が少ない時期は、固定費を下げる、短期案件を受ける、既存顧客に追加提案する、営業数を増やす、スキルアップに時間を使うなどの対策が必要です。焦って低単価案件ばかり受けると、長期的に収入が伸びにくくなるため注意しましょう。

9-6. 会社員から独立する前に確認すべきポイント

会社員から独立する前には、月の生活費、最低必要売上、健康保険の切り替え、年金、住民税、退職後の収入見込み、開業届、青色申告承認申請書、ポートフォリオ、営業先を確認しましょう。

独立前に副業で実績を作っておくと、フリーランスになった後の収入不安を減らせます。

10. フリーランスの給料に関するよくある質問

10-1. フリーランスの給料日はいつ?

フリーランスに決まった給料日はありません。契約ごとに支払日が異なります。月末締め翌月末払い、納品後30日以内、検収後翌月払いなど、契約書や発注書で確認します。

10-2. フリーランスの月収はいくらあれば生活できる?

生活に必要な月収は、家賃、家族構成、地域、保険料、税金によって変わります。目安として、生活費に加えて、税金・保険料用に売上の20〜30%程度を取り分けておくと安心です。

10-3. フリーランスで年収1,000万円は可能?

フリーランスで年収1,000万円は可能です。特に、ITエンジニア、コンサルタント、マーケター、法人向けクリエイターなどは高単価案件を獲得しやすい職種です。ただし、年収1,000万円でも経費や税金、保険料を差し引いた手取りは大きく下がるため、売上だけでなく利益率も意識しましょう。

10-4. 収入が少ないフリーランスはやめたほうがいい?

すぐにやめる必要はありませんが、赤字や低単価が続く場合は見直しが必要です。案件の選び方、スキル、営業方法、価格設定、稼働時間を改善しても収入が伸びない場合は、副業に戻す、会社員と並行する、職種を変えるといった選択肢もあります。

10-5. フリーランスは会社員より手取りが多い?

同じ額面なら、フリーランスの手取りが必ず多いとは限りません。フリーランスは経費を差し引ける一方、社会保険料の自己負担や福利厚生の不足があります。会社員時代と比較するときは、額面ではなく、手取り、保障、休暇、将来の年金、退職金相当額まで含めて考えましょう。

10-6. フリーランスの収入が安定するまで何年かかる?

収入が安定するまでの期間は人によって異なります。すでに実績や人脈がある人は数か月で安定することもありますが、未経験から始める場合は1〜3年程度かかることもあります。継続案件を増やし、単価を上げ、複数の収入源を作ることで安定に近づけます。

まとめ

フリーランスの給料は、会社員のような固定給ではなく、案件ごとの報酬や売上によって決まります。年収や月収の目安は職種や経験によって大きく異なり、年間所得300万円未満の人もいれば、1,000万円以上を稼ぐ人もいます。

重要なのは、売上だけで判断しないことです。フリーランスは、売上から経費、税金、国民健康保険料、国民年金保険料などを支払うため、手取りは売上より少なくなります。

安定した収入を得るには、継続案件を増やす、高単価スキルを身につける、実績を整える、単価交渉をする、生活費と事業資金を分けることが欠かせません。フリーランスの給料を上げたい人は、まず現在の売上・経費・手取りを把握し、時給換算で低単価案件を見直すところから始めましょう。