フリーランスの人数は何人?最新データで見る人口推移・働き方の実態と今後の見通し

はじめに

「フリーランスの人数は何人なのか」と調べると、約257万人、462万人、1,303万人など、調査によって大きく異なる数字が出てきます。結論から言えば、フリーランスの人数は「どこまでをフリーランスに含めるか」によって変わります。

会社に雇われず本業として働く人だけを数えるのか、会社員の副業、すきま時間の業務委託、一人社長、内職、ギグワーカーまで含めるのかで、フリーランス人口は数百万人規模から1,000万人超まで広がります。

この記事では、「フリーランス 人数」に関する最新データをもとに、日本のフリーランス人口、調査ごとの差、人口推移、働き方の実態、今後の見通しをわかりやすく解説します。

1. フリーランスの人数は何人?最新データで結論を解説

1-1. 最新調査では日本のフリーランス人口は約1,303万人

民間調査であるランサーズ株式会社「フリーランス実態調査 2024年」では、2024年のフリーランス人口は1,303万人、経済規模は20兆3,200億円とされています。同調査は、2024年1月から12月にフリーランスとして業務の対価報酬を得た全国20〜69歳の男女を対象に実施されており、副業や社員一人の法人なども含めて集計しています。

つまり、広い意味で「個人として仕事を受けて報酬を得ている人」まで含めると、日本のフリーランス人口は1,000万人を超える規模に達していると見られます。

1-2. 公的統計では約257万人・民間調査では1,000万人超と差が出る理由

一方、総務省統計局の令和4年就業構造基本調査では、フリーランスの総数は257万4,000人、本業のみが202万9,400人、副業のみが48万300人、本業および副業が6万4,300人とされています。また、同調査では本業がフリーランスの人数を209万人、有業者に占める割合を3.1%としています。

このように、民間調査の1,303万人と公的統計の257万人では、約5倍の差があります。これは、調査の正確性がどちらか一方で低いという意味ではありません。主な違いは、フリーランスの定義、調査対象年齢、対象に含める働き方、インターネット調査か基幹統計調査かといった調査方法にあります。

1-3. 「本業フリーランス」と「副業フリーランス」で人数は大きく変わる

フリーランス人口を見るときは、本業フリーランスと副業フリーランスを分けて考えることが重要です。内閣府資料では、内閣官房の2020年調査に基づき、フリーランスの人数は462万人程度、その内訳は本業214万人程度、副業248万人程度とされています。

この数字からもわかるように、フリーランスは「会社を辞めて独立した人」だけではありません。会社員として働きながら、休日や平日の夜に業務委託で仕事を受ける人も、広い意味ではフリーランスに含まれます。

1-4. この記事で扱うフリーランスの定義とデータの見方

この記事では、以下のように整理してフリーランスの人数を見ていきます。

区分主な対象人数の目安
狭義のフリーランス本業として雇用されずに働く個人約200万人台
公的統計上のフリーランス本業・副業のフリーランスを含む約257万人
政府資料で参照される広義のフリーランス本業・副業を含む広い層約462万人
民間調査の広義フリーランス副業、一人法人、すきまワーカーなどを広く含む約1,303万人

フリーランス人口を理解する際は、「何人か」だけでなく、「どの定義で数えた人数か」を必ず確認しましょう。

2. フリーランス人数に関する主要データを比較

2-1. ランサーズ調査で見るフリーランス人口と経済規模

ランサーズの「フリーランス実態調査 2024年」では、2024年のフリーランス人口は1,303万人、経済規模は20兆3,200億円とされています。さらに、10年前と比較するとフリーランス人口は39.1%増、経済規模は38.8%増とされており、長期的には市場が拡大していることが示されています。

この調査は、会社員の副業、複業、自由業、一人法人などを含む広い定義で集計しているため、「フリーランス的に働いた経験がある人」の市場規模を把握するうえで参考になります。

2-2. 内閣官房調査で見るフリーランス人口

内閣府資料では、内閣官房の2020年調査に基づき、フリーランス人口は462万人程度、本業が214万人程度、副業が248万人程度と試算されています。ここでは、副業フリーランスのほうが本業フリーランスより多い点が特徴です。

また、内閣官房・公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁による令和4年度フリーランス実態調査では、本業または副業で事業を営み、同居家族を除いて従業員を雇用していない個人事業主などを対象に調査が行われています。

2-3. 総務省・就業構造基本調査で見るフリーランスの人数

総務省統計局の令和4年就業構造基本調査は、国の基幹統計調査として実施された公的な調査です。この調査では、フリーランス総数は257万4,000人、本業のみが202万9,400人、副業のみが48万300人、本業および副業が6万4,300人とされています。

公的統計としての信頼性が高い一方、民間調査よりも定義が限定的であるため、会社員の副業や単発的な業務委託まで広く含めた実態とは数字が異なります。

2-4. 調査ごとに人数が違うのは「定義・対象・調査方法」が異なるため

フリーランス人数の調査で差が出る主な理由は、次の3つです。

違い内容
定義の違い本業のみか、副業や一人法人を含むか
対象の違い年齢、就業状態、報酬の有無、業務委託経験の範囲
調査方法の違い基幹統計、Webモニター調査、民間アンケートなど

たとえば、同じ「フリーランス」という言葉でも、総務省の調査では本業・副業の就業状態を中心に捉え、ランサーズ調査では副業や一人法人を含む広い働き方を対象にしています。したがって、人数を比較するときは、調査名と定義をセットで確認する必要があります。

2-5. フリーランス人口を正しく理解するための比較表

調査・資料公表・調査時期フリーランス人数主な特徴
ランサーズ「フリーランス実態調査 2024年」2025年公表1,303万人副業・一人法人などを含む広義の民間調査
内閣官房調査に基づく内閣府資料2020年調査462万人本業214万人、副業248万人という試算
総務省「令和4年就業構造基本調査」2022年調査257.4万人基幹統計で把握された本業・副業フリーランス
内閣府「政策課題分析シリーズ17」2019年調査により大きな幅既存調査ごとの定義差を整理

内閣府の政策課題分析でも、既存調査では440万人、1,090万人、228万人、170万人など、定義によって大きな幅があることが示されています。

3. フリーランス人口の推移|増えているのか減っているのか

3-1. 2010年代からフリーランス人口は中長期的に増加傾向

フリーランス人口は、長期的には増加傾向にあります。ランサーズ調査では、2024年のフリーランス人口は10年前と比べて39.1%増加したとされています。経済規模も同期間で38.8%増加しており、フリーランス市場そのものが拡大していることがわかります。

背景には、働き方改革、副業解禁、リモートワークの普及、クラウドソーシングの拡大、企業の外部人材活用などがあります。

3-2. コロナ禍でフリーランス人口が急増した背景

コロナ禍では、リモートワークの普及によって場所に縛られず働く人が増えました。内閣府は、感染症の影響により、副業・兼業を実施した人の割合が2019年と比べて上昇し、テレワーク実施率の高まりや空き時間の活用が柔軟な副業を後押しした可能性を示しています。

また、企業側も固定費を抑えながら専門人材を活用するため、業務委託や外部パートナーを使う動きが広がりました。

3-3. 2024年以降は一部で減少傾向も見られる

ランサーズ調査では、2021年はコロナ禍によるリモートワーク普及でフリーランス需要が急増した一方、2024年はアフターコロナの働き方の変化や生成AIの影響により、フリーランス人口に減少傾向が見られると説明されています。

ただし、これは市場が縮小しているというより、コロナ禍で一時的に増えた層が整理され、より専門性や継続性のある働き方へ移行している段階と見ることもできます。

3-4. 10年前と比較するとフリーランス市場は拡大している

短期的には増減があっても、10年前と比べるとフリーランス市場は拡大しています。ランサーズ調査では、フリーランス人口と経済規模のどちらも約40%成長しているとされており、フリーランスは一時的なブームではなく、働き方の選択肢として定着しつつあります。

3-5. 人数だけでなく経済規模も拡大している点に注目

フリーランス市場を見る際は、人数だけでなく経済規模にも注目すべきです。人数が増えても低単価の仕事ばかりでは市場の健全な成長とは言えません。一方で、経済規模が20兆円を超えているというデータは、企業や個人がフリーランスに支払う報酬の総額が大きくなっていることを示しています。

今後は、単に「フリーランスの人数が増えるか」だけでなく、「高付加価値な仕事を受けられるフリーランスが増えるか」が重要になります。

4. フリーランスの働き方別に見る人数の内訳

4-1. 本業として働く独立系フリーランス

本業フリーランスは、会社などに雇用されず、個人事業主や一人法人として仕事を受ける人です。総務省の令和4年就業構造基本調査では、本業がフリーランスの人数は209万人、有業者に占める割合は3.1%とされています。

この層には、ITエンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタント、士業、講師、カメラマン、美容師、建設関連職など、幅広い職種が含まれます。

4-2. 会社員を続けながら働く副業系フリーランス

副業系フリーランスは、会社員などの本業を持ちながら、業務委託や請負で仕事を受ける人です。内閣府資料では、2020年のフリーランス462万人のうち、副業が248万人程度とされており、本業214万人程度を上回っています。

副業フリーランスは、本業収入を維持しながら始められるため、独立前の準備段階としても選ばれやすい働き方です。

4-3. 複数の仕事を持つパラレルワーカー

パラレルワーカーは、複数の仕事や収入源を組み合わせて働く人です。会社員として働きながら副業をする人もいれば、複数の業務委託先を持つ人、個人事業と法人案件を組み合わせる人もいます。

収入源を分散できる点はメリットですが、スケジュール管理、契約管理、税務処理が複雑になりやすいため、自己管理力が求められます。

4-4. すきま時間で働くギグワーカー・スポットワーカー

ギグワーカーやスポットワーカーは、単発・短時間の仕事を中心に働く人です。配送、配達、家事代行、イベントスタッフ、データ入力、アンケート、オンライン作業など、比較的短時間で完結する仕事が多い傾向にあります。

総務省の調査では、副業がフリーランスの人のうち「不規則的就業」、つまり仕事があるときや忙しいときのみ働く割合が78.2%とされています。

4-5. 職種別に見たフリーランス人口の特徴

フリーランスの職種は、ITやクリエイティブだけではありません。政府資料では、営業、講師・インストラクター、建設・現場作業、デザイン・コンテンツ制作、配送・配達など、多様な業種でフリーランスとして働く実態が示されています。

近年は、ITエンジニア、Webデザイナー、動画編集者、ライター、マーケター、コンサルタントなどのデジタル系職種が目立ちますが、生活関連サービスや現場作業系のフリーランスも一定数存在します。

5. フリーランスが増えている主な理由

5-1. 副業解禁や働き方改革によって選択肢が広がった

フリーランスが増えている理由の一つは、副業や兼業を認める企業が増えたことです。かつては会社員が副業をすることに心理的・制度的なハードルがありましたが、働き方改革や人材活用の多様化により、会社員のまま個人で仕事を受ける選択肢が広がりました。

5-2. リモートワークの普及で個人が仕事を受けやすくなった

リモートワークの普及により、個人が場所に縛られず仕事を受けやすくなりました。内閣府は、感染症の影響下でテレワーク実施率の高まりや空き時間の活用が、柔軟な副業・兼業を後押しした可能性を示しています。

地方在住者でも都市部企業の案件を受けられるようになり、企業側も全国から人材を探しやすくなっています。

5-3. クラウドソーシングやSNSで案件獲得のハードルが下がった

クラウドソーシング、SNS、ポートフォリオサイト、エージェントサービスの普及により、個人が案件を見つける手段は増えました。フリーランス協会の「フリーランス白書2025」では、仕事獲得経路として人脈、過去・現在の取引先、エージェントサービスなどが重要な経路として挙げられています。

以前は独立後の営業が大きな壁でしたが、現在はオンライン上で実績を見せ、案件に応募し、継続取引につなげることが可能になっています。

5-4. 企業側の外部人材活用ニーズが高まっている

企業では、DX、マーケティング、採用、広報、システム開発、デザイン、生成AI活用など、専門スキルが必要な業務が増えています。しかし、すべての専門人材を正社員として採用するのは簡単ではありません。

そのため、必要なときに必要なスキルを持つフリーランスへ依頼する動きが広がっています。人材不足が続くほど、外部人材としてのフリーランス需要は高まりやすくなります。

5-5. 生成AIやデジタル化によって新しい仕事が生まれている

生成AIやデジタル化の進展により、AIライティング、AI画像生成、データ分析、業務自動化、プロンプト設計、ノーコード開発など、新しい仕事も生まれています。

ランサーズ調査では、生成AIの活用率は言語生成AIで3割以下、画像生成AIで2割以下、動画生成AIで約1割にとどまる一方、AI活用の有無が生産性や案件獲得の差につながる可能性が指摘されています。

6. フリーランス人口の実態|収入・年齢・職種・働き方

6-1. フリーランスの年収分布と収入の現実

フリーランスの収入は大きく二極化しています。ランサーズ調査では、フリーランスの年収は99万円以下の層が約7割を占め、特に10万円未満が最多とされています。一方で、自由業系や自営業系のフリーランスは比較的高い収入を得ている傾向があります。

また、フリーランス協会の「フリーランス白書2025」では、年収400万円以上が47.7%、年収400万円未満が47.2%とされ、月間140時間以上働くフルタイム層も47.1%とされています。

この違いから、フリーランスの収入は「副業として月数万円稼ぐ人」から「本業として会社員以上の収入を得る人」まで幅広いことがわかります。

6-2. 年代別に見るフリーランスの割合

総務省の令和4年就業構造基本調査では、本業がフリーランスの割合は年齢階級が高くなるにつれて高くなる傾向が示されています。

若年層では副業やスキル習得の一環として始める人が多く、中高年層では専門経験を活かして独立する人や、定年後も働き続ける人が増えます。フリーランスは若い世代だけの働き方ではなく、シニア層にも広がっている働き方です。

6-3. ITエンジニア・デザイナー・ライターなど職種別の傾向

ITエンジニア、デザイナー、ライター、マーケター、動画編集者などは、オンラインで納品しやすく、フリーランス化しやすい職種です。特にITエンジニアや専門職は、スキルの希少性が高いほど高単価案件を獲得しやすくなります。

一方、ライターやデータ入力など参入しやすい職種は、案件数が多い反面、単価競争に巻き込まれやすい傾向があります。職種選びでは、需要の大きさだけでなく、単価、継続性、専門性の高めやすさも確認しましょう。

6-4. 働く時間・場所の自由度と実際の働き方

フリーランスは自由な働き方が魅力ですが、実際には働く時間に大きな個人差があります。フリーランス協会の「フリーランス白書2025」では、月間稼働時間は140〜200時間未満が最多の33.7%、月間140時間以上のフルタイム層は47.1%とされています。

自由に働ける一方で、納期、顧客対応、営業、経理、学習をすべて自分で管理する必要があります。会社員より自由度は高いものの、自己管理の負担も大きい働き方です。

6-5. フリーランスとして働く人の満足度

フリーランス協会の「フリーランス白書2025」では、多くの項目で7〜8割の人が現在の働き方に満足している一方、「収入」「社会的地位」「多様性に富んだ人脈形成」に満足している人は3〜4割にとどまるとされています。

つまり、自由度や裁量には満足しやすい一方で、収入の安定性や社会的信用には課題を感じる人が多いのが実態です。

7. フリーランス人口が増える一方で抱える課題

7-1. 収入が不安定になりやすい

フリーランスは、案件が途切れると収入が減ります。会社員のように毎月決まった給与が入るわけではないため、営業、継続契約、複数の取引先づくりが重要です。

特に単発案件に依存している場合、景気変動、発注元の予算削減、生成AIによる業務代替などの影響を受けやすくなります。

7-2. 社会保険・年金・税金の負担が重い

独立系フリーランスは、国民健康保険、国民年金、所得税、住民税、個人事業税、消費税などを自分で管理する必要があります。会社員時代は給与から天引きされていた負担が見えやすくなるため、独立後に「思ったより手取りが残らない」と感じる人も少なくありません。

独立前には、売上ではなく手取り、税金、保険料、経費、生活費を含めてシミュレーションすることが大切です。

7-3. 契約トラブルや報酬未払いのリスクがある

フリーランスは事業者として契約を結ぶため、契約条件のあいまいさ、報酬未払い、突然の発注取消し、過度な修正依頼などのトラブルに注意が必要です。

内閣官房のページでは、フリーランス・事業者間取引適正化等法が2024年11月1日に施行され、発注事業者に対して取引条件の明示、報酬の減額や受領拒否の禁止、就業環境整備などを義務付けていると説明されています。

7-4. スキルアップや案件獲得を自分で続ける必要がある

フリーランスは、会社が研修やキャリアパスを用意してくれるわけではありません。自分で市場の変化を読み、必要なスキルを学び、実績を作り、営業を続ける必要があります。

特に生成AIの普及により、単純作業や汎用的な制作業務は価格競争が激しくなりやすいため、専門性、提案力、業務設計力、顧客理解がより重要になります。

7-5. フリーランス新法により働く環境はどう変わるのか

フリーランス新法により、発注事業者には取引条件の明示、報酬支払期日の設定、募集情報の的確表示、ハラスメント対策、育児介護等への配慮などが求められます。厚生労働省のリーフレットでは、同法の目的は取引の適正化と就業環境の整備であり、対象は発注事業者からフリーランスへの業務委託であると説明されています。

ただし、法律が整備されても、契約書の確認、請求書の発行、納品範囲の明確化、証拠の保存など、フリーランス自身の自衛も引き続き必要です。

8. 今後フリーランスの人数はどうなる?将来予測と見通し

8-1. フリーランス人口は今後も一定の拡大が見込まれる

フリーランス人口は、短期的には増減を繰り返しながらも、中長期的には一定の拡大が見込まれます。理由は、企業の人材不足、個人のキャリア自律、副業・兼業の普及、リモートワークの定着、デジタル案件の増加が続くためです。

ランサーズ調査でも、2024年は一部で減少傾向が見られるものの、10年前と比べると人口・経済規模ともに約40%成長しているとされています。

8-2. 副業・兼業フリーランスはさらに増える可能性が高い

今後増えやすいのは、いきなり独立する本業フリーランスよりも、副業・兼業フリーランスです。会社員として安定収入を得ながら、個人で小さく仕事を受ける働き方は、リスクを抑えつつ市場価値を試せるためです。

内閣府資料でも、2020年のフリーランス462万人のうち副業が248万人程度とされており、副業層の存在感はすでに大きいことがわかります。

8-3. 企業の人材不足が外部人材活用を後押しする

企業は、正社員採用だけで専門人材を確保することが難しくなっています。特に、IT、セキュリティ、AI、データ分析、マーケティング、クリエイティブ、採用広報などの領域では、外部人材の活用が進みやすいでしょう。

フリーランスにとっては、企業課題を理解し、単なる作業者ではなく「課題解決のパートナー」として提案できるかが重要になります。

8-4. 生成AIの普及で減る仕事・増える仕事

生成AIの普及により、単純な文章作成、画像生成、データ整理、翻訳、簡単なコーディングなどは自動化が進む可能性があります。一方で、AIを使いこなして成果物の質を高める仕事、業務フローを設計する仕事、AIでは代替しにくい専門判断や顧客折衝を伴う仕事は増える可能性があります。

ランサーズ調査では、生成AIの活用率がまだ低水準であることが課題として挙げられており、今後はAI活用スキルの有無が競争力の差につながると見られます。

8-5. 今後フリーランスに求められるスキルと備え

今後のフリーランスには、専門スキルだけでなく、営業力、契約知識、価格交渉力、継続提案力、AI活用力、税務・会計の基礎知識が求められます。

「仕事ができる」だけではなく、「選ばれ続ける」「適正価格で受注する」「長期的に信頼される」ことが重要です。フリーランスの人数が増えるほど、差別化できる人と価格競争に巻き込まれる人の差は広がります。

9. フリーランスを目指す人が人数データから考えるべきこと

9-1. フリーランス人口の増加は競争の激化も意味する

フリーランス人口が増えることは、市場が広がっているというプラス面がある一方、競争相手が増えるという意味でもあります。特に、未経験から参入しやすい職種では、単価が下がりやすく、案件獲得が難しくなることがあります。

人数データを見るときは、「フリーランスが増えているから自分も稼げる」と考えるのではなく、「どの分野で需要があり、どのスキルなら選ばれるのか」を考えることが大切です。

9-2. 需要が伸びる職種・市場を選ぶことが重要

フリーランスとして安定するには、成長市場を選ぶことが重要です。IT、AI、データ活用、Webマーケティング、業務改善、採用支援、動画、専門ライティング、コンサルティングなどは、企業の課題と結びつきやすい領域です。

一方で、誰でも始めやすい仕事は競争が激しくなりやすいため、専門分野、業界知識、実績、顧客対応力を掛け合わせて差別化しましょう。

9-3. 副業から始めてリスクを抑える方法

独立に不安がある場合は、副業から始めるのがおすすめです。副業であれば、生活費を本業収入で確保しながら、案件獲得、納品、顧客対応、確定申告の流れを経験できます。

最初は小さな案件でも、実績を積み、継続依頼を増やし、月の副業収入が安定してから独立を検討するとリスクを抑えられます。

9-4. 安定して案件を獲得するための準備

安定して案件を獲得するには、ポートフォリオ、実績、料金表、提案文、契約書、請求書、SNSやWebサイトなどを整えておく必要があります。

また、案件獲得経路を一つに依存しないことも大切です。クラウドソーシング、エージェント、知人紹介、SNS、過去の取引先、直接営業など、複数の経路を持つことで収入の不安定さを軽減できます。

9-5. 独立前に確認すべき収入・税金・保険のポイント

独立前には、最低でも以下を確認しましょう。

確認項目内容
売上目標毎月いくら売上が必要か
手取り税金・保険料・経費を引いた後にいくら残るか
生活防衛資金生活費の6か月分以上を用意できているか
契約業務範囲、納期、報酬、支払期日を明確にできるか
集客継続的に案件を得る経路があるか
保険・年金国民健康保険、国民年金、民間保険を理解しているか

フリーランスは自由度の高い働き方ですが、事業者としての準備が不足していると、収入や契約面で苦労しやすくなります。

10. フリーランスの人数に関するよくある質問

10-1. 日本のフリーランスは何人いますか?

調査によって異なります。ランサーズの「フリーランス実態調査 2024年」では1,303万人、総務省の令和4年就業構造基本調査では257万4,000人、内閣府資料で参照される内閣官房2020年調査では462万人程度とされています。

10-2. フリーランス人口は増えていますか?

長期的には増加傾向です。ランサーズ調査では、2024年のフリーランス人口は10年前と比べて39.1%増加し、経済規模も38.8%増加したとされています。ただし、2024年はアフターコロナや生成AIの影響により、一部で減少傾向も見られます。

10-3. 本業フリーランスと副業フリーランスはどちらが多いですか?

調査によって異なります。内閣府資料では、2020年のフリーランス462万人のうち、本業が214万人程度、副業が248万人程度とされており、副業フリーランスのほうが多い試算です。一方、総務省の令和4年就業構造基本調査では、本業のみ202万9,400人、副業のみ48万300人とされており、本業フリーランスのほうが多くなっています。

10-4. フリーランスが多い職種は何ですか?

ITエンジニア、Webデザイナー、ライター、マーケター、動画編集者、コンサルタントなどが代表的です。ただし、政府資料では、営業、講師・インストラクター、建設・現場作業、デザイン・コンテンツ制作、配送・配達など、多様な業種でフリーランスとして働く実態が示されています。

10-5. フリーランスの人数は今後も増えますか?

副業・兼業フリーランスを中心に、今後も一定の増加が見込まれます。企業の人材不足、リモートワークの定着、外部人材活用、生成AI関連業務の増加などが追い風になるためです。ただし、単純作業や低単価案件は競争が激しくなる可能性があり、専門性やAI活用力を高めることが重要です。

まとめ

フリーランスの人数は、調査によって大きく異なります。最新の民間調査では日本のフリーランス人口は約1,303万人、公的統計では約257万人、政府資料で参照される内閣官房調査では約462万人とされています。

この差は、フリーランスの定義や調査対象が異なるためです。本業として独立している人だけを数えるのか、会社員の副業、一人法人、ギグワーカー、すきま時間の業務委託まで含めるのかで、人数は大きく変わります。

重要なのは、単に「フリーランスは何人いるか」を見ることではありません。フリーランス人口が増えている背景、市場規模、職種ごとの需要、収入の実態、課題まで理解することです。

フリーランスは、自由度が高く、自分のスキルを活かしやすい働き方です。一方で、収入の不安定さ、契約トラブル、社会保険や税金の負担、スキルアップの必要性といった課題もあります。

これからフリーランスを目指す人は、まず副業から始めて市場を知り、需要のあるスキルを磨き、安定して案件を獲得できる仕組みを作ることが大切です。フリーランス人口が増える時代だからこそ、「人数が多い市場に入る」のではなく、「選ばれるフリーランスになる」ことが成功の鍵になります。