フリーランスに育休手当はある?もらえる給付金・申請条件・出産前後のお金の不安を徹底解説
はじめに
「フリーランスに育休手当はあるの?」「会社員のように育休中のお金をもらえる?」「出産前後に収入が止まったらどうすればいい?」と不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、フリーランスは会社員が受け取る「育児休業給付金」、いわゆる育休手当を原則として受け取れません。育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した場合に支給される制度だからです。厚生労働省も、育児休業給付金の対象を「雇用保険の被保険者」として説明しています。
ただし、フリーランスだから出産・育児に関する公的支援が何も使えないわけではありません。出産育児一時金、児童手当、妊婦健診費用の助成、子ども医療費助成、高額療養費制度、医療費控除、国民年金の産前産後免除など、会社員でなくても使える制度は複数あります。
この記事では、「フリーランス 育休手当」で調べている方に向けて、もらえるお金・もらえないお金・申請条件・出産前後に準備すべき資金対策をわかりやすく解説します。
1. フリーランスに育休手当はある?まず結論をわかりやすく解説
1-1. フリーランスは会社員向けの「育児休業給付金」は原則もらえない
フリーランスには、会社員向けの「育児休業給付金」は原則ありません。
育児休業給付金は、雇用保険に加入している人が、原則1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した場合に支給される給付金です。支給には、育児休業開始前の一定期間に雇用保険の加入実績があることや、育休中の就業日数・就業時間が一定以下であることなどの条件があります。
一方、フリーランスや個人事業主は、基本的に雇用保険の被保険者ではありません。会社に雇用されている労働者ではなく、自分で仕事を受ける事業者という扱いになるため、会社員と同じ育児休業給付金の対象外になりやすいのです。
そのため、「フリーランスの育休手当」として会社員と同じように毎月一定額が支給される制度を期待している場合は、まず対象外である可能性が高いと考えておきましょう。
1-2. 「育休手当」と「育児休業給付金」の違い
一般的に「育休手当」と呼ばれるものの多くは、正式には「育児休業給付金」を指しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 育休手当 | 一般的な呼び方。正式な制度名ではないことが多い |
| 育児休業給付金 | 雇用保険から支給される正式な給付金 |
| 対象者 | 原則、雇用保険に加入している会社員など |
| 支給額 | 育休開始から180日目までは休業開始時賃金日額×支給日数×67%、181日目以降は50%が目安 |
| フリーランス本人 | 雇用保険に入っていない場合は原則対象外 |
育児休業給付金の支給額は、育休開始から180日目までは休業開始時賃金日額の67%、181日目以降は50%を基準に計算されます。
つまり、育休手当は「子どもが生まれた人なら誰でももらえるお金」ではなく、「雇用保険に加入し、会社などで育児休業を取得する人が条件を満たした場合にもらえるお金」です。
1-3. フリーランスが産休・育休制度の対象外になりやすい理由
フリーランスが産休・育休制度の対象外になりやすい理由は、制度の前提が「雇用されている労働者」だからです。
会社員の場合、勤務先との雇用契約があります。妊娠・出産に伴って産前産後休業を取得し、その後、育児休業を取得する流れが制度として整っています。育休中は会社から給与が出ない、または減る代わりに、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
一方、フリーランスは会社に雇用されていないため、法律上の「育児休業を会社に申し出る」という仕組みがありません。仕事を休むかどうかは自分で決められますが、休んだ期間の収入を補てんする雇用保険給付は原則受けられません。
ここが、フリーランスの出産・育児における大きな不安要素です。
1-4. ただし出産・育児で使える給付金や免除制度はある
フリーランスは育児休業給付金を原則もらえませんが、出産・育児に関する支援制度がまったく使えないわけではありません。
たとえば、公的医療保険に加入していれば、出産育児一時金として原則50万円が支給されます。妊婦健診費用の助成や子ども医療費助成は自治体が実施しており、児童手当は高校生年代までの子どもを養育する人が対象です。
また、国民年金の第1号被保険者であるフリーランスには、産前産後期間の国民年金保険料免除制度があります。さらに、2026年10月からは、1歳未満の子どもを養育する国民年金第1号被保険者を対象に、育児期間の保険料免除制度も開始される予定です。
大切なのは、「育休手当がない=何ももらえない」と考えず、自分が使える制度を一つずつ確認することです。
2. フリーランスがもらえない主な出産・育児関連の手当
2-1. 育児休業給付金
フリーランス本人が原則もらえない代表的な制度が、育児休業給付金です。
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が育児休業を取得した場合に支給される制度です。育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数などの条件を満たす月が原則12か月以上あること、育休中の就業日数や就業時間が一定以下であることなどが条件になります。
フリーランスは雇用保険に入っていないケースがほとんどのため、育児休業給付金の対象外です。
ただし、会社員として雇用されながら副業でフリーランスをしている人は、勤務先で雇用保険に加入し、育児休業を取得できる場合があります。この場合は、会社員としての条件を満たすかどうかがポイントです。
2-2. 出生時育児休業給付金
出生時育児休業給付金は、いわゆる「産後パパ育休」に対応する給付金です。
対象は、子どもの出生後8週間以内に出生時育児休業を取得する雇用保険の被保険者です。支給対象期間は最大28日間で、育児休業給付金と同様に、雇用保険の加入実績や休業中の就業状況などの条件があります。
そのため、フリーランス本人が雇用保険に入っていない場合は、原則として出生時育児休業給付金ももらえません。
ただし、配偶者やパートナーが会社員で、雇用保険に加入している場合は、その人が制度を利用できる可能性があります。家庭全体のお金を考えるときは、フリーランス本人だけでなく、パートナー側の制度も必ず確認しましょう。
2-3. 出生後休業支援給付金
出生後休業支援給付金は、2025年4月から始まった制度です。一定の条件を満たして両親がともに育児休業を取得する場合などに、既存の育児休業給付と合わせて手取り収入の減少を抑える仕組みです。厚生労働省は、原則として父母がともに14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始時賃金日額の13%相当を上乗せする制度として説明しています。
この制度も、ベースになるのは雇用保険の育児休業給付です。そのため、フリーランス本人が雇用保険に加入しておらず、会社の育児休業を取得しない場合は、原則対象外です。
ただし、パートナーが会社員で育休を取得する場合は、パートナー側で対象になる可能性があります。
2-4. 出産手当金
出産手当金は、健康保険に加入している被保険者が出産のために仕事を休み、その間に給与が支払われない、または少なくなる場合に支給される制度です。支給対象期間は、原則として出産日以前42日から出産日後56日までです。多胎妊娠の場合は、出産日以前98日から対象になります。
ここで注意したいのは、出産手当金は主に会社員などの健康保険被保険者向けの制度だという点です。国民健康保険に加入しているフリーランスは、原則として出産手当金を受け取れません。
ただし、会社員からフリーランスになった直後で、退職前の健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職後6か月以内に出産するなど一定の条件を満たす場合は、退職後でも出産育児一時金や出産手当金の対象になる可能性があります。
2-5. 健康保険・厚生年金の育休中保険料免除
会社員が育児休業を取得する場合、健康保険料・厚生年金保険料が免除される制度があります。厚生労働省の出産・子育て関連制度の案内でも、健康保険・厚生年金保険の被保険者が産休・育休を取得した場合、事業主の申出により保険料が免除され、その期間は保険料を納めたものとして扱われると説明されています。
一方、国民健康保険・国民年金に加入しているフリーランスは、会社員向けの「育休中の社会保険料免除」とは仕組みが異なります。
ただし、フリーランスにも国民年金の産前産後免除や、2026年10月開始予定の国民年金の育児期間免除、国民健康保険料の産前産後軽減など、別の負担軽減制度があります。会社員向け制度と混同せず、自分が加入している保険ごとに確認することが重要です。
3. フリーランスでももらえる・使える給付金や支援制度
3-1. 出産育児一時金
フリーランスでも、公的医療保険に加入していれば出産育児一時金を受け取れます。
出産育児一時金は、妊娠4か月、つまり85日以上の出産を対象に、子ども1人につき原則50万円が支給される制度です。早産、死産、流産、人工妊娠中絶も、妊娠85日以上であれば対象に含まれます。
多くの場合は「直接支払制度」を利用し、医療機関が本人に代わって出産育児一時金を受け取ります。出産費用が50万円以内に収まれば差額を受け取れることがあり、50万円を超えた場合は超過分を自己負担します。
フリーランスで国民健康保険に加入している場合は、住んでいる市区町村の国民健康保険担当窓口が申請先になります。配偶者の健康保険の扶養に入っている場合は、配偶者の加入している健康保険組合や協会けんぽなどに確認します。
3-2. 児童手当
児童手当は、フリーランスか会社員かに関係なく、子どもを養育している人が対象になる制度です。
現在の児童手当は、0歳から高校生年代、つまり18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを養育している人が対象です。支給額は、3歳未満が月1万5,000円、3歳から高校生年代までが月1万円、第3子以降は年齢区分に応じて月3万円となっています。支給は原則として年6回、偶数月に2か月分ずつ行われます。
児童手当は、出生後に自動的にもらえるわけではありません。子どもが生まれたら、住んでいる市区町村に「認定請求」を行う必要があります。原則として、申請した月の翌月分から支給されるため、出生後15日以内を目安に手続きすることが重要です。
3-3. 妊婦健診費用の助成
妊婦健診は、妊娠中の母体や胎児の健康状態を確認するために必要な健診です。ただし、妊婦健診は通常の病気の治療とは異なり、健康保険が使えない検査も多くあります。
その負担を軽くするため、多くの自治体では妊婦健診費用の助成を行っています。妊娠届を提出して母子健康手帳を受け取る際に、妊婦健康診査受診票や補助券が交付されるのが一般的です。助成の内容、回数、金額は自治体によって異なります。
里帰り出産などで住民票のある自治体以外の医療機関を受診する場合は、補助券がそのまま使えないことがあります。その場合、後日払い戻しを受ける「償還払い」の対象になることもあるため、事前に自治体へ確認しておきましょう。
3-4. 子ども医療費助成
子ども医療費助成は、子どもが医療機関を受診したときの自己負担額を自治体が助成する制度です。
こども家庭庁の調査では、すべての都道府県と市区町村が子ども医療費助成を実施しています。対象年齢や自己負担の有無は自治体によって異なりますが、入院・通院ともに高校生年代まで対象としている自治体も多くあります。
出生後、子どもの健康保険の加入手続きが済んだら、自治体で子ども医療費助成の申請を行いましょう。申請しないと助成を受けられないことがあるため、児童手当とあわせて早めに手続きするのがおすすめです。
3-5. 高額療養費制度
高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
通常の妊娠・出産は病気ではないため、分娩費用そのものは健康保険の対象外です。しかし、帝王切開や切迫早産、妊娠高血圧症候群など、医療行為として保険診療になる部分がある場合は、高額療養費制度の対象になることがあります。厚生労働省の出産関連制度の案内でも、帝王切開などで医療費が高額になった場合、高額療養費制度を利用できると説明されています。
マイナ保険証を利用するか、事前に限度額適用認定証を用意しておくと、医療機関窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えられる場合があります。問い合わせ先は、国民健康保険なら市区町村、協会けんぽや健康保険組合なら加入している保険者です。
3-6. 医療費控除
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得控除を受けられる制度です。
妊娠・出産に関しては、妊娠と診断されてからの定期健診や検査費用、通院費用、出産で入院するときの公共交通機関の交通費などが医療費控除の対象になることがあります。電車やバスでの移動が困難な場合のタクシー代も対象になることがありますが、実家へ帰省するための交通費などは対象外です。
また、出産育児一時金など医療費を補てんする金額は、支払った医療費から差し引いて計算します。国税庁は、出産に伴う入院費から出産育児一時金を差し引く必要がある一方、出産手当金は医療費を補てんするものではないため差し引かないと説明しています。
フリーランスは毎年確定申告を行う人が多いため、妊娠・出産関連の領収書や交通費メモは必ず保管しておきましょう。
3-7. 自治体独自の出産・子育て支援金
国の制度に加えて、自治体独自の出産・子育て支援金を受け取れる場合があります。
たとえば、妊娠期から子育て期までの相談支援と経済的支援を一体的に行う仕組みとして、2025年度から「妊婦のための支援給付」と妊婦等包括相談支援事業が制度化されています。具体的な手続きや支給方法は自治体によって異なるため、住んでいる市区町村の案内を確認する必要があります。
自治体によっては、出産祝い金、子育て応援券、ベビー用品購入補助、産後ケア利用料の助成、家事・育児ヘルパー派遣、タクシー券などを実施していることもあります。
フリーランスの場合、会社からの福利厚生がない分、自治体支援の確認がとても重要です。妊娠届の提出時、出生届の提出時、乳幼児健診の案内時などに、利用できる制度をまとめて聞いておくとよいでしょう。
3-8. ひとり親・低所得世帯向けの支援制度
ひとり親フリーランスや、出産・育児で大きく収入が減る世帯は、追加の支援制度を使える可能性があります。
代表的なものには、児童扶養手当、ひとり親家庭等医療費助成、保育料の軽減、住民税非課税世帯向けの給付、生活福祉資金貸付、就学援助などがあります。名称や条件、所得制限、支給額は自治体や年度によって変わるため、住んでいる市区町村の子育て支援課、福祉課、国民健康保険窓口、年金窓口にまとめて相談するのがおすすめです。
特にフリーランスは、前年所得をもとに判定される制度と、現在の収入急減を考慮して相談できる制度が混在しています。「前年は収入があったから無理」と自己判断せず、妊娠中または出産後の収入見込みも含めて窓口に伝えましょう。
4. フリーランスが使える国民年金・国民健康保険の負担軽減制度
4-1. 国民年金の産前産後期間の保険料免除
国民年金の第1号被保険者であるフリーランスは、産前産後期間の国民年金保険料免除を受けられます。
対象となるのは、出産日が2019年2月1日以降の国民年金第1号被保険者です。免除期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間です。多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間が免除されます。妊娠85日以上の出産であれば、早産、死産、流産、人工妊娠中絶も対象です。
この制度の大きなメリットは、免除された期間が将来の老齢基礎年金の計算上、「保険料を納めた期間」として扱われることです。単なる未納ではないため、年金額への影響を心配しすぎる必要はありません。
申請先は、住んでいる市区町村の国民年金担当窓口です。出産予定日の6か月前から届出できます。
4-2. 2026年10月開始の国民年金「育児期間の保険料免除」
2026年10月からは、1歳未満の子どもを養育する国民年金第1号被保険者を対象に、育児期間の国民年金保険料免除制度が開始される予定です。
日本年金機構は、この制度について、国民年金第1号被保険者が1歳までの子どもを養育する場合、申請により所得に関係なく保険料が免除され、その期間は老齢基礎年金の計算上、保険料を納付したものとして扱われると説明しています。
対象は、国民年金第1号被保険者である実父母または養父母で、子どもと親子関係があり、同じ住所に住んでいることなどが条件です。会社員などの第2号被保険者や、会社員の配偶者に扶養されている第3号被保険者は対象外です。
免除期間は、母親の場合、産前産後免除に続く期間として最大13か月の範囲で扱われます。父親や養父母の場合は、子どもを養育し始めた月から、子どもが1歳になる前月までの期間が対象で、最大12か月です。
フリーランスにとっては、育休手当そのものではないものの、出産後の固定費を下げる重要な制度になります。
4-3. 国民健康保険料の減免・猶予制度
フリーランスが国民健康保険に加入している場合、産前産後期間の国民健康保険料が軽減される制度があります。
たとえば東京都新宿区の案内では、2023年11月1日以降に出産予定または出産した国民健康保険加入者について、出産予定月または出産月の前月から翌々月までの所得割額・均等割額が減額されると説明されています。多胎妊娠の場合は、出産予定月または出産月の3か月前から翌々月までが対象です。
国民健康保険は市区町村ごとに運営されているため、申請方法や必要書類は自治体によって異なります。出産育児一時金の支給情報などにより届出不要となる場合もありますが、原則として自分の自治体で確認したほうが安心です。
また、出産に限らず、収入が大きく減った場合や災害・失業など特別な事情がある場合に、国民健康保険料の減免や納付猶予を相談できる自治体もあります。フリーランスは産後に収入が不安定になりやすいため、支払いが難しいと感じたら滞納する前に窓口へ相談しましょう。
4-4. 住民税・所得税の負担が軽くなるケース
フリーランスは、出産・育児で仕事量が減ると、その年の所得も減る可能性があります。所得が減れば、所得税や翌年度の住民税が軽くなることがあります。
また、妊娠・出産に関連する医療費が多くかかった年は、医療費控除を使うことで所得税・住民税の負担が下がる可能性があります。妊婦健診、分娩、入院、通院交通費などが対象になる場合があるため、領収書や交通費の記録を残しておきましょう。
配偶者がいる場合、フリーランス本人の所得が大きく下がることで、配偶者側で配偶者控除や配偶者特別控除の対象になることもあります。ただし、所得要件や他の条件があるため、年末調整や確定申告の前に確認が必要です。
4-5. 免除・減免を受けると将来の年金額に影響するのか
国民年金の免除制度には、将来の年金額に影響するものと、影響しにくいものがあります。
出産に伴う国民年金の産前産後免除は、保険料を納めた期間として扱われます。日本年金機構も、産前産後期間として認められた期間は、将来の老齢基礎年金額を計算するときに保険料を納めた期間として扱われると説明しています。
2026年10月開始予定の国民年金の育児期間免除も、老齢基礎年金の計算上、保険料を納付したものとして扱われます。
一方、一般的な国民年金保険料の申請免除や納付猶予は、制度の種類によって年金額への反映が異なります。産前産後免除・育児期間免除と、所得低下などによる一般免除は扱いが違うため、混同しないようにしましょう。
5. 給付金・支援制度の申請条件と申請先
5-1. 出産育児一時金の申請条件・申請先・必要書類
出産育児一時金の主な条件は、公的医療保険に加入していること、妊娠85日以上の出産であることです。支給額は原則として子ども1人につき50万円です。
申請先は、加入している健康保険によって異なります。
| 加入先 | 申請先 |
|---|---|
| 国民健康保険 | 住んでいる市区町村の国民健康保険窓口 |
| 配偶者の健康保険の扶養 | 配偶者の勤務先または健康保険組合・協会けんぽ |
| 任意継続の健康保険 | 加入している健康保険者 |
| 会社員時代の健康保険資格喪失後 | 条件を満たす場合、退職前の健康保険者に確認 |
医療機関で直接支払制度を利用する場合は、病院・クリニックで所定の書類に記入します。直接支払制度を使わない場合や、出産費用が支給額を下回って差額を受け取る場合は、加入している保険者に申請が必要です。
一般的な必要書類は、申請書、本人確認書類、健康保険情報、母子健康手帳、出産費用の領収書・明細書、直接支払制度に関する合意文書、振込先口座情報などです。自治体や健康保険者によって違うため、事前に確認しましょう。
5-2. 児童手当の申請条件・申請先・必要書類
児童手当は、0歳から高校生年代までの子どもを養育している人が対象です。子どもが生まれたときや、他の市区町村から転入したときは、住んでいる市区町村に認定請求を行います。公務員の場合は勤務先で手続きするケースがあります。
出生や転入の翌日から15日以内に申請すれば、手続きが翌月になっても出生月・転入月の翌月分から支給される場合があります。申請が遅れると、遅れた月分を受け取れないことがあるため注意が必要です。
必要書類は自治体によって異なりますが、認定請求書、申請者名義の振込先口座、本人確認書類、マイナンバー確認書類、健康保険の加入状況がわかるものなどが一般的です。大学生年代の子どもを含めて第3子加算の確認が必要な場合は、追加書類を求められることがあります。
5-3. 妊婦健診助成の申請条件・申請先・使い方
妊婦健診助成は、妊娠届を提出した人に対して自治体が受診票や補助券を交付する形で行われるのが一般的です。
申請先は、住んでいる市区町村の母子保健担当窓口や保健センターです。妊娠がわかったら医療機関で診断を受け、妊娠届を提出し、母子健康手帳と一緒に妊婦健診の受診票を受け取ります。
使い方は、健診時に医療機関へ受診票を提出するだけです。ただし、助成額を超えた分や、助成対象外の検査は自己負担になります。助成内容や回数は自治体ごとに異なるため、受診前に確認しましょう。
里帰り出産で県外の医療機関を利用する場合は、補助券が使えるか、後日払い戻しを受けられるかを自治体に確認しておくと安心です。
5-4. 子ども医療費助成の申請条件・申請先・必要書類
子ども医療費助成は、子どもが健康保険に加入していることを前提に、医療機関での自己負担分を自治体が助成する制度です。
申請先は、住んでいる市区町村の子育て支援課、医療助成担当課などです。出生後、子どもの健康保険証または資格確認書類が用意できたら、早めに申請しましょう。
一般的な必要書類は、子どもの健康保険情報、保護者の本人確認書類、マイナンバー確認書類、振込先口座、印鑑などです。自治体によって、所得制限、一部自己負担、対象年齢、通院・入院の扱いが異なります。すべての自治体で制度自体は実施されていますが、内容は地域差があるため注意しましょう。
5-5. 国民年金の産前産後免除の申請条件・申請先・必要書類
国民年金の産前産後免除は、国民年金第1号被保険者が対象です。フリーランス、個人事業主、自営業者、学生、無職の人などが第1号被保険者に該当します。
免除期間は、単胎妊娠の場合、出産予定日または出産日が属する月の前月から4か月間です。多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間です。
申請先は、住んでいる市区町村の国民年金担当窓口です。出産予定日の6か月前から届出できます。必要書類は、届出書、本人確認書類、基礎年金番号またはマイナンバーがわかるもの、母子健康手帳などです。自治体によって必要書類が異なる場合があるため、窓口に確認しましょう。
5-6. 国民年金の育児期間免除の対象者・申請時期・注意点
2026年10月開始予定の国民年金の育児期間免除は、1歳までの子どもを養育する国民年金第1号被保険者が対象です。所得に関係なく申請でき、免除期間は老齢基礎年金の計算上、保険料を納付したものとして扱われます。
対象になるのは、子どもと親子関係があり、同じ住所に住んでいる実父母または養父母です。父母がともに国民年金第1号被保険者で条件を満たす場合は、双方が制度を利用できるとされています。
注意点は、会社員などの第2号被保険者や、会社員の配偶者に扶養されている第3号被保険者は対象外であることです。また、制度開始は2026年10月のため、施行前後は日本年金機構や市区町村の最新案内を確認しながら手続きしましょう。
5-7. 自治体制度を調べるときの確認ポイント
自治体制度は、同じ「出産祝い金」「子育て支援金」という名前でも、内容が大きく違います。確認するときは、次のポイントを押さえましょう。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 対象者 | 妊婦本人、出生児、保護者、住民登録の有無 |
| 所得制限 | 前年所得、世帯所得、住民税課税状況 |
| 申請期限 | 妊娠届出時、出生後何か月以内、年度内など |
| 支給方法 | 現金、電子クーポン、商品券、サービス利用券 |
| 併用可否 | 国制度、他自治体制度、医療費助成との重複 |
| 必要手続き | 面談、アンケート、申請書、口座登録 |
| 里帰り対応 | 住民票所在地以外で利用できるか |
| 転入・転出 | いつ時点で住民登録が必要か |
フリーランスは、会社から制度案内を受け取る機会がありません。そのため、自治体のホームページを見るだけでなく、妊娠届・出生届・児童手当申請のタイミングで、窓口に「フリーランスで使える出産・育児支援をまとめて知りたい」と聞くのがおすすめです。
6. フリーランスが出産前後に準備しておきたいお金の対策
6-1. 産前産後に必要な生活費を見積もる
フリーランスは、仕事を休めばその分だけ収入が減りやすくなります。育休手当がない前提で、まずは産前産後の生活費を見積もりましょう。
最低限確認したいのは、家賃・住宅ローン、食費、水道光熱費、通信費、保険料、税金、国民健康保険料、国民年金保険料、事業用固定費、出産準備品、ベビー用品、通院費、産後ケア費用などです。
出産育児一時金で分娩費用の多くをまかなえる場合でも、妊婦健診の自己負担、入院時の差額ベッド代、ベビー用品、産後の家事代行や宅配費用など、細かい出費は増えます。
理想は、少なくとも産前1〜2か月、産後3〜6か月分の生活費を現金で準備しておくことです。難しい場合でも、「固定費だけは何か月分必要か」を先に把握しておきましょう。
6-2. 仕事を休む期間と収入減少額を試算する
次に、いつからいつまで仕事を減らすのかを決めます。
たとえば、次のように期間を分けて考えると試算しやすくなります。
| 期間 | 働き方の目安 | 収入見込み |
|---|---|---|
| 妊娠初期 | 体調優先で通常稼働または調整 | 通常の50〜100% |
| 妊娠後期 | 新規案件を減らす、納期を前倒し | 通常の30〜70% |
| 産前直前 | 緊急対応以外は休む | 0〜30% |
| 産後1〜2か月 | 回復と育児を優先 | 0〜20% |
| 産後3〜6か月 | 短時間案件から再開 | 20〜60% |
| 産後6か月以降 | 保育環境に合わせて調整 | 50〜100% |
フリーランスは、出産予定日どおりに仕事を止められるとは限りません。体調不良、切迫早産、帝王切開、赤ちゃんの入院、産後うつ、保育園に入れないなど、予定外のことも起こり得ます。
「最短で復帰できた場合」と「半年ほど大きく働けない場合」の2パターンで収入減少額を試算しておくと、資金計画に余裕を持てます。
6-3. 固定費・税金・保険料の支払いスケジュールを確認する
フリーランスは、収入が減っている時期にも税金や保険料の支払いが来ることがあります。
特に確認したいのは、所得税の予定納税、消費税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料、個人事業税、事業用サブスク、会計ソフト、レンタルオフィス代、機材ローンなどです。
住民税や国民健康保険料は、前年所得をもとに決まるため、産後に収入が下がっていても負担が重く感じることがあります。支払いが難しい場合は、納期限を過ぎる前に自治体や税務署に相談しましょう。
国民年金については、産前産後免除や、2026年10月以降の育児期間免除を使える場合があります。国民健康保険料も産前産後軽減の対象になることがあるため、支払い予定表と申請時期をセットで確認しておくと安心です。
6-4. 取引先への連絡時期と業務調整の進め方
フリーランスの出産準備では、取引先への連絡も重要です。
安定して取引している相手には、妊娠中期から後期にかけて、無理のない範囲で出産予定時期と稼働調整の見込みを伝えておくとよいでしょう。連絡が遅れると、急な納期変更や案件停止で信頼関係に影響することがあります。
伝える内容は、出産予定月、休業予定期間、いつまで新規案件を受けるか、既存案件の納期、緊急連絡の可否、代替担当者の有無、復帰後の稼働見込みなどです。
ただし、妊娠初期は体調や経過が不安定なこともあります。すべての取引先に早く伝える必要はありません。継続案件や長期契約など、業務調整が必要な相手から順に連絡しましょう。
6-5. 代替収入・貯蓄・保険で備える方法
フリーランスは育休手当がないため、出産前から代替収入や貯蓄の準備が欠かせません。
考えられる対策には、産前に納品できる案件を前倒しする、継続報酬型の仕事を増やす、単価を見直す、産後も短時間でできる業務に切り替える、事業用と生活用の資金を分ける、緊急予備費を積み立てるなどがあります。
民間の医療保険に加入している場合は、帝王切開や入院が給付対象になることがあります。ただし、妊娠後に加入すると妊娠・出産関連の保障が制限される場合もあるため、すでに加入している保険の内容を確認しておきましょう。
重要なのは、「出産後に考える」のではなく、妊娠前または妊娠がわかった時点で、収入が止まる期間を前提に資金計画を作ることです。
6-6. 確定申告に向けて経費・控除を整理する
出産前後は忙しく、領収書や帳簿の整理が後回しになりがちです。しかし、フリーランスにとって確定申告は税負担に直結します。
事業用経費として整理できるもの、家事按分が必要なもの、医療費控除に使うもの、プライベート支出として扱うものを分けて管理しましょう。
妊娠・出産に関する医療費は、事業経費ではなく医療費控除として扱うのが基本です。妊婦健診、分娩、入院、通院交通費などの領収書は、事業用の領収書とは別に保管しておくと申告時に整理しやすくなります。
また、産休・育休中に仕事を完全に休む場合でも、事業を継続しているなら、会計ソフト、サーバー代、事業用通信費などの固定費が発生することがあります。経費処理できるものは漏れなく記録しておきましょう。
7. ケース別:フリーランスの出産・育児でもらえるお金
7-1. 本人が国民健康保険に加入している場合
本人が国民健康保険に加入しているフリーランスの場合、育児休業給付金や出産手当金は原則対象外です。
一方で、出産育児一時金、児童手当、妊婦健診助成、子ども医療費助成、高額療養費制度、医療費控除、国民年金の産前産後免除、国民健康保険料の産前産後軽減などは利用できる可能性があります。
2026年10月以降は、条件を満たせば国民年金の育児期間免除も使える可能性があります。
このケースでは、会社員のような育休手当がない代わりに、保険料の軽減・免除と自治体支援を漏れなく使うことが重要です。
7-2. 配偶者の扶養に入っている場合
フリーランス収入が少なく、配偶者の健康保険の扶養に入っている場合は、配偶者の健康保険から家族出産育児一時金を受け取れる可能性があります。
一方、国民年金では第3号被保険者に該当する場合、もともと本人が国民年金保険料を直接納めていないため、国民年金第1号被保険者向けの産前産後免除や、2026年10月開始予定の育児期間免除の対象にはなりません。日本年金機構も、育児期間免除について第2号被保険者と第3号被保険者は対象外と説明しています。
このケースでは、配偶者の勤務先の制度、健康保険、児童手当、自治体支援を中心に確認しましょう。
7-3. 会社員からフリーランスになった直後の場合
会社員を退職してフリーランスになった直後に妊娠・出産する場合は、退職前の健康保険や雇用保険の扱いを必ず確認しましょう。
出産育児一時金については、退職前の健康保険に継続して1年以上加入しており、退職後6か月以内に出産するなどの条件を満たすと、退職前の健康保険から支給を受けられる可能性があります。
出産手当金についても、資格喪失後の継続給付の条件を満たす場合は対象になることがあります。
ただし、育児休業給付金は、原則として雇用関係があり、勤務先で育児休業を取得することが前提です。退職してフリーランスになった後に、会社員時代の雇用保険だけで育休手当を受け取るのは基本的に難しいと考えましょう。
7-4. 副業フリーランスで雇用保険に入っている場合
会社員として働きながら副業でフリーランスをしている場合は、育児休業給付金を受け取れる可能性があります。
ポイントは、会社員として雇用保険に加入していること、勤務先で育児休業を取得できること、育休開始前の雇用保険加入期間などの条件を満たすことです。育児休業給付金は、育休中の就業日数や就業時間にも条件があります。
副業収入がある場合、育休中の働き方によって給付に影響する可能性があります。自己判断で副業を続けるのではなく、勤務先の人事担当者やハローワークに確認してから調整しましょう。
7-5. 配偶者が会社員で育休を取る場合
フリーランス本人が育休手当をもらえなくても、配偶者が会社員で雇用保険に加入していれば、配偶者側で育児休業給付金を受け取れる可能性があります。
また、出生時育児休業給付金や出生後休業支援給付金の対象になる可能性もあります。出生後休業支援給付金は、一定の条件を満たして父母がともに育児休業を取得する場合などに、既存の育児休業給付に上乗せされる制度です。
家庭全体で見ると、フリーランス本人が完全に休むよりも、配偶者が育休を取り、家事・育児を分担しながら本人が短時間で仕事を継続するほうが、収入減を抑えられることもあります。
夫婦・パートナーで、どちらがいつ休むか、保育園申込みをどうするか、収入がどれくらい減るかを早めに話し合いましょう。
7-6. ひとり親フリーランスの場合
ひとり親フリーランスの場合は、出産・育児による収入減が家計に直結しやすいため、早めの支援確認が必要です。
利用できる可能性がある制度には、出産育児一時金、児童手当、妊婦健診助成、子ども医療費助成、国民年金の産前産後免除、国民健康保険料の軽減、医療費控除に加えて、児童扶養手当、ひとり親家庭等医療費助成、保育料軽減、住居支援、生活福祉資金貸付などがあります。
ひとり親支援は自治体によって窓口が分かれていることがあります。妊娠中から、子育て支援課、福祉課、保健センター、国民健康保険窓口、年金窓口に相談し、使える制度を一覧化してもらうと安心です。
8. フリーランスの育休手当に関するよくある質問
8-1. フリーランスでも育休を取ることはできる?
フリーランスでも、仕事を休んで育児に専念すること自体はできます。
ただし、会社員のように勤務先へ育児休業を申し出て、雇用保険から育児休業給付金を受け取る仕組みとは異なります。フリーランスの「育休」は、自分で仕事量を調整し、取引先と納期や契約を調整し、収入減に備える自主的な休業です。
そのため、育休手当がない前提で、貯蓄、固定費削減、公的支援、パートナーの制度利用、自治体支援を組み合わせる必要があります。
8-2. 個人事業主と法人役員で受けられる制度は違う?
個人事業主と法人役員では、加入している保険や立場によって使える制度が変わります。
個人事業主は、国民健康保険・国民年金第1号被保険者であることが多く、会社員向けの育児休業給付金や出産手当金は原則対象外です。その代わり、出産育児一時金、児童手当、国民年金の産前産後免除、国民健康保険料の産前産後軽減などを確認します。
法人役員の場合、法人で健康保険・厚生年金に加入していることがあります。ただし、雇用保険は原則として労働者が対象であり、代表取締役や役員は対象外になるケースが多いです。役員報酬の扱い、出産手当金の可否、育児休業給付金の可否は、法人での立場や保険加入状況によって変わるため、年金事務所、健康保険組合、ハローワーク、社会保険労務士に確認しましょう。
8-3. 開業届を出していなくても給付金はもらえる?
開業届を出しているかどうかだけで、出産育児一時金や児童手当の対象が決まるわけではありません。
出産育児一時金は、公的医療保険に加入しているかどうかが重要です。児童手当は、子どもを養育していることや住民票のある自治体への申請がポイントです。国民年金の産前産後免除は、国民年金第1号被保険者であることが条件です。
一方で、フリーランスとして所得がある場合、開業届や確定申告、青色申告の有無は税金面に影響します。給付金と税務上の手続きは分けて考えましょう。
8-4. 妊娠中に仕事を減らしたら支援制度の対象になる?
妊娠中に仕事を減らしただけで、会社員向けの育児休業給付金や出産手当金の対象になるわけではありません。
ただし、所得が下がることで、翌年度の住民税や国民健康保険料が下がる可能性はあります。また、現在の収入が大きく減り、保険料や税金の支払いが難しい場合は、国民健康保険料の減免・猶予や国民年金保険料の免除・猶予を相談できることがあります。
妊娠・出産に伴う国民年金の産前産後免除は、所得に関係なく対象になる制度です。条件を満たす場合は、収入額にかかわらず申請しましょう。
8-5. 会社員時代の雇用保険で育児休業給付金はもらえる?
退職してフリーランスになった後に、会社員時代の雇用保険だけを理由に育児休業給付金を受け取るのは、原則として難しいです。
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が勤務先で育児休業を取得することを前提にした制度です。支給には、雇用保険の加入実績だけでなく、実際に育児休業を取得していること、休業中の就業状況が条件を満たすことなどが必要です。
一方、退職後の出産育児一時金や出産手当金については、退職前の健康保険加入期間や出産時期によって対象になる可能性があります。会社員からフリーランスになった直後の人は、雇用保険だけでなく、退職前の健康保険も必ず確認しましょう。
8-6. パートナーが会社員ならどんな制度を使える?
パートナーが会社員で雇用保険に加入している場合、パートナー側で育児休業給付金、出生時育児休業給付金、出生後休業支援給付金などを利用できる可能性があります。
また、パートナーの健康保険の扶養に入っている場合は、家族出産育児一時金の対象になる可能性があります。パートナーが育児休業を取得すれば、会社員向けの社会保険料免除制度も関係します。
フリーランス本人だけで「育休手当がない」と考えるのではなく、世帯全体で使える制度を確認することが大切です。
8-7. 申請しないともらえないお金はどれ?
出産・育児関連のお金は、申請しないともらえないものが多くあります。
特に注意したいのは、児童手当、子ども医療費助成、国民年金の産前産後免除、国民健康保険料の産前産後軽減、医療費控除、自治体独自の出産・子育て支援金です。
出産育児一時金は、医療機関で直接支払制度を利用すれば手続きが簡略化されますが、直接支払制度を使わない場合や差額を受け取る場合は申請が必要です。
児童手当は出生後15日以内の申請が重要です。申請が遅れると、遅れた月分を受け取れない可能性があります。
フリーランスは勤務先が手続きを案内してくれないため、「出生届を出したら全部自動でもらえる」と思わず、自分で申請リストを作って管理しましょう。
まとめ
フリーランスには、会社員向けの育休手当にあたる「育児休業給付金」は原則ありません。育児休業給付金は、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した場合に支給される制度だからです。
しかし、フリーランスでも使える出産・育児支援はあります。代表的なものは、出産育児一時金、児童手当、妊婦健診費用の助成、子ども医療費助成、高額療養費制度、医療費控除、国民年金の産前産後免除、国民健康保険料の産前産後軽減、自治体独自の支援金です。
さらに、2026年10月からは、1歳未満の子どもを養育する国民年金第1号被保険者を対象に、育児期間の国民年金保険料免除制度が始まる予定です。これは直接お金が振り込まれる育休手当ではありませんが、フリーランス家庭の固定費を下げる重要な制度です。
フリーランスの出産・育児では、「もらえる給付金を増やす」だけでなく、「出ていくお金を減らす」「収入が止まる期間を短くする」「パートナーや自治体の制度を活用する」ことが大切です。
妊娠がわかったら、まずは加入している健康保険、国民年金の種別、住んでいる自治体の子育て支援、パートナーの勤務先制度を確認しましょう。育休手当がないフリーランスでも、早めに準備すれば、出産前後のお金の不安を大きく減らせます。

