C#(csharp)開発環境の作り方|初心者向けにWindows・Mac別で手順を解説
1. C#(csharp)開発環境とは?
C#開発環境とは、C#のソースコードを作成し、コンピューター上で実行するために必要なソフトウェア一式のことです。
C#ファイルをテキストエディタで作成するだけでは、基本的にプログラムとして実行できません。.NET SDKを使ってコードをコンパイルし、実行可能な形式に変換する必要があります。
1-1. C#で開発するために必要なもの
C#でアプリケーションを開発するには、主に次の3つが必要です。
.NET SDK
コードエディタまたはIDE
ターミナルやコマンドプロンプト
.NET SDKは、C#のプログラムを作成・ビルド・実行するためのツールです。コードエディタやIDEは、ソースコードを効率よく記述するために使います。
ターミナルやコマンドプロンプトは、dotnetコマンドを使ってプロジェクトを作成したり、プログラムを実行したりするときに必要です。
1-2. .NET SDK・エディタ・IDEの役割
.NET SDK、エディタ、IDEには、それぞれ異なる役割があります。
.NET SDKには、C#コンパイラ、プロジェクト作成用テンプレート、ビルドツール、実行環境などが含まれています。C#の開発に必要なのは、実行機能だけを持つ.NET Runtimeではなく、開発ツールを含む.NET SDKです。
コードエディタは、プログラムを書くためのソフトウェアです。代表的なものにVisual Studio Codeがあります。拡張機能を追加することで、入力補完やエラー表示、デバッグなどに対応できます。
IDEは「統合開発環境」と呼ばれ、コード編集、ビルド、デバッグ、テスト、プロジェクト管理などの機能をまとめて提供します。Windowsで利用できるVisual Studioが代表例です。
1-3. WindowsとMacで準備する環境の違い
Windowsでは、Visual Studioをインストールする方法が初心者に向いています。Visual Studioのインストーラーで必要なワークロードを選べば、C#開発に必要な機能をまとめて導入できます。
Macでは、Visual Studio Codeと.NET SDKを組み合わせる方法が基本です。以前はVisual Studio for Macも利用できましたが、2024年8月31日にサポートが終了しているため、新しく環境を作る場合は推奨されません。
WindowsとMacのおすすめ構成は、次のようになります。
| OS | おすすめの構成 |
|---|---|
| Windows | Visual Studio Community |
| Mac | Visual Studio Code+C# Dev Kit+.NET SDK |
| Windows・Mac共通 | Visual Studio Code+C# Dev Kit+.NET SDK |
2. C#開発環境を作る前に知っておきたい基礎知識
C#開発環境をスムーズに構築するために、C#と.NETの関係や、Visual StudioとVisual Studio Codeの違いを理解しておきましょう。
2-1. C#と.NETの関係
C#はプログラミング言語であり、.NETはC#などで作成したアプリケーションを開発・実行するためのプラットフォームです。
C#で書いたコードは、.NET SDKに含まれるコンパイラによって処理されます。その後、.NETの実行環境上でプログラムが動作します。
.NETは無料のオープンソースプロジェクトで、Windowsだけでなく、macOSやLinuxにも対応しています。
C#と.NETの関係は、次のように考えると分かりやすいでしょう。
C#:プログラムを書くための言語
.NET SDK:プログラムを作成・ビルドするための道具
.NET Runtime:完成したプログラムを実行するための環境
開発者は.NET Runtimeだけでなく、.NET SDKをインストールする必要があります。
2-2. Visual StudioとVisual Studio Codeの違い
Visual StudioとVisual Studio Codeは名前が似ていますが、別のソフトウェアです。
Visual Studioは、多くの開発機能を最初から備えたIDEです。プロジェクト作成、コード補完、画面設計、ビルド、デバッグ、テストなどを一つの画面で行えます。
一方、Visual Studio Codeは軽量なコードエディタです。初期状態ではC#専用ではありませんが、C# Dev Kitなどの拡張機能を追加すると、入力補完やデバッグ、プロジェクト管理に対応できます。
| 比較項目 | Visual Studio | Visual Studio Code |
| 種類 | IDE | コードエディタ |
| 主な対応OS | Windows | Windows・Mac・Linux |
| C#機能 | 標準で充実 | 拡張機能で追加 |
| 動作 | 比較的重い | 比較的軽い |
| 初期設定 | 少ない | SDKや拡張機能の設定が必要 |
| おすすめ用途 | WindowsでのC#開発 | Macや軽量な開発環境 |
2-3. 初心者におすすめの開発環境
Windowsを利用している初心者には、Visual Studio Communityがおすすめです。必要な機能がまとまっており、画面操作だけでプロジェクトを作成できます。
Macを利用している場合は、Visual Studio Code、C# Dev Kit、.NET SDKの組み合わせがおすすめです。
C# Dev Kitは、Windows、macOS、Linuxに対応したVisual Studio Code用の拡張機能です。ソリューション管理、テスト、コード補完など、C#開発を支援する機能を追加できます。
2-4. 無料でC#開発環境を作れるのか
個人学習であれば、基本的に無料でC#開発環境を構築できます。
.NET SDKとVisual Studio Codeは無料です。Windows向けのVisual Studio Communityも、学生、個人開発者、オープンソース開発などの対象者は無料で利用できます。
ただし、企業や組織でVisual Studio Communityを利用する場合は、組織規模や用途によってライセンス条件が異なります。業務利用するときは、公式のライセンス条件を確認してください。
3. WindowsでC#開発環境を作る手順
Windowsでは、Visual Studio Communityを使うと、C#開発に必要な環境をまとめて導入できます。
3-1. Visual Studioをインストールする
最初にVisual Studioの公式サイトを開き、Visual Studio Communityのインストーラーをダウンロードします。
ダウンロードしたインストーラーを実行すると、Visual Studio Installerが起動します。利用規約や権限確認の画面が表示された場合は、内容を確認して進めましょう。
Visual Studioは容量が大きいため、インストール前にストレージの空き容量を確認しておくと安心です。
3-2. 「.NETデスクトップ開発」ワークロードを選択する
Visual Studio Installerが開いたら、ワークロードの一覧から「.NETデスクトップ開発」を選択します。
ワークロードとは、開発目的ごとに必要な機能をまとめたセットです。Visual Studioでは、インストーラーからワークロードや個別コンポーネントを追加・削除できます。
「.NETデスクトップ開発」を選択すると、C#のコンソールアプリ、Windows Forms、WPFなどを開発するための機能がインストールされます。
Webアプリも開発したい場合は、「ASP.NETとWeb開発」も選択しておくとよいでしょう。
必要な項目を選択したら、「インストール」をクリックします。
3-3. .NET SDKが入っているか確認する
インストールが完了したら、コマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、次のコマンドを実行します。
dotnet --version次のようにバージョン番号が表示されれば、.NET SDKが利用できる状態です。
10.0.100インストールされているSDKをすべて確認したい場合は、次のコマンドを実行します。
dotnet --list-sdksより詳しい環境情報を確認する場合は、次のコマンドが便利です。
dotnet --info3-4. C#プロジェクトを作成する
Visual Studioを起動し、「新しいプロジェクトの作成」を選択します。
検索欄に「コンソール」と入力し、言語がC#になっている「コンソールアプリ」を選択してください。
続いて、プロジェクト名と保存場所を設定します。プロジェクト名には、半角英数字を使うとトラブルを避けやすくなります。
例として、プロジェクト名を次のように設定します。
HelloCSharpフレームワークを選択する画面では、特別な指定がなければ、インストールされている最新のLTS版を選びます。
設定が完了したら、「作成」をクリックしてください。
3-5. Hello Worldを実行する
作成されたプロジェクトのProgram.csを開くと、次のようなコードが記述されています。
Console.WriteLine("Hello, World!");上部の実行ボタンをクリックするか、Ctrl+F5を押すと、デバッグなしでプログラムを実行できます。
画面に次の文字が表示されれば成功です。
Hello, World!ブレークポイントを使ってデバッグしたい場合は、F5キーを押して実行します。
4. MacでC#開発環境を作る手順
Macでは、.NET SDKとVisual Studio Codeを個別にインストールします。
Visual Studio for Macはすでにサポートを終了しているため、新しいC#環境にはVisual Studio Codeを使用しましょう。
4-1. .NET SDKをインストールする
.NETの公式ダウンロードページを開き、macOS向けの.NET SDKをダウンロードします。
MacにはAppleシリコン搭載モデルとIntel搭載モデルがあるため、自分のMacに合ったインストーラーを選択してください。
Apple M1、M2、M3、M4など:Arm64
Intelプロセッサ搭載Mac:x64
Macの種類は、画面左上のAppleメニューから「このMacについて」を開くと確認できます。
ダウンロードした.pkgファイルを開き、画面の案内に従ってインストールしてください。.NET SDKはmacOSでも公式に提供されています。
インストール後、ターミナルを開いて次のコマンドを実行します。
dotnet --versionバージョン番号が表示されれば、SDKのインストールは完了です。
4-2. Visual Studio Codeをインストールする
Visual Studio Codeの公式サイトから、macOS向けのファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを展開し、Visual Studio Codeを「アプリケーション」フォルダへ移動してください。
初回起動時に、インターネットから取得したアプリであることを確認する画面が表示された場合は、「開く」を選択します。
4-3. C# Dev Kitなど必要な拡張機能を追加する
Visual Studio Codeを起動し、画面左側の拡張機能アイコンをクリックします。ショートカットはCommand+Shift+Xです。
検索欄に次の文字を入力します。
C# Dev Kit提供元がMicrosoftであることを確認して、C# Dev Kitをインストールしてください。必要に応じて、関連するC#拡張機能も自動的に追加されます。
C# Dev Kitの案内画面から最新の.NET SDKをインストールすることもできます。
拡張機能を追加した後は、Visual Studio Codeを一度再起動しておくと確実です。
4-4. ターミナルでC#プロジェクトを作成する
ターミナルを開き、プロジェクトを保存したい場所へ移動します。
次のコマンドを順番に実行してください。
mkdir CSharpProjectscd CSharpProjectsdotnet new console -n HelloCSharpcd HelloCSharpdotnet new consoleは、.NET SDKに含まれるコンソールアプリ用テンプレートから新しいプロジェクトを作成するコマンドです。
Visual Studio Codeで現在のフォルダを開く場合は、次のコマンドを実行します。
code .codeコマンドが認識されない場合は、Visual Studio Codeを通常どおり起動し、「ファイル」からHelloCSharpフォルダを開いても問題ありません。
4-5. Hello Worldを実行する
Visual Studio CodeでProgram.csを開き、次のコードが記述されていることを確認します。
Console.WriteLine("Hello, World!");Visual Studio Codeのターミナルを開き、プロジェクトフォルダで次のコマンドを実行します。
dotnet run次のように表示されれば、MacのC#開発環境は正しく作成されています。
Hello, World!5. Visual Studio CodeでC#開発環境を整える方法
Visual Studio CodeはWindowsとMacの両方で利用できます。軽量なC#環境を作りたい場合や、複数のプログラミング言語を一つのエディタで扱いたい場合に便利です。
5-1. VS CodeでC#開発をするメリット
Visual Studio CodeでC#開発をする主なメリットは、動作が比較的軽く、OSを問わず同じような操作で利用できることです。
拡張機能を追加すれば、次のような機能を利用できます。
C#コードの入力補完
文法エラーの表示
コードの定義への移動
プロジェクトやソリューションの管理
デバッグ実行
テストの実行
コードの自動整形
一方で、Windows FormsやWPFの画面を視覚的に設計したい場合は、Visual Studioのほうが適しています。
5-2. 必要な拡張機能をインストールする
基本的には、Microsoftが提供するC# Dev Kitをインストールします。
拡張機能の検索欄で「C# Dev Kit」と検索し、提供元を確認してからインストールしてください。
環境や用途によっては、次の拡張機能も役立ちます。
GitHub Pull Requests
GitLens
EditorConfig
Docker
Dev Containers
ただし、最初から多くの拡張機能を入れる必要はありません。初心者はC# Dev Kitだけで開発を始め、必要になった機能を後から追加するとよいでしょう。
5-3. ターミナルからdotnetコマンドを使う
Visual Studio Codeでは、メニューの「ターミナル」から統合ターミナルを開けます。
C#開発でよく使うコマンドは、次のとおりです。
# SDKのバージョンを確認dotnet --versionコンソールプロジェクトを作成
dotnet new console -n SampleApp
プロジェクトをビルド
dotnet build
プログラムを実行
dotnet run
テストを実行
dotnet test
利用可能なテンプレートを表示
dotnet new list
コマンドは、原則として.csprojファイルがあるプロジェクトフォルダで実行します。
5-4. デバッグ実行できるように設定する
C# Dev Kitをインストールし、C#プロジェクトのフォルダをVisual Studio Codeで開くと、通常は追加設定なしでデバッグできます。
Program.csの行番号の左側をクリックすると、赤い丸のブレークポイントが設定されます。
その状態でF5キーを押すか、「実行とデバッグ」画面から実行してください。
デバッグ中は、次の操作ができます。
変数の値を確認する
1行ずつプログラムを実行する
関数の内部へ移動する
条件によって処理を停止する
エラーが発生した場所を確認する
実行候補が表示されない場合は、単一の.csファイルではなく、.csprojファイルを含むプロジェクトフォルダ全体を開いているか確認しましょう。
6. C#開発環境が正しく作れたか確認する方法
C#環境の構築後は、SDKの確認、プロジェクトの作成、プログラムの実行という順番で動作確認を行います。
6-1. dotnet --versionでSDKのバージョンを確認する
ターミナル、PowerShellまたはコマンドプロンプトで、次のコマンドを実行します。
dotnet --versionバージョン番号が表示されれば、dotnetコマンドが利用できています。
何も表示されない場合や「コマンドが見つかりません」と表示される場合は、SDKがインストールされていないか、PATHが正しく設定されていない可能性があります。
6-2. dotnet new consoleでプロジェクトを作成する
動作確認用のフォルダを作り、次のコマンドを実行します。
mkdir CSharpTestcd CSharpTestdotnet new console正常に完了すると、主に次のファイルが作成されます。
CSharpTest.csprojProgram.csobj.csprojはプロジェクトの設定ファイル、Program.csはC#のソースコードです。
6-3. dotnet runでプログラムを実行する
プロジェクトを作成したフォルダで、次のコマンドを実行します。
dotnet run次の文字が表示されれば、プロジェクトの作成、ビルド、実行に成功しています。
Hello, World!dotnet runを実行すると、必要に応じてパッケージの復元とビルドが行われ、その後にプログラムが起動します。
6-4. エラーが出ないか確認するポイント
環境を確認するときは、次の4点を順番にチェックしてください。
dotnet --versionでバージョンが表示されるdotnet new consoleでプロジェクトを作成できるdotnet buildが成功するdotnet runでHello Worldが表示される
Visual Studio Codeを利用する場合は、さらに次の点も確認します。
C# Dev Kitが有効になっている
C#コードの入力補完が表示される
エラー箇所に波線が表示される
F5キーでデバッグを開始できる
7. C#開発環境でよくあるエラーと対処法
C#環境の構築では、SDKの不足やPATHの設定、拡張機能の不具合などが原因でエラーが発生することがあります。
7-1. dotnetコマンドが認識されない
Windowsで次のようなメッセージが表示されることがあります。
'dotnet' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていませんMacでは、次のように表示される場合があります。
zsh: command not found: dotnetまず、.NET Runtimeではなく.NET SDKをインストールしたか確認してください。
SDKをインストールした直後の場合は、開いているターミナルをすべて閉じ、再度起動します。それでも解決しない場合は、パソコンを再起動してください。
Windowsでは、通常、次のフォルダにdotnet.exeがあります。
C:\Program Files\dotnetこのフォルダが環境変数PATHに含まれているか確認します。
7-2. SDKが見つからない
次のようなエラーが表示される場合は、要求されているSDKがインストールされていない可能性があります。
A compatible .NET SDK was not found.インストール済みのSDKを確認します。
dotnet --list-sdksプロジェクト内にglobal.jsonがある場合は、そのファイルで特定のSDKバージョンが指定されている可能性があります。
例えば、global.jsonで古いSDKや未導入のSDKが指定されていると、最新のSDKをインストールしていてもプロジェクトを実行できないことがあります。
必要なSDKを追加でインストールするか、プロジェクトの要件に合わせてglobal.jsonを修正してください。
7-3. Visual Studioでテンプレートが表示されない
Visual Studioで「コンソールアプリ」や「Windows Formsアプリ」などのテンプレートが表示されない場合は、必要なワークロードが入っていない可能性があります。
WindowsのスタートメニューからVisual Studio Installerを起動し、インストール済みのVisual Studioにある「変更」をクリックします。
その後、「.NETデスクトップ開発」にチェックを入れて、追加インストールしてください。
Webアプリのテンプレートが見つからない場合は、「ASP.NETとWeb開発」を追加します。
7-4. VS Codeで補完やデバッグが動かない
Visual Studio CodeでC#の入力補完やデバッグが動かない場合は、次の点を確認してください。
C# Dev Kitがインストールされているか
拡張機能が無効になっていないか
.NET SDKがインストールされているか
.csprojを含むフォルダを開いているかワークスペースが制限モードになっていないか
Visual Studio Codeを再起動したか
コマンドパレットを開き、「Developer: Reload Window」を実行すると、拡張機能が再読み込みされます。
それでも解決しない場合は、Visual Studio Codeの「出力」画面を開き、C#やC# Dev Kitのログにエラーが出ていないか確認しましょう。
7-5. Macでパス設定がうまくいかない
macOS用インストーラーを利用した場合、通常は自動的に設定されます。ただし、手動インストールや複数アーキテクチャのSDKを利用している場合は、PATHの設定が必要になることがあります。
macOSにおける.NETの標準的なインストール先は、次の場所です。
/usr/local/share/dotnetAppleシリコン搭載Macでx64版の.NETを導入した場合は、x64サブフォルダに配置されることがあります。
現在のシェルを確認するには、次のコマンドを実行します。
echo $SHELLzshを利用している場合は、~/.zshrcまたは~/.zprofileの設定を確認します。
手動インストール先が$HOME/.dotnetの場合は、例えば次のように設定します。
export DOTNET_ROOT=$HOME/.dotnetexport PATH=$PATH:$HOME/.dotnet設定を反映するには、ターミナルを再起動するか、次のコマンドを実行します。
source ~/.zshrcインストール方法によってパスが異なるため、実際のSDKの保存場所を確認してから設定してください。
8. 初心者におすすめのC#学習環境
最適なC#環境は、利用するOSや作りたいアプリによって変わります。
8-1. WindowsならVisual Studioがおすすめ
Windows初心者には、Visual Studio Communityがおすすめです。
プロジェクト作成から実行まで画面上で操作でき、入力補完、エラー表示、デバッグなどの機能も最初から充実しています。
特に、次のような開発に適しています。
コンソールアプリ
Windows Formsアプリ
WPFアプリ
ASP.NET Coreアプリ
クラスライブラリ
単体テスト
インストール容量は大きめですが、環境設定で迷いにくいことがメリットです。
8-2. MacならVS Codeと.NET SDKがおすすめ
Macでは、Visual Studio Code、C# Dev Kit、.NET SDKの組み合わせがおすすめです。
この構成では、コンソールアプリ、Webアプリ、Web API、クラスライブラリ、テストプロジェクトなどを開発できます。
MacでC#を学ぶ場合は、画面操作だけでなく、次の基本コマンドも覚えておくとよいでしょう。
dotnet newdotnet builddotnet rundotnet testコマンド操作に慣れると、WindowsやLinuxでも同じ知識を活用できます。
8-3. Webアプリ開発をしたい場合の環境
C#でWebアプリを作る場合は、ASP.NET Coreを利用します。
WindowsでVisual Studioを使う場合は、「ASP.NETとWeb開発」ワークロードを追加します。
Visual Studio Codeを使う場合は、.NET SDKとC# Dev Kitがあれば、次のコマンドでWebアプリを作成できます。
dotnet new webapp -n MyWebAppcd MyWebAppdotnet runWeb APIを作成する場合は、次のコマンドを使用できます。
dotnet new webapi -n MyWebApiASP.NET CoreはWindows、Mac、Linuxで開発できるため、OSに依存しにくいことが特徴です。
8-4. UnityでC#を使いたい場合の環境
Unityでゲーム開発を行う場合は、Unity HubとUnity Editorをインストールします。
Windowsでは、Visual StudioをUnity用のコードエディタとして利用できます。Visual Studio Installerで「Unityによるゲーム開発」ワークロードを選択すると、関連機能をまとめて導入できます。
Macでは、Visual Studio Codeなどを外部スクリプトエディタとして設定できます。
Unityには利用するUnityバージョンごとに対応するC#や.NETの仕様があるため、一般的な.NETアプリと完全に同じ環境ではありません。Unityプロジェクトでは、Unityが対応しているAPIや言語バージョンを確認しましょう。
9. C#開発環境を作った後にやるべきこと
C#環境を作成できたら、実際にコードを書きながら基本を身につけていきます。
9-1. C#の基本文法を学ぶ
最初は、次の文法から学ぶとよいでしょう。
変数とデータ型
四則演算
文字列
ifによる条件分岐forやwhileによる繰り返し配列とコレクション
メソッド
クラスとオブジェクト
例外処理
例えば、名前を入力して挨拶を表示するプログラムは、次のように書けます。
Console.Write("名前を入力してください: ");string? name = Console.ReadLine();Console.WriteLine($"こんにちは、{name}さん!");
コードを読むだけでなく、自分で文字や数値を変更して実行することが重要です。
9-2. コンソールアプリを作ってみる
基本文法を学んだら、小さなコンソールアプリを作ってみましょう。
初心者におすすめの題材には、次のようなものがあります。
電卓
数当てゲーム
じゃんけんゲーム
BMI計算アプリ
買い物金額の計算アプリ
簡単なToDoリスト
成績判定プログラム
最初から大規模なアプリを作るのではなく、1つの機能を完成させることを目標にすると学習を続けやすくなります。
9-3. GitとGitHubを導入する
C#の基本操作に慣れたら、Gitを導入してソースコードの変更履歴を管理しましょう。
Gitを利用すると、コードを以前の状態に戻したり、変更内容を比較したりできます。GitHubと組み合わせれば、インターネット上にコードを保存することも可能です。
基本的な流れは次のとおりです。
git initgit add .git commit -m "最初のコミット".NETプロジェクトでは、binフォルダやobjフォルダなど、Gitに登録する必要がないファイルがあります。GitHubが提供するVisual Studio用の.gitignoreテンプレートなどを利用すると便利です。
9-4. 小さなアプリ開発に挑戦する
基本文法とGitを学んだら、目的に合ったアプリ開発へ進みます。
Windows向けデスクトップアプリなら、Windows FormsやWPFを学びます。Webサービスを作りたい場合は、ASP.NET Coreやデータベースの使い方を学びましょう。
例えば、次のようなアプリが練習に向いています。
メモ管理アプリ
家計簿アプリ
タスク管理アプリ
蔵書管理アプリ
天気情報を表示するアプリ
簡単なWeb API
データベースを使った会員管理アプリ
完成したアプリをGitHubで公開すると、学習記録やポートフォリオとしても活用できます。
10. C#(csharp)開発環境に関するよくある質問
10-1. C#開発にVisual Studioは必須?
Visual Studioは必須ではありません。
.NET SDKがインストールされていれば、テキストエディタとターミナルだけでもC#プログラムを作成・実行できます。
ただし、入力補完、エラー表示、デバッグなどを利用できるため、Visual StudioまたはVisual Studio Codeを使うほうが効率的です。
Windows初心者にはVisual Studio、Macや軽量な環境を求める人にはVisual Studio Codeが適しています。
10-2. MacでもC#は使える?
MacでもC#を利用できます。
.NETはmacOSに対応しているため、.NET SDKをインストールすれば、コンソールアプリ、ASP.NET CoreのWebアプリ、Web API、クラスライブラリなどを開発できます。
ただし、Windows FormsやWPFはWindows向けの技術です。MacでWindows専用デスクトップアプリをそのまま開発・実行できるわけではありません。
10-3. C#開発環境は無料で作れる?
個人学習で使う一般的なC#開発環境は、無料で構築できます。
.NET SDK、Visual Studio Code、C# Dev Kitは無料で利用できます。Windowsでは、利用条件を満たしていればVisual Studio Communityも無料です。
サーバーや有料データベース、クラウドサービスなどを使用しなければ、学習開始時に費用をかける必要はほとんどありません。
10-4. 初心者はVisual StudioとVS Codeのどちらを使うべき?
WindowsでC#を初めて学ぶ場合は、Visual Studioがおすすめです。インストール時にワークロードを選ぶだけで必要な環境が整い、プロジェクト作成やデバッグも画面操作で行えます。
MacではVisual Studio Codeを使います。Visual Studio Codeでは.NET SDKや拡張機能を個別に設定する必要がありますが、基本的なコマンド操作も身につけられます。
次の基準で選ぶとよいでしょう。
Windowsで設定を簡単に済ませたい:Visual Studio
MacでC#を学びたい:Visual Studio Code
軽量なエディタを使いたい:Visual Studio Code
Windows FormsやWPFを作りたい:Visual Studio
複数OSで同じ環境を使いたい:Visual Studio Code
10-5. .NET SDKはどのバージョンを入れればいい?
これからC#を学ぶ場合は、原則として最新のLTS版を選びます。
LTSはLong Term Supportの略で、通常版より長い期間サポートされるリリースです。2026年6月時点では、.NET 10が最新のLTS版で、2028年11月14日までのサポートが予定されています。
学校、会社、教材、既存プロジェクトでバージョンが指定されている場合は、その指定に合わせてください。.NET SDKは複数バージョンを同じパソコンにインストールすることもできます。
インストール済みのSDKは、次のコマンドで確認できます。
dotnet --list-sdks新規学習ではLTS版を選び、プレビュー版は明確な目的がない限り避けるのが無難です。
まとめ
C#(csharp)の開発環境には、プログラムを作成・ビルドする.NET SDKと、コードを編集するVisual StudioまたはVisual Studio Codeが必要です。
Windows初心者は、Visual Studio Communityをインストールし、「.NETデスクトップ開発」ワークロードを選択する方法が簡単です。
Macでは、.NET SDK、Visual Studio Code、C# Dev Kitを組み合わせて環境を構築します。Visual Studio for Macはサポートを終了しているため、新しい環境では使用を避けましょう。
環境構築後は、次の3つのコマンドで動作を確認できます。
dotnet --versiondotnet new consoledotnet runHello Worldが正常に表示されたら、C#開発環境の準備は完了です。基本文法を学びながら、電卓や数当てゲームなどの小さなコンソールアプリから開発を始めてみましょう。

