学生がフリーランスになるには?始め方・稼ぎ方・税金や扶養の注意点を徹底解説
はじめに
「学生でもフリーランスになれるの?」「アルバイト以外で稼ぎたいけれど、税金や扶養が不安」と感じている人は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、学生でもフリーランスとして仕事を受けることは可能です。Webライター、動画編集、Webデザイン、プログラミング、SNS運用など、パソコン1台で始めやすい仕事も増えており、学生のうちからスキルを磨いて収入を得る人も珍しくありません。
一方で、フリーランスはアルバイトと違い、仕事の獲得、契約、納期管理、請求、税金の手続きを自分で行う必要があります。特に親の扶養に入っている学生は、稼ぎ方によって所得税や社会保険の扶養に影響する可能性があるため注意が必要です。
この記事では、「フリーランス 学生」と検索している人に向けて、学生がフリーランスになる方法、稼ぎ方、仕事の種類、税金、確定申告、扶養の注意点までわかりやすく解説します。
1. 学生でもフリーランスになれる?まず知っておきたい基本
1-1. フリーランスとは?アルバイト・インターン・業務委託との違い
フリーランスとは、会社や店舗に雇用されるのではなく、個人として仕事を受けて報酬を得る働き方です。学生フリーランスの場合、Webライティングの記事作成、SNS投稿の作成、動画編集、Webサイト制作などを企業や個人から請け負うケースが多くあります。
アルバイトは、勤務先と雇用契約を結び、時給やシフトに沿って働くのが一般的です。給料は「給与所得」として扱われ、勤務先が税金や社会保険の手続きを一部行います。
一方、フリーランスは業務委託契約で働くことが多く、成果物や業務の完了に対して報酬を受け取ります。雇用されているわけではないため、最低賃金、残業代、有給休暇などの考え方は基本的にアルバイトとは異なります。
インターンは、企業で実務経験を積むことを目的とした働き方です。有給インターンでは雇用契約の場合もあれば、業務委託に近い形の場合もあります。契約形態によって税金や責任の範囲が変わるため、「インターン」という名前だけで判断せず、雇用契約なのか業務委託なのかを確認しましょう。
1-2. 学生フリーランスが増えている理由
学生フリーランスが注目される理由は、オンラインで完結する仕事が増えたことです。クラウドソーシングサイトやSNSを使えば、大学の授業やサークル活動の合間に案件を探せます。
また、動画編集、Webデザイン、プログラミング、SNSマーケティングなどのスキルは、就職活動や将来の副業・独立にもつながりやすい分野です。単にお金を稼ぐだけでなく、実績やポートフォリオを作れる点も学生にとって大きな魅力です。
アルバイトでは経験しにくい「自分で仕事を取りに行く」「顧客とやり取りする」「成果物を納品する」という経験を早くから積めるため、将来の選択肢を広げたい学生にも向いています。
1-3. 学生がフリーランスとして働くのは違法ではない?
学生がフリーランスとして働くこと自体は違法ではありません。ただし、年齢や契約内容には注意が必要です。
18歳以上であれば、原則として自分の判断で契約を結べます。政府広報オンラインでも、成年に達すると親の同意なしに契約できる一方、契約に対する責任も自分で負うことになると説明されています。18歳未満の場合は、契約に親の同意が必要になるケースがあるため、勝手に高額な契約や継続案件を受けるのは避けましょう。
また、フリーランスと企業などの発注事業者との取引については、2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、取引条件の明示や報酬減額・受領拒否の禁止などが定められています。ただし、すべての取引に同じように適用されるわけではないため、契約書や発注条件を自分でも確認する姿勢が大切です。
1-4. 学生フリーランスに向いている人・向いていない人
学生フリーランスに向いているのは、自分でスケジュールを管理できる人、わからないことを調べながら進められる人、納期を守れる人です。フリーランスは自由度が高い反面、「今日は気分が乗らないからやらない」という働き方を続けると信用を失います。
また、最初から高収入を狙うより、スキル習得や実績作りをコツコツ続けられる人に向いています。小さな案件でも丁寧に対応し、次の仕事につなげる意識が重要です。
反対に、指示がないと動けない人、連絡が苦手な人、納期管理ができない人には向いていません。学業より仕事を優先しすぎて単位を落とす可能性がある人も、まずは稼働時間をかなり少なめに設定したほうがよいでしょう。
2. 学生がフリーランスになるメリット・デメリット
2-1. メリット:時間や場所に縛られず働ける
学生フリーランスの大きなメリットは、時間や場所に縛られにくいことです。アルバイトの場合、店舗やオフィスに出勤し、決められたシフトで働くことが一般的です。
一方、Webライターや動画編集、Web制作などの仕事であれば、授業後や休日、自宅やカフェなどで作業できる場合があります。大学の時間割に合わせて働けるため、通学時間や空きコマを有効活用しやすいのが魅力です。
ただし、自由に働けるからこそ、自己管理が欠かせません。納期前に課題や試験が重なることもあるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
2-2. メリット:スキルや実績が就活・将来の独立に活きる
学生のうちにフリーランス経験を積むと、就職活動でアピールできる実績になります。たとえば「SEO記事を月10本執筆した」「企業のSNS運用を3か月担当した」「Webサイトを制作して公開した」といった経験は、職種によっては強い材料になります。
特に、Webマーケティング、IT、デザイン、メディア、広告、ベンチャー企業を志望する場合、実務に近い経験を持っていることは評価されやすいでしょう。
将来独立したい人にとっても、学生のうちに案件獲得から納品、請求まで経験しておくことは大きな財産です。
2-3. メリット:アルバイトより高単価を狙える場合がある
フリーランスはスキルや実績によって単価が変わります。最初は低単価でも、経験を積むことでアルバイトより効率よく稼げる可能性があります。
たとえば、Webライティングなら1文字1円から2円、動画編集なら1本5,000円から数万円、Web制作なら1件数万円から数十万円を目指せることもあります。もちろん、誰でもすぐに高単価案件を取れるわけではありません。
高単価を狙うには、専門性、実績、納品品質、コミュニケーション力が必要です。学生だから安く買いたたかれるのではなく、「この人に任せたい」と思われるスキルを磨くことが大切です。
2-4. デメリット:収入が不安定になりやすい
フリーランスは、仕事を受けられなければ収入が発生しません。アルバイトのようにシフトに入れば一定の給料がもらえるわけではなく、案件が途切れると収入も止まります。
また、納品後すぐに報酬が振り込まれるとは限りません。月末締め翌月末払いなど、入金まで時間がかかることもあります。
学生のうちは生活費のすべてをフリーランス収入に頼るのではなく、学業や生活に支障が出ない範囲で始めるのがおすすめです。
2-5. デメリット:学業との両立が難しくなることがある
フリーランスは自由な反面、納期がある仕事です。テスト期間やレポート提出時期に案件を詰め込みすぎると、学業にも仕事にも悪影響が出ます。
特に、初めての案件では想定より作業時間がかかることが多いです。「3時間で終わる」と思っていた作業が、修正対応を含めて10時間以上かかることもあります。
学生フリーランスとして長く続けるには、週に何時間まで働くか、試験期間は案件を受けるかどうかなど、あらかじめルールを決めておきましょう。
2-6. デメリット:税金・契約・納期管理を自分で行う必要がある
フリーランスは、仕事の受注だけでなく、契約内容の確認、請求書の発行、入金確認、税金の管理も自分で行います。
アルバイトなら勤務先が源泉徴収や年末調整をしてくれることが多いですが、フリーランス収入は自分で帳簿をつけ、必要に応じて確定申告をします。
最初から完璧に理解する必要はありませんが、「報酬はいつ支払われるか」「源泉徴収されているか」「経費はいくらか」「扶養に影響しないか」は必ず確認しましょう。
3. 学生フリーランスにおすすめの仕事・職種
3-1. Webライター
Webライターは、学生フリーランスが始めやすい仕事のひとつです。企業メディアの記事、ブログ記事、商品紹介文、インタビュー記事、SEO記事などを執筆します。
文章を書くことが好きな人、調べ物が得意な人、大学でレポート作成に慣れている人に向いています。最初は単価が低めでも、専門分野を作ることで報酬を上げやすくなります。
たとえば、金融、就活、IT、語学、美容、旅行、教育など、自分の経験や学んでいる分野を活かせるジャンルを選ぶと差別化しやすいでしょう。
3-2. Webデザイナー・動画編集者
Webデザイナーは、バナー、LP、Webサイトのデザインなどを作る仕事です。デザインツールの操作だけでなく、見やすさ、導線、配色、ユーザー心理を考える力が求められます。
動画編集者は、YouTube動画、TikTok、Instagramリール、広告動画などの編集を行います。カット、テロップ、効果音、BGM、サムネイル作成まで担当することもあります。
どちらも作品をポートフォリオとして見せやすいため、実績が増えるほど案件獲得につながりやすい職種です。
3-3. プログラマー・Web制作
プログラミングやWeb制作は、スキル習得に時間がかかる一方で、高単価を狙いやすい分野です。HTML、CSS、JavaScript、WordPress、PHP、Reactなどを学ぶと、LP制作やコーポレートサイト制作、機能追加などの案件に挑戦できます。
情報系の学生はもちろん、文系学生でも学習を継続すれば案件獲得は可能です。ただし、未経験のまま高額な開発案件を受けるとトラブルになりやすいため、まずは小規模な修正案件や模写、ポートフォリオ制作から始めましょう。
3-4. SNS運用代行・マーケティング支援
SNS運用代行は、Instagram、X、TikTok、YouTubeなどの投稿作成、分析、企画、コメント対応などを行う仕事です。日常的にSNSを使っている学生にとって、始めやすい分野といえます。
ただし、単にSNSが好きなだけでは継続案件にはつながりません。ターゲット設定、投稿の目的、数値分析、改善提案までできると評価されやすくなります。
自分のアカウントを運用して、フォロワー数や投稿分析の実績を作っておくと営業しやすくなります。
3-5. イラスト・写真・翻訳など得意分野を活かせる仕事
イラスト、写真、翻訳、ナレーション、作曲、資料作成なども学生フリーランスに向いている仕事です。趣味や大学で学んでいる分野を活かせるため、楽しみながら実績を作れる可能性があります。
語学が得意なら翻訳や英文チェック、写真が得意ならイベント撮影やSNS用素材撮影、イラストが得意ならアイコン制作や挿絵制作などが考えられます。
得意分野を仕事にする場合は、「好き」だけでなく「相手が何にお金を払うのか」を考えることが大切です。
3-6. 未経験の学生が避けたほうがよい案件の特徴
未経験の学生は、次のような案件を避けたほうが安全です。
「誰でも簡単に月50万円」「スマホだけで即日高収入」「初期費用を払えば案件を紹介する」といった案件は注意が必要です。仕事内容が不明確なままLINE登録や高額講座へ誘導されるケースもあります。
また、契約内容があいまいな案件、報酬が極端に安い案件、修正回数が無制限の案件、著作権の扱いが不明な案件も避けましょう。
最初は「実績作り」と割り切ることもありますが、時給換算であまりに低すぎる仕事を続けると疲弊します。
4. 学生がフリーランスを始める手順
4-1. まずは得意分野・使える時間・目標金額を決める
最初に決めるべきなのは、「何で稼ぐか」「週に何時間使えるか」「月いくら稼ぎたいか」です。
たとえば、Webライターで月3万円を目指すなら、1記事5,000円の案件を月6本納品する必要があります。動画編集で月5万円を目指すなら、1本1万円の案件を月5本受けるイメージです。
目標金額を先に決めると、必要な案件数や作業時間が見えてきます。学生の場合は、いきなり月10万円以上を目指すより、まずは月1万円から3万円を目標にするのがおすすめです。
4-2. 必要なスキルを学ぶ
仕事に必要なスキルは、書籍、YouTube、オンライン講座、ブログ、スクールなどで学べます。最初から高額スクールに入る必要はありません。
WebライターならSEO、文章構成、リサーチ、見出し作成を学びましょう。動画編集なら編集ソフトの操作、テロップ、カット、音量調整、サムネイル作成を練習します。Web制作ならHTML、CSS、JavaScript、WordPressの基礎から始めます。
大切なのは、学ぶだけで終わらせず、実際に作品を作ることです。クライアントは「どれだけ勉強したか」より「何ができるか」を見ています。
4-3. ポートフォリオや実績を作る
未経験の学生が案件を獲得するには、ポートフォリオが重要です。ポートフォリオとは、自分のスキルや作品を見せるための実績集です。
Webライターならサンプル記事、デザイナーならバナーやLPデザイン、動画編集者なら編集サンプル、Web制作者なら自作サイトを用意しましょう。
実績がない場合でも、架空のテーマで作品を作れば問題ありません。「カフェのInstagram投稿を想定したデザイン」「大学生向け就活記事」「架空サービスのLP」など、自分でテーマを設定して作成しましょう。
4-4. クラウドソーシングやSNSで案件を探す
学生フリーランスが最初に案件を探すなら、クラウドソーシングサイトが使いやすいです。案件数が多く、未経験歓迎の仕事も見つかります。
ただし、競争が激しいため、プロフィールや提案文を丁寧に作る必要があります。「学生です。頑張ります」だけでは採用されにくいため、対応できること、納期、サンプル、学習経験を具体的に書きましょう。
SNSで仕事を探す場合は、募集投稿に応募したり、自分のスキルを発信したりする方法があります。プロフィールに「何ができる人か」を明記しておくと、依頼につながりやすくなります。
4-5. 提案文を送り、初案件を受注する
提案文では、相手の募集内容をよく読み、求められていることに対して自分がどう貢献できるかを書きます。
たとえば、Webライター案件なら「大学で○○を専攻しており、△△ジャンルの記事作成に対応できます」「構成作成からWordPress入稿まで可能です」「納期は○月○日までに対応できます」と具体的に伝えましょう。
テンプレートをそのまま送るのではなく、案件ごとに内容を変えることが大切です。最初は採用されないことも多いですが、プロフィール、提案文、ポートフォリオを改善しながら応募を続けましょう。
4-6. 納品・請求・振込確認までの流れを理解する
案件を受注したら、まず業務内容、納期、報酬、納品形式、修正回数、支払い日を確認します。作業が終わったら指定された形式で納品し、必要に応じて修正対応を行います。
納品後は、請求書を発行する場合があります。請求書には、請求日、請求先、自分の氏名または屋号、仕事内容、金額、振込先、支払期限などを記載します。
報酬が振り込まれたら、入金確認をして取引完了です。後から確定申告や収入管理で困らないよう、請求書、領収書、振込履歴は保存しておきましょう。
5. 学生フリーランスが稼ぐためのコツ
5-1. 最初は低単価でも実績作りを優先する
未経験の学生がいきなり高単価案件を取るのは簡単ではありません。最初は低単価でも、実績や評価を作ることを優先しましょう。
ただし、極端に安すぎる案件を長く続ける必要はありません。最初の数件で経験を積んだら、少しずつ単価交渉をしたり、条件のよい案件に応募したりすることが大切です。
「実績作り」と「消耗する低単価労働」は別物です。学びがあるか、ポートフォリオに載せられるか、次につながるかを基準に判断しましょう。
5-2. 専門分野を絞って単価を上げる
フリーランスで稼ぐには、専門分野を持つことが重要です。何でもできますとアピールするより、「就活記事が得意」「美容系ショート動画が得意」「飲食店向けInstagram運用が得意」のように絞ったほうが選ばれやすくなります。
学生なら、自分の専攻や経験を活かすのもおすすめです。経済学部なら金融やビジネス、情報系ならITやプログラミング、留学経験があるなら英語学習や海外生活など、独自の強みを作れます。
専門性が高まるほど、単価交渉もしやすくなります。
5-3. 継続案件を獲得する
安定して稼ぐには、単発案件だけでなく継続案件を増やすことが大切です。毎月記事を依頼してくれるクライアント、週に数本動画を任せてくれるクライアントがいれば、営業にかける時間を減らせます。
継続案件を獲得するには、初回の対応が重要です。納期を守る、返信を早くする、修正に丁寧に対応する、相手の意図を汲み取るといった基本を徹底しましょう。
納品後に「次回も対応可能です」と一言添えるだけでも、継続依頼につながることがあります。
5-4. 納期・連絡・品質で信頼を積み上げる
学生フリーランスが信頼されるには、社会人と同じレベルの対応を意識する必要があります。特別な営業テクニックより、納期、連絡、品質の3つを守ることが大切です。
納期に遅れそうな場合は、直前ではなく早めに相談しましょう。連絡を放置すると、たとえ成果物の質が高くても信頼を失います。
品質については、納品前に誤字脱字、ファイル形式、指示内容、リンク、画像サイズなどを確認しましょう。小さな確認を怠らない人ほど、継続して依頼されやすくなります。
5-5. SNSやブログで自分のスキルを発信する
SNSやブログで自分の活動を発信すると、案件獲得につながることがあります。たとえば、「Webライターとして書いたサンプル記事」「動画編集の練習作品」「学習記録」「実績紹介」などを投稿します。
発信するときは、ただの日記ではなく「誰に何を頼んでもらいたいか」を意識しましょう。プロフィールには、対応可能な仕事、実績、問い合わせ方法を明記しておくと効果的です。
発信はすぐに結果が出るものではありませんが、継続することで信頼や認知につながります。
5-6. 学業に支障が出ない稼働時間を決める
学生フリーランスにとって最も大切なのは、学業との両立です。仕事で稼げても、単位を落としたり、卒業が遅れたりしては本末転倒です。
週に使える時間を決め、試験期間や実習期間は案件を減らしましょう。目安として、最初は週5時間から10時間程度に抑え、慣れてきたら少しずつ増やすのがおすすめです。
フリーランスは長く続けるほど実績が積み上がります。無理に短期間で稼ごうとするより、学業と両立できるペースで続けることが結果的に収入アップにつながります。
6. 学生フリーランスの税金と確定申告の基礎
6-1. フリーランス収入は「給与」ではなく「事業所得」または「雑所得」になる
学生がアルバイトで受け取るお金は、基本的に給与です。一方、フリーランスとして業務委託で受け取る報酬は、給与ではなく「事業所得」または「雑所得」として扱われることが多くなります。
国税庁は、事業所得を「事業から生ずる所得」と説明しており、事業所得の金額は「総収入金額−必要経費」で計算します。また、副業に係る所得や原稿料などは、他の所得区分に該当しない場合、雑所得に該当することがあります。
学生フリーランスの場合、継続的に仕事を受けて事業として行っているなら事業所得、一時的・副業的な収入なら雑所得として考えるケースが多いです。ただし、実態によって判断されるため、不安な場合は税務署や税理士に確認しましょう。
6-2. 確定申告が必要になるケース
確定申告とは、1年間の所得と税額を計算し、税務署に申告する手続きです。学生フリーランスでも、所得が一定以上になった場合や、源泉徴収された税金の還付を受けたい場合には確定申告が関係します。
アルバイトなどの給与を1か所から受けていて、給与以外の所得が20万円を超える場合などは、確定申告が必要になるケースがあります。国税庁も、給与を1か所から受けていて、給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える人は確定申告が必要になると説明しています。
一方、フリーランス収入だけの学生は、「20万円以下なら絶対に申告不要」と単純にはいえません。基礎控除や各種控除、源泉徴収、住民税の扱いによって変わります。2026年分以後の所得税では、基礎控除や給与所得控除、扶養親族等の所得要件が改正されています。たとえば2026年・2027年分では、合計所得金額132万円以下の人の基礎控除額が104万円とされています。
所得税がかからない場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。住民税は自治体によって扱いが異なるため、住んでいる市区町村の案内も確認しましょう。
6-3. 経費にできるもの・できないもの
フリーランスの所得は、基本的に「収入−必要経費」で考えます。必要経費とは、仕事のために直接必要な費用です。国税庁は、必要経費について、収入を得るために直接必要な売上原価、販売費、管理費などと説明しています。
学生フリーランスで経費になりやすいものには、仕事用のパソコン、ソフト代、サーバー代、ドメイン代、書籍代、取材交通費、仕事用の通信費、文具、クラウドツール利用料などがあります。
ただし、プライベートでも使うものは全額経費にできるとは限りません。たとえばスマホ代や自宅のインターネット代は、仕事で使った割合を合理的に分ける必要があります。
服、食事、遊び、趣味の買い物など、仕事との関係が説明できないものは経費にしないようにしましょう。
6-4. 白色申告と青色申告の違い
確定申告には、白色申告と青色申告があります。白色申告は比較的シンプルですが、青色申告のような特別控除はありません。
青色申告は、事前に承認申請を行い、帳簿を整えることで利用できる制度です。国税庁は、青色申告特別控除について、所得金額から55万円、一定の要件を満たす場合は65万円、または10万円を控除できると説明しています。
学生フリーランスで収入が少ないうちは白色申告でも対応できる場合がありますが、継続的に稼ぐつもりなら青色申告を検討する価値があります。会計ソフトを使えば、学生でも帳簿管理はしやすくなっています。
6-5. 開業届は学生でも出すべき?
開業届は、個人事業を始めたことを税務署に知らせる書類です。学生でも、継続的にフリーランスとして仕事をするなら提出を検討できます。
開業届を出すメリットは、青色申告の手続きがしやすくなること、屋号を使いやすくなること、事業としての意識が高まることです。一方で、開業届を出したからといって自動的に扶養から外れるわけではありません。
扶養に影響するのは、開業届の有無そのものではなく、基本的には所得や収入の金額、加入している健康保険の認定基準です。親の扶養に入っている学生は、開業届を出す前に親へ相談し、必要なら税務署や健康保険組合にも確認しましょう。
6-6. 源泉徴収されている場合の確認ポイント
Webライター、デザイナー、イラストレーター、講師などの報酬では、源泉徴収されることがあります。源泉徴収とは、報酬を支払う側があらかじめ税金を差し引いて支払う仕組みです。
国税庁は、源泉徴収が必要な報酬・料金の例として、原稿料や講演料などを挙げています。学生フリーランスが受けるライティングやクリエイティブ系の案件でも、源泉徴収の有無を確認しておきましょう。
源泉徴収されている場合、確定申告によって税金が還付されることがあります。支払調書が発行される場合もありますが、支払調書がなくても自分で売上や源泉徴収額を記録しておくことが大切です。
6-7. 帳簿・領収書・請求書の管理方法
学生フリーランスは、収入と経費を日々記録しましょう。最低限、案件名、取引先、請求日、入金日、報酬額、源泉徴収額、経費の内容を管理します。
領収書やレシートは、紙ならファイルに保管し、電子データならフォルダを作って保存します。請求書も、発行日順に整理しておきましょう。
会計ソフトやスプレッドシートを使うと、確定申告前に慌てずに済みます。月1回だけでも収支を整理する習慣をつけると、扶養の範囲も管理しやすくなります。
7. 学生フリーランスが注意すべき扶養の壁
7-1. 親の扶養に入っている学生が確認すべきこと
学生フリーランスが特に注意したいのが、親の扶養です。扶養には、所得税の扶養と社会保険の扶養があります。この2つは基準が異なるため、混同しないようにしましょう。
親の扶養に入っている学生が確認すべきなのは、自分の年間収入、必要経費、所得、アルバイト収入の有無、親の勤務先の健康保険のルールです。
「年収○万円までなら大丈夫」と思い込むのではなく、自分の稼ぎ方が給与なのか、フリーランス報酬なのかを分けて考える必要があります。
7-2. 所得税の扶養と社会保険の扶養の違い
所得税の扶養は、親が扶養控除を受けられるかどうかに関係します。2026年分以後は、扶養親族などの所得要件が改正され、扶養親族の合計所得金額の要件は62万円以下とされています。給与収入だけの場合は、2026年・2027年分では136万円以下が目安として示されています。
フリーランスの場合は、売上ではなく「売上−必要経費」で計算した所得が重要です。たとえば、フリーランス収入が80万円でも、必要経費が25万円なら所得は55万円です。
一方、社会保険の扶養は、親の健康保険に入れるかどうかに関係します。日本年金機構の説明では、被扶養者の収入要件は原則として年間収入130万円未満ですが、扶養認定日が2025年10月1日以降で19歳以上23歳未満の場合は年間収入150万円未満に変わるとされています。自営業による収入がある場合は、事業遂行のための必要経費を控除した額で確認する旨も示されています。
ただし、健康保険組合によって必要経費の扱いや確認書類が異なることがあります。必ず親の勤務先や加入している健康保険に確認しましょう。
7-3. アルバイト収入とフリーランス収入がある場合の考え方
学生によくあるのが、アルバイトとフリーランスを掛け持ちするケースです。この場合、アルバイト収入は給与所得、フリーランス収入は事業所得または雑所得として計算します。
所得税の扶養を考えるときは、給与所得とフリーランス所得を合計します。給与収入は給与所得控除を差し引いて給与所得を計算し、フリーランス収入は必要経費を差し引いて所得を計算します。
たとえば、アルバイト収入80万円、フリーランス収入40万円、必要経費10万円の場合、給与所得とフリーランス所得を分けて計算し、合計所得が扶養の基準を超えないか確認します。
単純に「収入の合計がいくらか」だけでは判断できないため、早めに収支を記録しておきましょう。
7-4. 扶養から外れると親の税金が増える可能性がある
学生が所得税の扶養から外れると、親が扶養控除を受けられなくなり、親の税金が増える可能性があります。特に19歳以上23歳未満の学生は、親の扶養控除への影響が大きくなることがあります。
学生本人の税金だけを見て「少し税金を払えばいい」と考えるのは危険です。親の税負担や家計全体で見ると、思ったより影響が大きいことがあります。
フリーランスで収入が増えてきたら、年末に慌てるのではなく、夏や秋の時点で年間所得の見込みを確認しましょう。
7-5. 稼ぐ前に親へ相談しておくべき理由
親の扶養に入っている学生は、フリーランスとして稼ぐ前に親へ相談しておきましょう。収入が増えること自体は良いことですが、扶養や健康保険に影響が出ると、親の勤務先で手続きが必要になる場合があります。
「バレなければ大丈夫」と考えるのは避けるべきです。税金や健康保険の情報は、年末調整、確定申告、住民税、扶養確認などで後から問題になることがあります。
親に相談するときは、仕事内容、収入見込み、経費、アルバイト収入の有無、扶養内で働きたいのか、扶養を外れても稼ぎたいのかを整理して伝えましょう。
7-6. 扶養内で働きたい学生の収入管理のポイント
扶養内で働きたい学生は、毎月の売上と経費を管理しましょう。年末にまとめて計算すると、すでに基準を超えていたということになりかねません。
おすすめは、スプレッドシートで「売上」「経費」「所得見込み」「アルバイト収入」を月ごとに記録する方法です。案件を受ける前に、今年あといくらまでなら受けられるかを確認できます。
また、12月に納品して翌年1月に入金される場合など、売上の計上時期にも注意が必要です。申告方法や所得区分によって扱いが変わることがあるため、不安な場合は税務署や専門家に相談しましょう。
8. 学生フリーランスが失敗しないための注意点
8-1. 契約書・業務内容・報酬条件を必ず確認する
案件を受ける前に、契約書や発注条件を必ず確認しましょう。最低限、業務内容、納期、報酬、支払日、修正回数、著作権、秘密保持、キャンセル時の扱いを確認します。
特に、修正回数が無制限になっている案件は注意が必要です。何度も修正を求められて、時給換算すると極端に低くなることがあります。
契約書がない場合でも、チャットやメールで条件を文章として残しておきましょう。
8-2. 口約束だけで仕事を受けない
知人やSNS経由の仕事でも、口約束だけで受けるのは危険です。「後で払う」「だいたいこのくらい」「簡単な作業だから」と言われて始めると、報酬未払い、追加作業、納期トラブルにつながることがあります。
仕事を始める前に、報酬額、支払いタイミング、作業範囲を必ず文章で確認しましょう。学生だからこそ、相手に遠慮しすぎず、ビジネスとして条件を確認することが大切です。
8-3. 怪しい副業案件や高額スクール勧誘に注意する
「未経験でも簡単に月100万円」「登録するだけで稼げる」「最初に教材費を払えば案件を紹介する」といった話には注意しましょう。
もちろん、スクールや講座そのものがすべて悪いわけではありません。しかし、借金を勧められる、契約を急がされる、実績が不明確、返金条件があいまいといった場合は慎重になるべきです。
迷ったら、すぐ契約せず、親や信頼できる社会人、大学の相談窓口に相談しましょう。
8-4. 納期遅れや無断キャンセルをしない
フリーランスで最も信頼を失いやすいのが、納期遅れと無断キャンセルです。学生だから許されるということはありません。
体調不良や学業の都合で遅れそうな場合は、早めに連絡しましょう。無断で連絡を絶つと、次の仕事を失うだけでなく、悪い評価が残る可能性もあります。
受ける前に、自分が本当に対応できる案件か確認することが重要です。
8-5. 単位・卒業・就活に影響が出ないようにする
学生フリーランスは、稼ぐことに夢中になりすぎると学業や就活に影響が出ることがあります。短期的に収入が増えても、単位を落としたり、就活準備が遅れたりすると将来の選択肢を狭める可能性があります。
仕事を入れる前に、授業、試験、レポート、ゼミ、就活、サークルなどの予定を確認しましょう。忙しい時期は新規案件を減らす判断も必要です。
8-6. 個人情報や著作権の扱いに注意する
フリーランスの仕事では、クライアントの情報、顧客情報、未公開資料などを扱うことがあります。これらをSNSに投稿したり、友人に話したりしてはいけません。
また、画像、音楽、文章、フォント、イラストなどの著作権にも注意が必要です。ネット上の素材を勝手に使うと、クライアントにも迷惑がかかります。
無料素材を使う場合でも、商用利用の可否、クレジット表記、加工の可否を確認しましょう。
9. 学生フリーランスにおすすめの案件獲得方法
9-1. クラウドソーシングサイトを使う
最初の案件獲得には、クラウドソーシングサイトが便利です。未経験向け案件も多く、取引の流れを学びやすいからです。
プロフィールには、対応できる仕事、使えるツール、稼働時間、納期目安、ポートフォリオを記載しましょう。学生であることを隠す必要はありませんが、「学生なのでできません」ではなく、「学生ですが、週○時間対応可能です」と具体的に書くことが大切です。
最初は実績数や評価を増やすことを重視し、少しずつ単価を上げていきましょう。
9-2. SNSで仕事を探す
X、Instagram、TikTok、LinkedInなどのSNSでも案件を探せます。募集投稿に応募したり、自分の作品を投稿したりすることで依頼につながることがあります。
SNSで案件を探すときは、相手の実績や評判を確認しましょう。報酬、仕事内容、納期が不明確なままDMだけで進めるのは危険です。
自分のプロフィールには、職種、実績、ポートフォリオ、問い合わせ方法をわかりやすく書いておきましょう。
9-3. 知人・大学・コミュニティ経由で紹介を受ける
知人や大学、学生コミュニティ経由で仕事を紹介してもらう方法もあります。たとえば、サークルのイベント告知画像、ゼミのWebサイト、学生団体のSNS運用、知人の店舗のチラシ制作などです。
身近な仕事は実績作りに向いています。ただし、知人だからこそ条件をあいまいにしないことが大切です。
「友達価格」で引き受ける場合でも、作業範囲、納期、報酬は事前に決めておきましょう。
9-4. インターンや長期業務委託から始める
いきなり完全なフリーランスになるのが不安な学生は、長期インターンや業務委託から始める方法もあります。企業の中で実務経験を積みながら、スキルや仕事の進め方を学べます。
特に、マーケティング、編集、デザイン、エンジニア職を目指す学生には、長期インターンが実績作りになります。
契約形態が雇用なのか業務委託なのかは必ず確認しましょう。税金や働き方に影響するためです。
9-5. ポートフォリオサイトやブログから問い合わせを増やす
中長期的には、ポートフォリオサイトやブログを作って問い合わせを増やす方法もおすすめです。自分の作品や実績を一覧で見せられるため、クライアントに信頼されやすくなります。
Webライターなら執筆記事、デザイナーなら制作物、エンジニアならGitHubや公開サイト、動画編集者なら編集サンプルを掲載しましょう。
ブログで自分の学習過程や専門知識を発信すれば、検索やSNSから仕事につながる可能性もあります。
10. 学生フリーランスに関するよくある質問
10-1. スキルなしの学生でもフリーランスになれる?
スキルなしの状態でも、学びながらフリーランスを目指すことはできます。ただし、何もできない状態で案件を受けるのはおすすめしません。
まずは、Webライティング、動画編集、デザイン、SNS運用など、自分が興味のある分野を1つ選び、基礎を学んでサンプル作品を作りましょう。
「未経験でも応募可能」の案件でも、最低限の学習とポートフォリオは必要です。
10-2. 学生フリーランスは月いくら稼げる?
学生フリーランスの収入は、職種、スキル、稼働時間、案件数によって大きく変わります。初心者なら月1万円から3万円、慣れてくると月5万円から10万円以上を目指せる場合もあります。
ただし、収入を増やすほど学業や扶養への影響も大きくなります。単に月収だけを追うのではなく、時給換算、継続性、実績になるかどうかを考えましょう。
10-3. 開業届を出すと親の扶養から外れる?
開業届を出しただけで、ただちに親の扶養から外れるわけではありません。扶養の判断では、所得や収入、健康保険の認定基準が重要です。
ただし、開業届を出すほど継続的に稼ぐ場合、結果的に扶養の基準を超える可能性はあります。親の扶養内で働きたい学生は、開業届を出す前に年間所得の見込みを確認し、親にも相談しましょう。
10-4. 確定申告しないとどうなる?
確定申告が必要なのに申告しないと、後から税務署に指摘され、追加で税金や延滞税などが発生する可能性があります。
また、源泉徴収されている場合は、申告することで税金が戻ってくるケースもあります。確定申告は「面倒なもの」ではなく、自分の収入を正しく管理するための手続きです。
学生のうちから帳簿をつける習慣を作っておくと、社会人になってからも役立ちます。
10-5. 就活で学生フリーランス経験は有利になる?
学生フリーランス経験は、伝え方次第で就活に有利になります。単に「フリーランスをしていました」と言うだけでなく、どんな課題に取り組み、どんな成果を出し、何を学んだのかを説明できることが重要です。
たとえば、クライアントとのやり取り、納期管理、改善提案、数値分析、売上目標の達成などは、ビジネス経験としてアピールできます。
ただし、学業をおろそかにしていた印象を与えないよう、両立していたことも伝えましょう。
10-6. 卒業後に新卒フリーランスになるのはあり?
卒業後に新卒フリーランスになる選択肢はあります。ただし、安定収入、社会保険、営業力、実績、生活費の見通しが必要です。
学生時代から継続案件があり、生活費をまかなえる収入があり、今後も案件を獲得できる見込みがあるなら選択肢になります。
一方、収入が不安定な状態でいきなり新卒フリーランスになるのはリスクがあります。就職して実務経験を積みながら副業として続け、将来的に独立する方法も検討しましょう。
まとめ
学生でもフリーランスになることは可能です。Webライター、動画編集、Webデザイン、プログラミング、SNS運用など、学生のうちから挑戦しやすい仕事はたくさんあります。
学生フリーランスの魅力は、時間や場所に縛られにくく、スキルや実績が将来に活きることです。一方で、収入の不安定さ、学業との両立、契約、税金、扶養の管理には注意が必要です。
特に親の扶養に入っている学生は、アルバイト収入とフリーランス収入を分けて管理し、年間所得の見込みを早めに確認しましょう。税金や社会保険のルールは変わることがあるため、最新情報を確認することも大切です。
まずは得意分野を決め、スキルを学び、ポートフォリオを作り、小さな案件から始めてみましょう。無理なく継続すれば、学生フリーランスの経験は収入だけでなく、就活や将来の働き方にも大きく役立ちます。

