フリーランスの手数料はいくら?主要サービスの相場比較と安く抑える方法

はじめに

フリーランスとして案件を受注するときは、提示された報酬額だけでなく、手数料を差し引いた後の手取り額を確認することが重要です。

たとえば、報酬が10万円でも、手数料率が22%なら手数料は2万2,000円となり、手取りは7万8,000円です。さらに振込手数料や源泉徴収が発生すると、実際の入金額はさらに少なくなる可能性があります。

一方、手数料が高いサービスでも、案件を探す時間を短縮できる、仮払いによって未払いリスクを抑えられる、契約や請求を代行してもらえるといったメリットがあります。そのため、単純に手数料率が低いサービスを選べばよいとは限りません。

この記事では、フリーランスにかかる手数料の種類、主要サービスの手数料相場、報酬別の手取り額、手数料を安く抑える方法を詳しく解説します。

1. フリーランスにかかる手数料とは?まず押さえるべき基本

1-1. 手数料は「報酬から差し引かれる費用」のこと

フリーランスの手数料とは、案件紹介サービスやクラウドソーシングなどを利用した際に、報酬から差し引かれる費用を指します。

たとえば、税込報酬10万円に対して手数料率が20%なら、手数料は2万円、手取りは8万円です。ただし、手数料に消費税が加算されるサービスでは、実際の差引率が22%になることもあります。

フリーランスが確認すべき金額は、募集ページに表示された報酬額ではなく、次の計算で求められる実質的な手取りです。

実質手取り額=税込報酬-サービス手数料-振込手数料-源泉徴収額

源泉徴収額は確定申告で精算される税金であり、サービス手数料とは性質が異なります。

1-2. 手数料の主な種類:サービス利用料・振込手数料・エージェントマージン

フリーランスに関係する手数料は、大きく次の3種類に分けられます。

サービス利用料

クラウドソーシングやスキル販売サービスのシステムを利用する対価です。案件の検索、メッセージ、契約、仮払い、納品、評価といった機能の利用料が含まれます。

振込手数料

サービス内に蓄積された報酬を銀行口座へ振り込む際の費用です。振込先の銀行や出金金額によって変わることがあります。

エージェントマージン

フリーランスエージェントが、企業から受け取る契約金額とフリーランスへ支払う報酬との差額です。営業、案件紹介、契約管理、請求、単価交渉、参画後のフォローなどの対価に当たります。

1-3. 手数料が発生する理由:集客・決済・契約管理・トラブル防止の対価

フリーランス向けサービスの手数料には、単なる案件掲載料だけでなく、次のような機能やサポートの対価が含まれています。

  • 案件や発注者を集めるための広告・営業

  • 本人確認や企業審査

  • メッセージや契約機能の提供

  • クレジットカードなどの決済処理

  • 仮払いによる報酬未払いの防止

  • 請求書や支払通知書の発行

  • トラブル発生時の仲介

  • 発注者とフリーランスの評価管理

直接契約では、これらの業務を自分で行わなければなりません。手数料を比較するときは、差し引かれる金額だけでなく、削減できる営業時間や未払いリスクも考慮する必要があります。

1-4. 手数料と税金・源泉徴収・経費の違い

手数料、税金、源泉徴収、経費は混同されやすいものの、それぞれ意味が異なります。

項目内容
手数料サービス運営会社や銀行に支払う利用料
所得税所得に対して課される税金
源泉徴収発注者が報酬から所得税などを先に差し引く仕組み
消費税商品やサービスの取引にかかる税金
経費事業収入を得るために必要となった支出

源泉徴収された金額は、サービス会社に支払う費用ではありません。確定申告で年間の所得税額を計算し、源泉徴収済みの金額と精算します。

また、業務上必要なプラットフォーム手数料や振込手数料は、一般に必要経費として計上できます。利用明細や領収書、支払通知書などは保存しておきましょう。

2. フリーランス向け主要サービスの手数料相場を比較

2-1. クラウドソーシング系サービスの手数料相場

クラウドソーシングの受注者側手数料は、おおむね税込16.5~22%程度が一つの目安です。

クラウドワークスは報酬額に応じて料率が下がる段階制、ランサーズは原則として税込16.5%の一律制です。

少額案件では手数料の割合が高くなりやすいため、1件数千円の案件を繰り返すより、作業をまとめた高単価案件や継続契約を獲得した方が、効率的に収入を増やせる場合があります。

2-2. スキル販売系サービスの手数料相場

スキル販売サービスの手数料は、販売額の20%前後が一般的な目安です。

ココナラの通常サービスでは、販売総額から税込22%が差し引かれます。ビデオチャットサービスは税込27.5%となるため、提供形式によっても手数料が変わります。

スキル販売サービスは自分でサービス内容と価格を設定できるため、手数料をあらかじめ販売価格へ反映することが重要です。

2-3. フリーランスエージェントのマージン相場

フリーランスエージェントのマージン率には、業界共通の一律基準がありません。案件、契約形態、商流、サポート内容によって異なり、非公開としている会社も多くあります。

公開例として、PE-BANKではフリーランスへの報酬分配率を初回85%、最大90%としています。差額に当たる割合は15~10%です。

ただし、エージェントの案件ページに「月額80万円」と記載されている場合、その80万円からさらにマージンが差し引かれるとは限りません。すでにマージンを反映したフリーランス向け報酬額が掲載されているケースもあります。

2-4. 求人・マッチングプラットフォームの手数料相場

求人・マッチングプラットフォームには、企業側が月額利用料や成約手数料を負担し、フリーランス側は無料で利用できるサービスがあります。

たとえば、Workshipはフリーランス向けのサービスやサポートを無料で提供しています。複業クラウドも、仕事を探す個人は無料で利用できます。

ただし、無料サービスでは、契約や支払いを企業と直接行う案件もあります。仮払いの有無、請求方法、支払日、トラブル時の対応範囲を確認しましょう。

2-5. 直接契約の場合にかかる手数料・コスト

企業と直接契約する場合、プラットフォーム手数料やエージェントマージンは原則として発生しません。

その代わり、次のような業務やコストを自分で負担します。

  • 営業先の開拓

  • 商談や単価交渉

  • 契約書の作成・確認

  • 電子契約サービスの利用

  • 請求書の発行

  • 入金管理

  • 支払遅延への対応

  • 法務・税務の専門家への相談

  • 業務中の損害に備える保険

直接契約は手取りを増やしやすい反面、営業や管理に時間がかかります。未払いが発生した場合も、原則として自分で督促や法的対応を進めなければなりません。

2-6. サービス別に見る手取り額の違い

税込報酬10万円を受け取った場合の、サービス手数料差引後の概算額は次のとおりです。

受注方法手数料の例手数料差引後
クラウドワークス実質22%78,000円
ランサーズ16.5%83,500円
ココナラ通常サービス22%78,000円
受注者手数料無料のマッチングサービス0%100,000円
直接契約0%100,000円

上記は振込手数料、源泉徴収、消費税の納税、その他の経費を考慮していません。実際の入金額や最終的な所得は、契約条件や税務上の立場によって変わります。

3. 主要サービス別の手数料比較表

3-1. クラウドワークスの手数料

クラウドワークスでは、固定報酬制などのシステム利用料が報酬額の部分ごとに計算されます。

報酬額の部分システム利用料率
10万円以下の部分20%
10万円超~20万円以下の部分10%
20万円を超える部分5%
タスク形式20%

システム利用料には別途消費税がかかります。そのため、10万円以下の部分では、報酬からの実質的な差引率は22%です。

振込手数料は、楽天銀行が税込100円、その他の銀行が税込500円です。

3-2. ランサーズの手数料

ランサーズの受注者側システム手数料は、契約金額税込の16.5%です。

プロジェクト、コンペ、タスク、時間報酬、月額報酬、パッケージなど、原則としてすべての仕事方式が対象となります。

振込手数料は、楽天銀行が110円、その他の銀行が550円です。

クラウドワークスの10万円以下の案件やココナラの通常サービスと比較すると、受注者側の手数料率は低くなります。

3-3. ココナラの手数料

ココナラの通常サービスでは、販売総額から税込22%の販売手数料が差し引かれます。

サービス形式販売手数料
通常サービス22%
ビデオチャットサービス27.5%

通常サービスの22%は、税抜手数料20%に消費税を加えたものです。

振込手数料は通常160円ですが、3,000円以上の振込申請では無料です。少額の売上を頻繁に出金するより、3,000円以上にまとめて申請した方が振込手数料を抑えられます。

3-4. Workship・複業クラウドなどマッチングサービスの手数料

Workshipは、フリーランス向けの登録、案件検索、契約機能などを無料で提供しています。Workshipを通じた案件の報酬は、原則として月末締め、翌月末日に指定口座へ振り込まれます。

複業クラウドも、仕事を探す個人は無料で利用できます。企業側から月額利用料を受け取るビジネスモデルであるため、フリーランスの報酬から紹介手数料が差し引かれない案件を探せます。

ただし、手数料無料でも、案件数、競争率、支払方法、契約管理の範囲はサービスごとに異なります。

3-5. フリーランスエージェント各社のマージン

フリーランスエージェントのマージン公開状況は次のように整理できます。

サービスマージン率特徴
PE-BANK実質10~15%相当報酬分配率85~90%を公開
レバテックフリーランス非公開企業との直接取引を増やし商流を短縮
その他の主要エージェント非公開が多い案件や商流ごとに異なる

マージン率が非公開でも、企業との契約単価や商流を担当者へ質問できる場合があります。

比較するときは、マージン率だけでなく、提示される月額報酬、稼働日数、契約期間、支払いサイト、福利厚生、営業支援を含めて判断しましょう。

3-6. 振込手数料・出金条件も含めた比較ポイント

主要サービスの受注者側手数料をまとめると、次のとおりです。

サービス主な利用手数料振込手数料・出金条件
クラウドワークス5~20%+消費税楽天銀行100円、他行500円
ランサーズ税込16.5%楽天銀行110円、他行550円
ココナラ通常サービス税込22%160円、3,000円以上は無料
Workshipフリーランス側無料原則として月末締め翌月末払い
複業クラウド個人利用無料案件ごとの契約条件を確認
PE-BANK実質10~15%相当案件・契約条件による
直接契約プラットフォーム手数料なし契約により異なる

料率だけでなく、最低出金額、振込回数、支払日、早期出金手数料なども確認することが大切です。

4. 報酬別に見る手取り額シミュレーション

以下では、報酬額を税込契約金額とし、サービス手数料だけを差し引いて計算します。振込手数料や源泉徴収は含めていません。

4-1. 報酬1万円の場合の手取り額

サービス手数料手取り額
クラウドワークス2,200円7,800円
ランサーズ1,650円8,350円
ココナラ2,200円7,800円
手数料無料サービス・直接契約0円10,000円

少額案件では、固定額の振込手数料も大きな負担になります。1万円の報酬から500円の振込手数料が引かれる場合、振込手数料だけで報酬の5%に相当します。

4-2. 報酬5万円の場合の手取り額

サービス手数料手取り額
クラウドワークス11,000円39,000円
ランサーズ8,250円41,750円
ココナラ11,000円39,000円
手数料無料サービス・直接契約0円50,000円

クラウドワークスとココナラでは、手数料だけで1万円を超えます。見積もりを出す際は、手数料を差し引いた後の時給を確認しましょう。

4-3. 報酬10万円の場合の手取り額

サービス手数料手取り額
クラウドワークス22,000円78,000円
ランサーズ16,500円83,500円
ココナラ22,000円78,000円
手数料無料サービス・直接契約0円100,000円

同じ10万円の案件でも、ランサーズと手数料率22%のサービスでは、手取りに5,500円の差が出ます。

4-4. 報酬50万円の場合の手取り額

サービス手数料手取り額
クラウドワークス49,500円450,500円
ランサーズ82,500円417,500円
ココナラ110,000円390,000円
手数料無料サービス・直接契約0円500,000円

クラウドワークスは段階制のため、報酬が高くなるほど平均手数料率が下がります。50万円の場合、20万円を超える部分には5%の料率が適用されるため、実質的な平均差引率は9.9%です。

4-5. 手数料込みで価格設定する際の計算方法

希望する手取り額から販売価格を逆算する場合は、次の式を使います。

必要な販売価格=希望手取り額÷(1-実効手数料率)

希望手取り額が10万円の場合の目安は次のとおりです。

実効手数料率必要な販売価格
16.5%約119,761円
22%約128,206円

たとえば、ココナラの通常サービスで10万円を手元に残したい場合、販売価格は約12万8,206円以上に設定する必要があります。

ただし、サービスごとの最低価格単位や端数処理、段階制手数料、振込手数料も考慮しましょう。

4-6. 手数料率だけでなく実質時給で判断する重要性

案件の収益性は、手数料率だけでは判断できません。次の式で実質時給を計算しましょう。

実質時給=手数料差引後の報酬÷案件に使った総時間

総時間には、実作業だけでなく、次の時間も含めます。

  • 案件検索

  • 提案文の作成

  • 打ち合わせ

  • メッセージ対応

  • 修正

  • 請求・入金確認

手数料無料で5万円を受け取れる案件でも、営業や契約管理に30時間かかれば実質時給は低くなります。一方、手数料が差し引かれても、短時間で継続案件を獲得できれば収益性が高くなる可能性があります。

5. 手数料が高いサービス・安いサービスの選び方

5-1. 初心者は手数料より案件獲得のしやすさを優先

実績が少ないフリーランスは、手数料の安さだけでなく、案件の見つけやすさを優先するのが現実的です。

クラウドソーシングには、初心者向けのライティング、データ入力、事務、画像作成などの案件が掲載されています。プロフィールや評価を蓄積すれば、より高単価な案件にも応募しやすくなります。

最初は手数料を「実績と評価を得るための集客費」と考え、一定の実績を作った後に受注経路を広げる方法もあります。

5-2. 実績がある人は低手数料・高単価案件を狙う

十分な実績やポートフォリオがある人は、手数料無料のマッチングサービス、専門エージェント、紹介、直接営業などを組み合わせると手取りを増やしやすくなります。

特に、高度な専門性が必要なエンジニア、デザイナー、マーケター、コンサルタントなどは、企業と直接条件を交渉できるサービスと相性がよい傾向があります。

ただし、高単価案件では責任範囲も広がるため、契約内容や損害賠償条項を慎重に確認しましょう。

5-3. 継続案件なら手数料率より総収入で比較する

継続案件では、1回の手数料より、契約期間全体で得られる総収入が重要です。

たとえば、手数料を差し引いた月収が20万円であっても、毎月安定して受注でき、営業活動が不要なら、単発の直接契約を繰り返すより収益が安定する可能性があります。

次の項目を年間ベースで比較しましょう。

  • 月間の手取り額

  • 契約を継続できる期間

  • 案件獲得に必要な営業時間

  • 契約終了リスク

  • 稼働時間

  • 支払日

5-4. エージェントはマージン率だけでなく単価・福利厚生・営業代行で判断

フリーランスエージェントを選ぶときは、マージン率だけでなく、最終的な提示単価を比較する必要があります。

マージン率が10%でも、企業との契約金額が60万円なら報酬は54万円です。一方、マージン率が20%でも、契約金額が80万円なら報酬は64万円になります。

さらに、次のサービスも確認しましょう。

  • 案件紹介

  • 職務経歴書の添削

  • 面談対策

  • 単価交渉

  • 契約更新の確認

  • 請求代行

  • 報酬の早期支払い

  • 保険や福利厚生

  • 税務・法務相談

5-5. 安さだけで選ぶと失敗しやすいケース

手数料が安くても、次のようなサービスや案件には注意が必要です。

  • 発注者の審査がない

  • 仮払い制度がない

  • 契約条件が曖昧

  • 報酬の支払日が遅い

  • 運営会社へ問い合わせても返答がない

  • 極端に低単価な案件が多い

  • トラブル対応の仕組みがない

手数料は、未払いや詐欺、契約トラブルを防ぐための安全コストでもあります。特に取引実績のない相手と仕事をする場合は、安全性を重視しましょう。

6. フリーランスが手数料を安く抑える方法

6-1. 手数料の低いサービスを選ぶ

同じような案件を受注できるなら、手数料率の低いサービスを選ぶことで手取りを増やせます。

ただし、案件数や単価が違うため、料率だけではなく、実際に応募できる案件の報酬を比較しましょう。

6-2. 高単価案件を受注して手数料負担を相対的に下げる

段階制手数料を採用しているサービスでは、報酬が高いほど平均手数料率が下がります。

単発の作業を細かく受注するのではなく、関連業務をまとめて提案する方法が有効です。たとえば、記事執筆だけでなく、キーワード選定、構成作成、入稿までセットにすることで案件単価を上げられます。

6-3. 継続案件・月額契約で出金回数を減らす

振込のたびに固定手数料がかかるサービスでは、報酬をまとめて出金すると負担を抑えられます。

毎週少額を出金するのではなく、月1回や一定額以上にまとめる方法を検討しましょう。ただし、報酬の出金期限が設定されているサービスもあるため、長期間放置しないことが重要です。

6-4. 振込手数料が安い銀行口座を使う

サービスが特定の銀行を優遇している場合は、その銀行口座を登録すると振込手数料を節約できます。

クラウドワークスでは楽天銀行100円、その他の銀行500円、ランサーズでは楽天銀行110円、その他の銀行550円です。

月1回出金する場合でも、年間では4,800~5,280円の差が生じます。

6-5. 複数サービスに登録して手取り額を比較する

同じスキルでも、サービスによって案件単価や手数料が異なります。複数のサービスに登録し、次の条件を比較しましょう。

  • 税込報酬

  • 手数料

  • 振込手数料

  • 稼働時間

  • 契約期間

  • 支払日

  • 修正回数

  • サポート内容

単価が高く見えても、業務範囲や修正回数が多ければ実質時給が低くなる可能性があります。

6-6. 規約を確認したうえで直接契約を検討する

自分で新規の取引先を開拓し、最初から直接契約を結べば、プラットフォーム手数料を抑えられます。

一方、クラウドソーシングやスキル販売サービスで知り合った発注者と、サービスを介さず取引する行為は規約違反になる場合があります。

違約金、アカウント停止、報酬トラブルにつながる可能性があるため、必ず最新の利用規約を確認してください。

6-7. 手数料分を見込んだ見積もり・価格設定をする

見積もりでは、作業時間と希望時給だけでなく、次の費用を価格へ反映させます。

  • サービス手数料

  • 振込手数料

  • 打ち合わせ時間

  • 修正対応

  • ソフトウェア利用料

  • 外注費

  • 税理士や弁護士への相談費用

ただし、見積書に根拠なく「手数料上乗せ」とだけ記載するより、業務範囲や成果物の価値に基づいて価格を提示した方が、発注者の理解を得やすくなります。

7. 手数料で損しないための注意点

7-1. サービス外取引は規約違反になる場合がある

手数料を避ける目的で、サービス内で出会った相手を外部決済へ誘導する行為は、多くのサービスで禁止されています。

規約違反になると、アカウント停止や利用資格の取消し、違約金請求につながる可能性があります。外部ツールの使用自体が制限されている場合もあるため、連絡方法についても確認が必要です。

7-2. 手数料が安くても未払いリスクが高い場合がある

直接契約や無料マッチングサービスでは、仮払いが用意されていない場合があります。

契約前に、相手企業の実在性や支払実績を確認し、業務内容、報酬、納期、検収条件、支払日を書面や電子データで残しましょう。

対象となる取引では、フリーランス法により、発注事業者は原則として給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間で支払期日を設定する必要があります。

7-3. 税込・税抜で実際の手取りが変わる

「報酬10万円」という表記が、税込なのか税抜なのかによって請求額は変わります。

税抜10万円に消費税10%を加える契約なら、請求総額は11万円です。一方、税込10万円の契約では、請求総額は10万円のままです。

手数料が税込金額を基準に計算されるサービスもあるため、契約前に次の3点を確認しましょう。

  • 提示額が税込か税抜か

  • 消費税を別途請求できるか

  • 手数料の計算対象がどの金額か

7-4. インボイス制度や消費税の影響を確認する

インボイス発行事業者に登録すると、原則として消費税の申告・納税が必要になります。

免税事業者のままでいるか、インボイス発行事業者に登録するかは、売上高、取引先の要望、価格交渉への影響を踏まえて判断しなければなりません。

2026年6月時点では、インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった一定の事業者を対象とする2割特例がありますが、適用期間や要件が定められています。制度改正もあるため、国税庁の最新情報や税理士への確認が必要です。

7-5. 源泉徴収後の入金額と手数料を混同しない

原稿料、デザイン料、講演料など、一定の報酬は源泉徴収の対象となります。

100万円以下の対象報酬では、通常、報酬額に10.21%を掛けた金額が源泉徴収されます。ただし、すべてのフリーランス報酬が対象になるわけではありません。

源泉徴収は所得税などの前払いであり、サービス手数料ではありません。支払調書や入金明細を確認し、確定申告で正しく精算しましょう。

7-6. 契約書・請求書・支払いサイトも確認する

契約前には、少なくとも次の項目を確認します。

  • 業務内容

  • 報酬額

  • 税込・税抜

  • 納期

  • 検収条件

  • 修正回数

  • 著作権などの権利帰属

  • 秘密保持

  • 契約解除条件

  • 損害賠償の範囲

  • 請求締日

  • 支払日

「月末締め翌月末払い」であれば、作業開始から入金まで2か月近くかかることもあります。手数料が安くても支払いサイトが長ければ、資金繰りへの負担が大きくなります。

8. フリーランスの手数料に関するよくある質問

8-1. フリーランスの手数料は平均何%?

すべてのサービスに共通する平均手数料率はありません。

主要なクラウドソーシングやスキル販売サービスでは、受注者側の実質負担が税込16.5~22%程度となる例があります。一方、マッチングサービスには、フリーランス側の利用料が無料のものもあります。

エージェントはマージン率を非公開としている会社が多く、公開例では実質10~15%相当のサービスがあります。

8-2. クラウドソーシングの手数料は高すぎる?

報酬の2割前後が差し引かれるため、金額だけを見ると高いと感じる人は少なくありません。

ただし、案件の集客、契約、決済、仮払い、評価、トラブル対応などを利用できるため、営業費や未払い対策費としての側面があります。

自力で案件を獲得できる人には割高になりやすい一方、実績が少ない初心者には案件獲得の入口として役立ちます。

8-3. エージェントのマージンはフリーランスが払うの?

エージェントからフリーランスへ、手数料として別途請求書が届くケースは一般的ではありません。

多くの場合、エージェントが企業から受け取る契約金額と、フリーランスへ支払う報酬との差額がマージンになります。つまり、直接支払うというより、提示報酬にあらかじめ反映されていると考えられます。

最終的にはマージン率ではなく、自分が受け取る報酬額とサポート内容で判断しましょう。

8-4. 手数料は経費にできる?

事業収入を得るために支払ったプラットフォーム手数料、決済手数料、振込手数料は、一般に必要経費として計上できます。

会計処理では「支払手数料」などの勘定科目を使うことが多いですが、継続して同じ基準で処理することが大切です。

手数料の明細、請求書、領収書、支払通知書、銀行の取引履歴を保存しておきましょう。

8-5. 手数料無料のサービスは本当にお得?

手数料無料でも、必ずしも最もお得とは限りません。

案件単価が低い、案件数が少ない、仮払いがない、契約や請求を自分で行う必要があるといった可能性があります。

手数料を含む総コストと、営業時間、未払いリスク、契約管理の負担を比較しましょう。

8-6. 直接契約に切り替えるときの注意点は?

プラットフォーム上で知り合った発注者との外部取引は、利用規約で禁止されている場合があります。規約を確認せず、手数料を避ける目的で直接契約へ切り替えてはいけません。

自分で開拓した新規顧客と直接契約する場合は、次の準備が必要です。

  • 業務委託契約書の締結

  • 報酬と支払日の明記

  • 検収条件の設定

  • 請求書の発行

  • 未払い時の対応方法

  • 著作権や秘密保持の取り決め

  • 損害賠償範囲の確認

初めて取引する相手には、着手金を設定する、工程ごとに分割請求するなど、未払いリスクを抑える方法も有効です。

まとめ

フリーランスの手数料は、利用するサービスによって大きく異なります。主要なクラウドソーシングやスキル販売サービスでは、報酬の税込16.5~22%程度が差し引かれる例があります。

一方、Workshipや複業クラウドのように、フリーランス側が無料で利用できるマッチングサービスもあります。直接契約ならプラットフォーム手数料はかかりませんが、営業、契約、請求、未払い対応を自分で行わなければなりません。

手数料で損をしないためには、次の点が重要です。

  • 手数料差引後の手取り額を計算する

  • 振込手数料や出金条件を確認する

  • 手数料を見込んで価格を設定する

  • 実質時給で案件を比較する

  • 継続案件や高単価案件を増やす

  • 手数料無料のサービスも併用する

  • サービス外取引の規約を確認する

  • 契約書と支払条件を確認する

手数料の安さだけでなく、案件単価、営業時間、安全性、サポート内容を含めて比較し、最終的な手取りと総収入が最大になる受注方法を選びましょう。