システムエンジニアの平均年収はいくら?年代・経験年数・企業規模別の相場と年収アップの方法
はじめに
システムエンジニアの年収は、IT職種のなかでも関心が高いテーマです。特に「システムエンジニア 年収 平均」と検索する人の多くは、現在の自分の年収が相場より高いのか、未経験から目指した場合にどれくらい稼げるのか、転職すれば年収アップできるのかを知りたいのではないでしょうか。
システムエンジニアの平均年収は、調査対象や職種分類によって差があります。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、システムエンジニア(受託開発)の賃金年収は全国平均で578.5万円とされています。一方、dodaの平均年収ランキングでは、ITエンジニア全体の平均年収は469万円です。どちらも参考になりますが、対象者や集計方法が異なるため、単純に「SEの平均年収はこの金額」と決めつけるのではなく、年代・経験年数・企業規模・担当工程・スキルをあわせて見ることが大切です。
1. システムエンジニアの平均年収はいくら?
1-1. システムエンジニアの平均年収の目安
システムエンジニアの平均年収は、正社員全体で見るとおおむね450万円〜600万円前後がひとつの目安です。厚生労働省のjob tagでは「システムエンジニア(受託開発)」の賃金年収が578.5万円、平均年齢が37.1歳と示されています。ハローワーク求人統計では、令和6年度の求人賃金は月額35.2万円、有効求人倍率は2.57倍です。
一方、転職サービスのdodaではITエンジニア全体の平均年収が469万円、全職種平均が429万円とされており、ITエンジニアは全体平均より高い傾向があります。
つまり、システムエンジニアの平均年収をざっくりまとめると、若手・未経験層は300万円台後半〜400万円台、実務経験を積んだ中堅層は450万円〜650万円、上流工程やマネジメントを担う人材は700万円以上も十分に狙える職種といえます。
1-2. 平均年収だけでは判断できない理由
平均年収は便利な指標ですが、システムエンジニアの場合は平均だけで判断すると実態を見誤ることがあります。なぜなら、同じ「SE」でも仕事内容が大きく異なるからです。
たとえば、詳細設計やプログラミング中心のSEと、要件定義・基本設計・顧客折衝まで担当するSEでは、求められるスキルも責任範囲も違います。また、受託開発、SES、自社開発、社内SE、クラウド、セキュリティ、PMなど、働き方や専門領域によっても年収は変わります。
厚生労働省のjob tagでも、統計データは職業分類に対応する情報であり、必ずしもその職業だけの統計を表すものではないと説明されています。つまり、平均年収を見るときは「どの職種分類のデータか」「どの層が対象か」を確認する必要があります。
1-3. 手取り額の目安と額面年収との違い
年収を考えるときは、額面年収と手取り年収の違いも押さえておきましょう。額面年収とは、会社から支給される総額のことです。ここから所得税、住民税、健康保険、厚生年金、雇用保険などが差し引かれ、実際に銀行口座へ振り込まれる金額が手取りです。
一般的に会社員の手取りは、額面年収の75%〜80%前後になるケースが多いです。たとえば年収400万円なら手取りは約300万円〜320万円、年収500万円なら約375万円〜400万円、年収600万円なら約450万円〜480万円が目安です。ただし、扶養家族の有無、居住地、社会保険料、賞与比率によって変わります。
転職時に「年収が上がる」と言われても、固定残業代が多い、賞与比率が高い、基本給が低いなどの条件だと、毎月の手取りが思ったほど増えないこともあります。年収だけでなく、月給・賞与・残業代・手当の内訳まで確認することが重要です。
1-4. 参考にした年収データの見方
システムエンジニアの年収相場を見るときは、公的統計と転職市場データを分けて考えると理解しやすくなります。
公的統計は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査やjob tagなどが代表的です。全国的な賃金の傾向を見るのに向いています。一方、dodaなどの転職サービスのデータは、転職希望者や登録者の実態を反映しているため、転職市場での相場感を把握するのに役立ちます。
この記事では、システムエンジニアの平均年収を考えるうえで、公的統計、転職市場データ、求人相場の3つを参考にしながら、年代・経験年数・企業規模・スキル別にわかりやすく整理します。
2. システムエンジニアの年収を年代別に比較
2-1. 20代システムエンジニアの平均年収
20代のシステムエンジニアの年収は、未経験入社や若手層を含むため、300万円台後半〜400万円台が中心です。dodaのITエンジニア全体の年代別平均年収では、20代は398万円とされています。
20代前半では、プログラミング、テスト、運用保守、詳細設計の補助などからスタートすることが多く、年収は300万円〜400万円程度になりやすいです。20代後半になると、基本設計や顧客対応を任される人も増え、400万円台後半〜500万円台に届くケースもあります。
2-2. 30代システムエンジニアの平均年収
30代のシステムエンジニアは、年収が大きく伸びやすい年代です。dodaのITエンジニア全体の年代別平均年収では、30代は519万円です。
30代になると、単に指示された開発をこなすだけでなく、要件定義、設計、顧客折衝、チームリード、後輩育成などを担当する機会が増えます。実務経験を積み、得意な技術領域を持っている人であれば、年収500万円〜650万円程度を狙いやすくなります。
一方で、運用保守やテスト中心のままスキルの幅が広がらない場合は、年収が伸びにくくなることもあります。30代は、専門性を高めるか、マネジメントに進むか、キャリアの方向性を決める重要な時期です。
2-3. 40代システムエンジニアの平均年収
40代のITエンジニアの平均年収は、dodaのデータでは649万円です。
40代では、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャー、ITアーキテクト、ITコンサルタント、社内情報システム責任者など、より責任の大きい役割に就く人が増えます。年収600万円〜800万円台を狙える一方、現場作業中心のままマネジメント経験や上流工程経験が少ない場合は、年収が頭打ちになる可能性もあります。
40代のシステムエンジニアが年収を上げるには、「何年働いたか」よりも「どの規模の案件をリードしたか」「どの技術領域に強いか」「事業や顧客にどれだけ貢献できるか」が重要になります。
2-4. 50代以上システムエンジニアの平均年収
50代以上のITエンジニアの平均年収は、dodaのデータでは716万円です。
50代以上では、管理職、PM、ITコンサルタント、技術顧問、社内SE責任者、セキュリティ責任者などのポジションに就いている人ほど高年収になりやすいです。大規模プロジェクトの管理、ベンダーコントロール、予算管理、組織マネジメントなどができる人材は、年収800万円以上、場合によっては1,000万円以上も視野に入ります。
ただし、技術変化に対応できない場合や、特定の古い技術に依存している場合は、転職市場で評価されにくくなることもあります。50代以降も年収を維持・向上させるには、クラウド、セキュリティ、AI、DX、マネジメントなど、需要の高い領域との接点を持ち続けることが大切です。
2-5. 年代によって年収差が出る理由
システムエンジニアの年収が年代によって変わる理由は、経験年数だけではありません。主な理由は、担当できる工程、責任範囲、マネジメント経験、専門スキルの差です。
20代は実装やテスト中心、30代は設計やリーダー業務、40代以降はプロジェクト管理や組織マネジメントに進む人が増えます。年齢が上がるほど高年収になりやすいのは、単に年功序列だからではなく、より大きな成果責任を担う人が増えるためです。
3. システムエンジニアの年収を経験年数別に比較
3-1. 未経験・1年目の年収相場
未経験からシステムエンジニアになる場合、1年目の年収は300万円〜400万円程度が目安です。新卒や第二新卒、ポテンシャル採用では、まずプログラミング、テスト、運用保守、社内研修からスタートすることが多く、いきなり高年収になるケースは多くありません。
ただし、理系出身、プログラミング経験あり、ポートフォリオあり、クラウドや資格の基礎知識ありといった人は、未経験でも比較的高めの条件で採用されることがあります。未経験者の場合は、最初の年収よりも、入社後にどのような案件で経験を積めるかを重視しましょう。
3-2. 経験3年未満の年収相場
経験3年未満のシステムエンジニアは、年収350万円〜450万円程度がひとつの目安です。この時期は、開発の基礎を理解し、詳細設計や実装を自走できるかどうかが評価されます。
同じ3年未満でも、単純なテストや保守だけを担当している人と、開発実務、設計、レビュー、顧客対応まで経験している人では評価が変わります。若手のうちから設計書作成、コードレビュー、チーム開発、クラウド環境の利用経験を積んでおくと、次の転職や昇給で有利になります。
3-3. 経験3年〜5年の年収相場
経験3年〜5年になると、年収400万円〜550万円程度が目安です。実務経験者として転職市場でも評価されやすくなり、担当できる工程が広がるほど年収アップが狙えます。
この時期は、プログラミングだけでなく、基本設計、詳細設計、テスト設計、障害対応、顧客との仕様調整などを経験しているかが重要です。Java、Python、JavaScript、C#、AWS、Azure、Linux、データベース、ネットワークなど、需要のある技術を複数組み合わせられる人材は評価されやすくなります。
3-4. 経験5年〜10年の年収相場
経験5年〜10年のシステムエンジニアは、年収500万円〜700万円程度を狙いやすい層です。中堅SEとして、設計、実装、レビュー、進捗管理、顧客折衝、若手育成などを任されることが増えます。
この段階で年収差が出るポイントは、上流工程とリーダー経験です。顧客の要望を整理して要件定義に落とし込める人、複数メンバーをまとめてプロジェクトを進められる人、技術選定やアーキテクチャ設計ができる人は、高く評価されます。
3-5. 経験10年以上・ベテランSEの年収相場
経験10年以上のベテランSEは、年収600万円〜900万円以上も十分に可能です。さらに、PM、ITコンサルタント、セキュリティ専門職、クラウドアーキテクト、データ基盤エンジニアなどに進むと、1,000万円を目指せるケースもあります。
厚生労働省のjob tagでは、スキルレベル別給与データとして、設計・構築のITSSレベル1〜2が420万円〜620万円、ITSSレベル3が450万円〜700万円、ITSSレベル4が500万円〜780万円、ITSSレベル5以上が600万円〜950万円と示されています。スキルレベルが上がるほど年収レンジも上がることがわかります。
4. システムエンジニアの年収を企業規模別に比較
4-1. 大企業勤務のシステムエンジニアの年収相場
大企業勤務のシステムエンジニアは、年収500万円〜800万円以上を狙いやすい傾向があります。大企業では、給与テーブル、賞与、各種手当、退職金制度、福利厚生が整っていることが多く、安定した年収を得やすいのが特徴です。
また、大規模案件、官公庁案件、金融系システム、基幹システム、グローバル案件などに関わる機会があり、責任範囲が広い分、報酬水準も高くなりやすいです。ただし、役割が細分化されているため、若手のうちは経験できる範囲が限定されることもあります。
4-2. 中小企業勤務のシステムエンジニアの年収相場
中小企業のシステムエンジニアの年収は、350万円〜600万円程度が中心です。大企業と比べると賞与や手当が少ない場合がありますが、少人数で幅広い業務を担当できるため、成長スピードが速いこともあります。
中小企業では、要件定義から開発、運用保守、顧客対応まで一貫して経験できるケースがあります。年収だけを見ると大企業より低く見えることもありますが、実務経験の幅を広げやすく、将来的な転職や独立につながるスキルを身につけやすい点はメリットです。
4-3. スタートアップ・ベンチャー企業の年収相場
スタートアップやベンチャー企業のシステムエンジニアは、年収400万円〜700万円程度が目安です。ただし、企業の成長フェーズや資金調達状況によって大きく変わります。
スタートアップでは、即戦力のエンジニアに高い年収を提示することもあれば、固定給は控えめでストックオプションを付与するケースもあります。裁量が大きく、技術選定やプロダクト開発の中心に関われる一方、業務量が多く、制度が整っていない場合もあります。
4-4. SIer・自社開発・SESで年収はどう変わる?
システムエンジニアの年収は、企業規模だけでなく働き方によっても変わります。
SIerは、顧客企業のシステム開発を請け負う企業です。大手SIerでは上流工程や大規模案件に関われるため、年収が高くなりやすいです。自社開発企業は、自社サービスやプロダクトを開発する企業で、事業成長に貢献できるエンジニアは高く評価されます。SESは、客先常駐で技術支援を行う働き方で、案件単価や商流によって年収差が出やすいです。
dodaの業種別データでは、ITコンサルティングが505万円、ハードウェア/ソフトウェア/パッケージベンダが493万円、システムインテグレータが481万円とされています。業種によって平均年収に差があることがわかります。
4-5. 企業規模よりも確認すべき給与条件
企業規模は年収を考えるうえで重要ですが、それだけで判断するのは危険です。確認すべきなのは、基本給、固定残業代、賞与、昇給制度、評価基準、残業時間、退職金、住宅手当、リモート手当などです。
たとえば、年収600万円でも固定残業代が多く含まれている場合、実際の時給換算ではそれほど高くないことがあります。一方、年収550万円でも残業が少なく、リモートワーク可能で、学習支援や資格手当が充実している企業のほうが、長期的には満足度が高い場合もあります。
5. 職種・スキル別に見るシステムエンジニアの年収差
5-1. アプリケーションエンジニアの年収相場
アプリケーションエンジニアの年収は、400万円〜650万円程度が目安です。業務系アプリ、Webアプリ、スマホアプリ、基幹システムなど、開発対象によって求められるスキルが変わります。
Java、C#、Python、JavaScript、TypeScript、PHP、Rubyなどの開発経験に加え、設計、テスト、自動化、クラウド環境での開発経験があると評価されやすくなります。単にコードを書けるだけでなく、保守性や拡張性を考えた設計ができる人材は年収アップにつながりやすいです。
5-2. インフラエンジニアの年収相場
インフラエンジニアの年収は、400万円〜700万円程度が目安です。サーバー、ネットワーク、データベース、ミドルウェア、監視、運用設計などを担当します。
従来のオンプレミス環境だけでなく、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウド環境に対応できる人材は需要が高まっています。dodaの職種別データでは、サーバーエンジニアは469万円、ネットワークエンジニアは455万円とされています。
5-3. クラウドエンジニアの年収相場
クラウドエンジニアの年収は、500万円〜800万円程度を狙いやすい分野です。クラウド移行、インフラ設計、IaC、コンテナ、CI/CD、セキュリティ設計、運用自動化などの経験があると高く評価されます。
近年は、多くの企業がオンプレミスからクラウドへ移行しており、クラウド人材の需要は高い状態が続いています。特にAWS、Azure、Google Cloudの設計・構築経験、Terraform、Kubernetes、Dockerなどのスキルは、年収アップに直結しやすいです。
5-4. セキュリティエンジニアの年収相場
セキュリティエンジニアの年収は、500万円〜800万円以上を狙える職種です。dodaの職種別データでは、セキュリティエンジニアは497万円、セキュリティコンサルタント/アナリストは649万円とされています。
セキュリティ領域では、脆弱性診断、SOC、CSIRT、ゼロトラスト、クラウドセキュリティ、情報セキュリティマネジメント、インシデント対応などの経験が評価されます。専門性が高く、人材不足も続いているため、経験者は高年収を狙いやすい分野です。
5-5. プロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャーの年収相場
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーは、システムエンジニアのなかでも高年収を狙いやすいポジションです。dodaの職種別データでは、プロジェクトマネジャーの平均年収は707万円で、ITエンジニア職種のなかでも高い水準です。
PMは、進捗管理、品質管理、コスト管理、リスク管理、顧客折衝、メンバー管理など、プロジェクト全体の成果に責任を持ちます。技術力だけでなく、調整力、説明力、交渉力、問題解決力が求められるため、年収が高くなりやすいのです。
5-6. 上流工程を担当できるSEほど年収が高い理由
システムエンジニアは、上流工程を担当できるほど年収が高くなりやすいです。上流工程とは、要件定義、基本設計、システム企画、顧客折衝、見積もり、技術選定などを指します。
上流工程では、顧客の曖昧な要望を整理し、実現可能なシステムに落とし込む力が必要です。ここで失敗すると、開発工数の増加、品質低下、納期遅延につながるため、企業にとって非常に重要な役割です。そのため、上流工程を任せられるSEは高く評価されます。
6. システムエンジニアの年収が決まる主な要素
6-1. 技術スキル・対応できる開発領域
年収を左右する大きな要素は、技術スキルです。Java、Python、JavaScript、C#、Go、PHPなどの言語スキルに加え、データベース、クラウド、ネットワーク、セキュリティ、コンテナ、DevOpsなど、対応できる領域が広いほど市場価値は上がります。
ただし、単に多くの技術を知っているだけでは不十分です。実務で使い、成果を出した経験があるかどうかが重要です。
6-2. 要件定義・設計など上流工程の経験
要件定義や設計の経験は、年収アップに直結しやすい要素です。顧客の課題を理解し、システム要件に落とし込み、開発チームが迷わず実装できる設計を作れるSEは高く評価されます。
プログラミングだけでなく、「なぜこの機能が必要か」「どのような業務課題を解決するのか」まで考えられる人は、上流工程やコンサル寄りのポジションに進みやすくなります。
6-3. マネジメント経験
チームリーダー、PL、PMなどのマネジメント経験も年収に大きく影響します。プロジェクトを期限内に完了させるには、技術力だけでなく、進捗管理、課題管理、メンバー育成、顧客調整が必要です。
特に30代後半以降は、個人の開発力だけでなく、チームやプロジェクト全体を動かせる力が評価されやすくなります。
6-4. 業界・案件単価・商流
システムエンジニアの年収は、所属企業の案件単価や商流にも左右されます。金融、製造、医療、通信、官公庁、SaaS、AI、セキュリティなど、高単価になりやすい業界・領域では年収も高くなりやすいです。
また、元請けに近い企業ほど利益率が高く、エンジニアに還元されやすい傾向があります。SESや受託開発では、自社が何次請けなのか、単価がどの程度還元されるのかを確認することが大切です。
6-5. 勤務地・リモートワークの有無
勤務地も年収に影響します。東京、大阪、名古屋、福岡などの都市部はIT企業や大規模案件が多く、地方より給与水準が高い傾向があります。
ただし、リモートワークが普及したことで、地方在住でも都市部企業の案件に参画できるケースが増えています。地方勤務で高年収を狙うなら、フルリモート可の企業、自社開発企業、クラウド・セキュリティ・AIなどの専門職を狙うのが有効です。
6-6. 資格・ポートフォリオ・実績
資格は年収を直接上げるものではありませんが、スキルを証明する材料になります。基本情報技術者、応用情報技術者、情報処理安全確保支援士、AWS認定、Azure認定、Google Cloud認定、PMPなどは評価されやすい資格です。
また、転職では資格以上に実績が重要です。担当したプロジェクトの規模、使用技術、改善成果、コスト削減、性能改善、障害対応、リーダー経験などを具体的に説明できるようにしておきましょう。
7. システムエンジニアの年収は高い?他職種と比較
7-1. プログラマーとの年収比較
プログラマーは、主に設計書に基づいてプログラムを実装する職種です。システムエンジニアは、設計や顧客折衝、要件定義まで担当することが多いため、プログラマーより年収が高くなりやすいです。
dodaの職種別データでは、SE/プログラマの平均年収は435万円です。より上流工程やPMに進むことで、平均を超える年収を狙いやすくなります。
7-2. Webエンジニアとの年収比較
Webエンジニアは、WebサービスやWebアプリケーションの開発を担当する職種です。dodaではWebサービスエンジニアの平均年収が452万円とされています。
Webエンジニアは、フロントエンド、バックエンド、インフラ、クラウド、UI/UX、データ分析など、スキル領域によって年収差が大きい職種です。自社サービスの成長に直接貢献できる人材や、フルスタックに対応できる人材は高年収を狙えます。
7-3. ITコンサルタントとの年収比較
ITコンサルタントは、企業の経営課題や業務課題をITで解決する職種です。dodaの職種別データでは、ITコンサルタントの平均年収は601万円です。
ITコンサルタントは、技術だけでなく、業務理解、課題整理、提案力、資料作成、経営層とのコミュニケーションが求められます。システムエンジニアからITコンサルタントへキャリアアップすると、年収アップにつながる可能性があります。
7-4. 社内SEとの年収比較
社内SEは、自社の情報システム部門で働くエンジニアです。業務システムの運用、ベンダー管理、社内ヘルプデスク、セキュリティ、IT企画などを担当します。
社内SEは、残業が比較的少なく働きやすい企業もありますが、企業のIT投資姿勢によって年収差が出やすい職種です。事業会社のIT企画、DX推進、セキュリティ、基幹システム刷新などを担当できる社内SEは高年収を狙えます。
7-5. システムエンジニアは将来性のある職種か
システムエンジニアは、将来性のある職種です。企業のDX、クラウド移行、AI活用、セキュリティ対策、レガシーシステム刷新など、IT人材への需要は今後も続くと考えられます。
IPAの「DX動向2025」では、日本企業の85.1%でDXを推進する人材が不足しているとされています。デジタル人材不足が続くなか、実務経験と専門スキルを持つシステムエンジニアは、今後も市場価値を維持しやすいでしょう。
8. システムエンジニアが年収を上げる方法
8-1. 上流工程の経験を積む
年収を上げたいなら、まず上流工程の経験を積むことが重要です。要件定義、基本設計、顧客折衝、見積もり、技術選定などに関われるようになると、評価されやすくなります。
現職で上流工程に関われない場合は、設計レビューに参加する、顧客との打ち合わせに同席する、仕様書作成を担当するなど、小さな機会を増やしていきましょう。
8-2. クラウド・AI・セキュリティなど需要の高い分野を学ぶ
需要の高い分野を学ぶことも、年収アップに有効です。特にクラウド、AI、データ分析、セキュリティ、DevOps、SRE、コンテナ、ゼロトラストなどは、多くの企業でニーズがあります。
既存の開発経験にこれらのスキルを掛け合わせることで、単なる開発者ではなく、より市場価値の高いエンジニアを目指せます。
8-3. 資格を取得してスキルを証明する
資格取得は、スキルの証明として有効です。未経験者や若手の場合は、基本情報技術者や応用情報技術者が基礎力の証明になります。クラウド領域ならAWS認定、Azure認定、Google Cloud認定、セキュリティ領域なら情報処理安全確保支援士などが評価されやすいです。
ただし、資格だけで年収が上がるわけではありません。資格で得た知識を実務でどう活かしたかまで説明できるようにしましょう。
8-4. プロジェクトマネジメントスキルを身につける
PMやPLを目指すなら、プロジェクトマネジメントスキルが必要です。進捗管理、課題管理、リスク管理、品質管理、メンバー調整、顧客折衝などを学びましょう。
いきなりPMを目指すのではなく、まずは小規模チームのリーダー、サブリーダー、タスク管理担当などから経験を積むのがおすすめです。
8-5. 現職で昇給・昇格を狙う
転職だけが年収アップの方法ではありません。現職で昇給・昇格を狙うことも有効です。
そのためには、自分の成果を定量的に伝える必要があります。たとえば、開発工数を何%削減した、障害件数を減らした、処理速度を改善した、顧客満足度を高めた、後輩育成に貢献したなど、評価者に伝わる形で実績を整理しましょう。
8-6. 年収相場の高い企業へ転職する
現職の給与テーブルに限界がある場合は、転職が年収アップの近道になることがあります。特に、下請け構造の深い企業から元請けや自社開発企業へ移る、運用保守中心から設計・開発中心へ移る、SESからクラウド・セキュリティ領域へ移るといったキャリアチェンジは、年収アップにつながりやすいです。
転職時は、自分の市場価値を知るために複数の求人を比較し、職務経歴書で実績を具体的に伝えることが重要です。
8-7. フリーランスとして独立する
実務経験が十分にあるシステムエンジニアは、フリーランスとして独立することで年収を上げられる可能性があります。フリーランスは案件単価が収入に直結するため、スキルや経験によっては会社員時代より高収入を狙えます。
ただし、案件獲得、税金、社会保険、営業、契約管理、スキル維持を自分で行う必要があります。独立前に、得意領域、実績、貯蓄、案件獲得ルートを整えておくことが大切です。
9. 年収アップを狙う転職で確認すべきポイント
9-1. 求人票で見るべき給与条件
求人票では、想定年収だけでなく、月給、基本給、賞与、固定残業代、手当、昇給回数、評価制度を確認しましょう。想定年収の幅が広い場合は、自分がどのレンジで採用される可能性があるのかを面接で確認することが重要です。
「年収400万円〜800万円」と書かれていても、実際に800万円で採用されるのはPM経験者や高度な専門スキルを持つ人だけというケースもあります。
9-2. 基本給・固定残業代・賞与の確認方法
年収アップを狙うなら、基本給を必ず確認しましょう。基本給が低く、固定残業代や賞与で年収を高く見せている求人もあります。
固定残業代がある場合は、何時間分が含まれているのか、超過分は支払われるのかを確認します。賞与については、過去の支給実績、業績連動かどうか、入社初年度の支給条件も確認しましょう。
9-3. 自社開発・SIer・SESの違いを理解する
転職では、自社開発、SIer、SESの違いを理解しておくことが大切です。
自社開発は、自社サービスの成長に関われる点が魅力です。SIerは、大規模案件や上流工程を経験しやすいメリットがあります。SESは、さまざまな現場を経験できますが、案件や商流によってスキルアップや年収に差が出やすいです。
どれが正解というわけではなく、自分が身につけたいスキルや希望する働き方に合っているかで判断しましょう。
9-4. 年収交渉で伝えるべき実績
年収交渉では、「希望年収」だけを伝えても説得力がありません。大切なのは、その年収に見合う根拠を示すことです。
具体的には、担当工程、使用技術、プロジェクト規模、チーム人数、役割、成果、改善実績、顧客評価、リーダー経験などを整理しましょう。「AWS環境の構築を担当」「障害対応時間を短縮」「開発リーダーとして5名を管理」「要件定義からリリースまで担当」など、具体的な実績があるほど交渉しやすくなります。
9-5. 転職エージェントを活用するメリット
年収アップを狙う転職では、転職エージェントを活用するのも有効です。エージェントは、求人票だけではわからない給与レンジ、企業の評価基準、面接で見られるポイント、年収交渉の余地などを把握していることがあります。
また、自分では気づきにくい強みを整理してくれるため、職務経歴書の改善にも役立ちます。ただし、エージェントによって得意領域が異なるため、ITエンジニアの転職に強いサービスを選ぶことが大切です。
10. システムエンジニアの平均年収に関するよくある質問
10-1. 未経験からシステムエンジニアになると年収はいくら?
未経験からシステムエンジニアになる場合、初年度の年収は300万円〜400万円程度が目安です。最初は高年収を狙うより、開発経験、設計経験、クラウドやデータベースの実務経験を積める環境を選ぶことが重要です。
10-2. システムエンジニアで年収1,000万円は可能?
システムエンジニアで年収1,000万円を目指すことは可能です。ただし、一般的な開発担当者のままでは簡単ではありません。PM、ITコンサルタント、クラウドアーキテクト、セキュリティ専門職、外資系IT企業、フリーランス高単価案件などを目指す必要があります。
dodaのITエンジニア年収分布では、1,000万円以上は2.8%とされています。少数派ではありますが、専門性やマネジメント経験を高めれば十分に狙える水準です。
10-3. 女性システムエンジニアの平均年収は?
女性システムエンジニアの年収も、経験年数、担当工程、勤務先、働き方によって大きく変わります。IT業界ではスキルや実績が評価されやすいため、性別にかかわらず、上流工程、クラウド、セキュリティ、PM経験を持つ人は高年収を狙えます。
ただし、育児や介護との両立を考える場合は、年収だけでなく、リモートワーク、フレックス、時短勤務、残業時間、復職制度なども確認するとよいでしょう。
10-4. 地方勤務でも高年収は狙える?
地方勤務でも高年収は狙えます。特に、フルリモート勤務が可能な都市部企業、自社開発企業、クラウドやセキュリティの専門職、フリーランス案件であれば、居住地に関係なく高い報酬を得られる可能性があります。
一方、地方の中小企業や保守運用中心の求人では、都市部より年収が低めになることもあります。地方で年収アップを目指すなら、リモート案件に対応できるスキルを身につけることが重要です。
10-5. 資格を取れば年収は上がる?
資格を取るだけで必ず年収が上がるわけではありません。ただし、資格はスキルを証明する材料になり、転職や昇格で有利になることがあります。
特に、基本情報技術者、応用情報技術者、情報処理安全確保支援士、AWS認定、Azure認定、PMPなどは、システムエンジニアのキャリアアップに役立ちます。資格取得と実務経験をセットでアピールすることが大切です。
10-6. システムエンジニアの年収は今後どうなる?
システムエンジニアの年収は、スキルのある人材を中心に今後も上がる可能性があります。DX、クラウド、AI、セキュリティ、データ活用などの需要が高まっており、IT人材不足も続いているためです。
ただし、すべてのSEの年収が一律に上がるわけではありません。単純作業や保守運用だけにとどまる人と、上流工程や先端技術に対応できる人の間で、年収差が広がる可能性があります。継続的に学習し、市場価値の高いスキルを身につけることが重要です。
まとめ
システムエンジニアの平均年収は、データの見方によって差がありますが、おおむね450万円〜600万円前後がひとつの目安です。厚生労働省のjob tagではシステムエンジニア(受託開発)の賃金年収が578.5万円、dodaではITエンジニア全体の平均年収が469万円とされています。
ただし、システムエンジニアの年収は、年代、経験年数、企業規模、担当工程、スキル、業界、働き方によって大きく変わります。20代は300万円台後半〜400万円台、30代は500万円前後、40代以降は600万円以上を狙いやすく、PMやITコンサルタント、クラウド、セキュリティ領域に進めば年収700万円〜1,000万円以上も可能です。
年収を上げるためには、上流工程の経験を積むこと、需要の高い技術を学ぶこと、マネジメントスキルを身につけること、実績を整理して適切な企業へ転職することが重要です。平均年収だけにとらわれず、自分のスキルと市場価値を正しく把握し、長期的なキャリア戦略を立てていきましょう。

