WordPressを安全にダウングレードする方法|不具合を直す手順と失敗しない注意点

はじめに

WordPressを更新した直後に、サイトが真っ白になったり、管理画面に入れなくなったり、プラグインやテーマが正常に動かなくなったりすることがあります。そのようなときに検討される対処法のひとつが、WordPressのダウングレードです。

ワードプレスのダウングレードとは、現在使っているWordPress本体を以前のバージョンに戻す作業のことです。アップデート後に発生した不具合を一時的に回避できる場合がありますが、やり方を間違えるとサイトが表示されなくなったり、データベースに問題が起きたりするリスクもあります。

この記事では、WordPressを安全にダウングレードする方法、作業前の注意点、プラグインを使う手順、手動で戻す方法、ダウングレード後に確認すべきポイントまで詳しく解説します。

1. WordPressのダウングレードとは?できることと戻せる範囲

1-1. ダウングレードとはWordPress本体を以前のバージョンに戻すこと

WordPressのダウングレードとは、現在インストールされているWordPress本体を、過去に公開された古いバージョンへ戻すことです。

たとえば、WordPress 6.5に更新した後に不具合が出た場合、WordPress 6.4系や6.3系など、以前の安定していたバージョンへ戻す作業がダウングレードにあたります。

WordPressは基本的に最新版を使うことが推奨されています。しかし、プラグインやテーマ、サーバー環境が最新のWordPressに対応していない場合、一時的に古いバージョンへ戻すことで不具合を回避できることがあります。

1-2. WordPress本体・プラグイン・テーマ・PHPの違い

不具合が起きたとき、必ずしもWordPress本体が原因とは限りません。

WordPressサイトは主に、WordPress本体、プラグイン、テーマ、PHP、サーバー環境によって動いています。そのため、どこに問題があるかを切り分けることが重要です。

WordPress本体のダウングレードは、WordPressそのもののバージョンを戻す作業です。一方、プラグインのダウングレードは特定のプラグインだけを以前のバージョンへ戻す作業で、テーマのダウングレードは使用中のテーマを過去のバージョンへ戻す作業です。

また、PHPバージョンの変更はサーバー側の設定に関わるため、WordPress本体のダウングレードとは別の作業になります。

1-3. ダウングレードで直せる不具合と直せない不具合

WordPressのダウングレードで直せる可能性があるのは、アップデート後に発生した互換性の不具合です。

たとえば、WordPress本体を更新した直後から管理画面が崩れる、ブロックエディターが動かない、特定のプラグインがエラーを出す、テーマの一部機能が動かなくなるといったケースでは、以前のバージョンへ戻すことで改善する場合があります。

一方で、サーバー障害、データベース破損、テーマファイルの編集ミス、プラグイン同士の競合、マルウェア感染などが原因の場合、WordPress本体をダウングレードしても解決しないことがあります。

1-4. ダウングレードは一時的な応急処置として考える

WordPressのダウングレードは、あくまで一時的な応急処置として考えるべきです。

古いバージョンのWordPressを使い続けると、セキュリティ上のリスクが高まります。脆弱性が修正されていないバージョンを長期間使うと、不正アクセスやサイト改ざんの危険性が高くなるためです。

そのため、ダウングレード後は原因となったプラグインやテーマ、PHP環境を確認し、最終的には安全に最新版へ戻すことを目指しましょう。

2. WordPressをダウングレードしたくなる主な原因

2-1. アップデート後にサイトが表示されなくなった

WordPressを更新した直後にサイトが表示されなくなると、まずダウングレードを検討したくなるはずです。

サイト全体が真っ白になる、エラーメッセージが表示される、トップページだけ表示されない、管理画面は開けるが公開ページが崩れるといった症状が出ることがあります。

このような場合、WordPress本体の更新によって、使用中のテーマやプラグインとの互換性に問題が起きている可能性があります。

2-2. 管理画面にログインできない・画面が真っ白になる

アップデート後に管理画面へログインできなくなったり、ログイン後に画面が真っ白になったりすることもあります。

この場合、プラグインやテーマが新しいWordPressの仕様に対応していない可能性があります。特に、古いテーマや長期間更新されていないプラグインを使っているサイトでは起こりやすいトラブルです。

管理画面に入れない場合は、WordPress上で操作できないため、FTPやサーバーのファイルマネージャーを使った復旧が必要になることもあります。

2-3. プラグインやテーマが最新バージョンに対応していない

WordPress本体が新しくなると、内部の仕様や推奨されるコードの書き方が変わることがあります。

その結果、古いプラグインやテーマが正常に動かなくなる場合があります。特に、独自開発されたテーマ、販売終了した有料テーマ、更新が止まっているプラグインを使っている場合は注意が必要です。

この場合、WordPress本体をダウングレードするよりも、問題のあるプラグインやテーマを更新・変更したほうが安全なこともあります。

2-4. ブロックエディターや管理画面の不具合が発生した

WordPressのアップデート後に、ブロックエディターが開かない、投稿画面で保存できない、メディアを追加できない、管理画面のレイアウトが崩れるといった不具合が起きることがあります。

このような症状は、エディター関連のプラグイン、キャッシュ系プラグイン、セキュリティ系プラグイン、テーマ独自の編集機能などが影響している場合があります。

WordPress本体を戻す前に、ブラウザキャッシュの削除やプラグインの一時停止も試してみましょう。

2-5. PHPやサーバー環境との互換性に問題がある

WordPressはPHPというプログラム言語で動いています。そのため、WordPress本体のバージョンだけでなく、サーバーで使われているPHPのバージョンも重要です。

WordPressを更新したことで、古いPHP環境との相性が悪くなったり、反対にPHPを更新したことで古いテーマやプラグインが動かなくなったりすることがあります。

この場合、WordPress本体のダウングレードだけではなく、PHPバージョンやサーバー設定も含めて確認する必要があります。

3. ダウングレード前に必ず確認すべき注意点

3-1. 作業前にファイルとデータベースを必ずバックアップする

WordPressをダウングレードする前に、必ずバックアップを取りましょう。

バックアップすべきものは、WordPressのファイル一式とデータベースです。ファイルにはテーマ、プラグイン、画像、WordPress本体のデータが含まれます。データベースには投稿、固定ページ、コメント、設定情報などが保存されています。

どちらか片方だけでは完全に復元できない場合があるため、必ずファイルとデータベースをセットでバックアップしてください。

3-2. どのバージョンに戻すべきか事前に確認する

ダウングレードするときは、やみくもに古いバージョンへ戻すのではなく、どのバージョンに戻すべきかを事前に確認することが大切です。

基本的には、不具合が発生する前に使っていたバージョンへ戻すのが安全です。たとえば、WordPress 6.5へ更新して不具合が起きたなら、直前に使っていた6.4系へ戻すといった考え方です。

古すぎるバージョンへ戻すと、データベースやプラグインとの互換性に問題が出る可能性があります。

3-3. 古すぎるバージョンへ戻すリスクを理解する

WordPressはバージョンごとに機能追加やセキュリティ修正が行われています。

そのため、何年も前のバージョンへ戻すと、現在のテーマやプラグインが動かなくなる可能性があります。また、セキュリティ上の脆弱性が残ったままになる危険もあります。

「不具合が直るかもしれないから」といって極端に古いバージョンへ戻すのは避けましょう。

3-4. セキュリティリスクがあるため長期間使い続けない

WordPressの古いバージョンを長期間使い続けることはおすすめできません。

WordPressは世界中で使われているため、攻撃対象になりやすいCMSです。古いバージョンには既知の脆弱性が残っていることがあり、放置すると不正ログイン、マルウェア感染、サイト改ざんなどのリスクが高まります。

ダウングレード後は、原因を解消したうえで、できるだけ早く安全な最新版へ戻す計画を立てましょう。

3-5. 本番サイトではなくテスト環境で確認するのが安全

可能であれば、本番サイトでいきなりダウングレードするのではなく、テスト環境やステージング環境で確認しましょう。

テスト環境で事前に動作確認をすれば、本番サイトの表示崩れや停止リスクを減らせます。特に、企業サイト、ECサイト、予約サイト、問い合わせ獲得用のサイトでは、本番環境での失敗が大きな損失につながることがあります。

サーバーによっては、管理画面から簡単にステージング環境を作成できる場合があります。

4. WordPressを安全にダウングレードする前準備

4-1. 現在のWordPressバージョンを確認する

まず、現在使っているWordPressのバージョンを確認します。

管理画面にログインできる場合は、「ダッシュボード」または「更新」画面から現在のWordPressバージョンを確認できます。

管理画面に入れない場合は、FTPでWordPressファイルにアクセスし、バージョン情報を確認する方法もあります。ただし、ファイルを直接編集する場合は誤操作に注意してください。

4-2. 使用中のプラグイン・テーマの対応状況を確認する

次に、使用中のプラグインとテーマが、現在のWordPressバージョンに対応しているか確認しましょう。

プラグイン公式ページやテーマの配布元を見ると、対応WordPressバージョンや最終更新日が確認できます。更新が長期間止まっているプラグインやテーマは、最新のWordPressと相性が悪い可能性があります。

不具合の原因が特定のプラグインやテーマにある場合、WordPress本体をダウングレードするより、そのプラグインやテーマを戻すほうが適切な場合もあります。

4-3. サーバーのPHPバージョンを確認する

WordPress本体のバージョンだけでなく、サーバーのPHPバージョンも確認しておきましょう。

PHPのバージョンは、レンタルサーバーの管理画面やWordPressの「サイトヘルス」から確認できます。古いPHPを使っている場合、最新のWordPressやプラグインが正常に動かないことがあります。

反対に、PHPを新しくしすぎたことで古いテーマやプラグインがエラーを出すこともあります。

4-4. メンテナンスモードにして作業中のトラブルを防ぐ

ダウングレード作業中は、一時的にサイトの表示が不安定になることがあります。

作業中に訪問者がアクセスすると、エラー画面が表示されたり、レイアウトが崩れたページを見られたりする可能性があります。そのため、必要に応じてメンテナンスモードを有効にしておくと安心です。

ただし、管理画面に入れない状態ではメンテナンスモード用プラグインを操作できないこともあるため、その場合はサーバー側で対応する必要があります。

4-5. 復旧用のログイン情報・FTP情報を用意する

ダウングレード作業では、万が一に備えて復旧手段を用意しておくことが重要です。

WordPress管理画面のログイン情報だけでなく、レンタルサーバーのログイン情報、FTP情報、データベース管理画面の情報、バックアップファイルの保存場所を確認しておきましょう。

特に管理画面に入れなくなった場合、FTPやサーバーのファイルマネージャーが復旧の手段になります。

5. プラグインでWordPressをダウングレードする方法

5-1. WP Downgradeを使う方法が初心者には最も簡単

初心者がWordPressをダウングレードする場合は、WP Downgradeというプラグインを使う方法が比較的簡単です。

WP Downgradeを使うと、管理画面から戻したいWordPressバージョンを指定し、通常の更新画面を使って再インストールできます。

ただし、管理画面にログインできることが前提です。管理画面に入れない場合は、手動でのダウングレードやバックアップ復元を検討する必要があります。

5-2. WP Downgradeをインストールして有効化する

まず、WordPress管理画面にログインし、「プラグイン」から「新規追加」を開きます。

検索欄に「WP Downgrade」と入力し、該当するプラグインをインストールして有効化します。

有効化したら、設定画面からダウングレード先のWordPressバージョンを指定できるようになります。

5-3. 戻したいWordPressバージョンを設定する

WP Downgradeの設定画面で、戻したいWordPressのバージョンを入力します。

入力するバージョンは、不具合が起きる前に使用していたバージョンを選ぶのが基本です。たとえば、更新前にWordPress 6.4.5を使っていたなら、そのバージョンを指定します。

バージョン番号を間違えると、意図しないバージョンへ変更される可能性があるため、正確に入力しましょう。

5-4. 更新画面から指定バージョンを再インストールする

バージョンを設定したら、WordPress管理画面の「ダッシュボード」から「更新」を開きます。

通常は最新版への更新が表示されますが、WP Downgradeで設定している場合、指定したバージョンのWordPressを再インストールする流れになります。

「再インストール」または更新ボタンを押すと、指定したバージョンのWordPress本体がインストールされます。作業中はブラウザを閉じたり、ページを更新したりしないようにしましょう。

5-5. ダウングレード後にバージョンと表示崩れを確認する

ダウングレードが完了したら、まずWordPressのバージョンが指定したものになっているか確認します。

その後、トップページ、投稿ページ、固定ページ、カテゴリーページ、問い合わせページなどを実際に開いて、表示崩れやエラーがないか確認しましょう。

管理画面の投稿編集、画像アップロード、プラグイン設定画面なども確認しておくと安心です。

5-6. 作業完了後は自動更新設定を見直す

ダウングレード後に注意したいのが、自動更新によって再び最新版へ戻ってしまうケースです。

WordPress本体の自動更新が有効になっていると、せっかくダウングレードしても、再度アップデートされて不具合が再発する可能性があります。

一時的に自動更新の設定を見直し、原因が解消できるまで勝手に更新されないようにしておきましょう。ただし、長期間更新を止めるのは危険なため、再アップデートの予定も必ず決めておくことが大切です。

6. 手動でWordPressをダウングレードする方法

6-1. 手動ダウングレードが必要になるケース

管理画面にログインできない場合や、プラグインを使えない状態の場合は、手動でWordPressをダウングレードする必要があります。

手動作業ではFTPやサーバーのファイルマネージャーを使って、WordPress本体のファイルを差し替えます。

この方法は操作を間違えるとサイトが壊れる可能性があるため、必ずバックアップを取ったうえで慎重に進めてください。

6-2. 公式サイトから旧バージョンのWordPressをダウンロードする

手動でダウングレードする場合は、WordPress公式サイトから旧バージョンのファイルをダウンロードします。

非公式サイトから配布されているWordPressファイルは、改ざんやマルウェア混入のリスクがあるため使わないでください。

ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、必要なWordPress本体ファイルを準備します。

6-3. wp-contentとwp-config.phpを削除・上書きしないよう注意する

手動ダウングレードで最も重要なのは、wp-contentフォルダとwp-config.phpを削除・上書きしないことです。

wp-contentにはテーマ、プラグイン、アップロード画像などが入っています。ここを上書きすると、サイトのデザインや画像、機能に大きな影響が出る可能性があります。

wp-config.phpにはデータベース接続情報など、サイト運営に必要な重要設定が入っています。これを上書きすると、WordPressがデータベースに接続できなくなることがあります。

6-4. FTPで必要なファイルをアップロードする

FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーを使って、旧バージョンのWordPressファイルをアップロードします。

基本的には、wp-contentとwp-config.phpを除いたWordPress本体ファイルを差し替えます。特に、wp-adminフォルダ、wp-includesフォルダ、WordPress直下の主要ファイルを更新する流れになります。

アップロード中に通信が切れるとファイルが不完全な状態になることがあるため、作業後はエラーが出ていないか確認してください。

6-5. データベース更新画面が表示された場合の対応

手動でWordPressファイルを差し替えた後、管理画面にアクセスすると、データベース更新画面が表示される場合があります。

表示された場合は、内容を確認したうえで更新を実行します。ただし、ダウングレードではデータベース構造との整合性に注意が必要です。

不安がある場合は、作業前に取得したバックアップを使って復元できる状態にしてから進めましょう。

6-6. 手動作業後にサイトと管理画面を確認する

ファイルのアップロードが完了したら、サイトの表示と管理画面の動作を確認します。

トップページだけでなく、投稿ページ、固定ページ、画像、メニュー、ウィジェット、フォーム、ログイン画面なども確認しましょう。

管理画面に入れる場合は、WordPressのバージョン、プラグインの状態、テーマの状態も確認します。エラーが残っている場合は、プラグインやテーマ側に原因がある可能性があります。

7. バックアップからWordPressを元の状態に戻す方法

7-1. ダウングレードよりバックアップ復元が向いているケース

WordPress本体をダウングレードするより、バックアップから復元したほうが安全なケースもあります。

たとえば、アップデート直前のバックアップがある場合、ファイルとデータベースをまとめて復元すれば、サイト全体を更新前の状態に戻せます。

原因がよく分からないままWordPress本体だけを戻すより、正常に動いていた時点のバックアップへ戻すほうが確実な場合があります。

7-2. サーバーの自動バックアップから復元する

多くのレンタルサーバーでは、自動バックアップ機能が用意されています。

サーバーの管理画面から、日付を指定してファイルやデータベースを復元できる場合があります。アップデート直前の日付を選べば、不具合が起きる前の状態へ戻せる可能性があります。

ただし、復元できる範囲や保存期間はサーバーによって異なります。復元前に、対象となるデータと日付を必ず確認しましょう。

7-3. バックアッププラグインから復元する

BackWPup、UpdraftPlus、All-in-One WP Migrationなどのバックアッププラグインを使っている場合は、プラグインから復元できることがあります。

バックアッププラグインを利用する場合も、ファイルだけでなくデータベースも復元対象に含まれているか確認してください。

管理画面にログインできない場合は、プラグインからの復元ができないこともあるため、その場合はサーバー側のバックアップやFTPを使った復旧を検討します。

7-4. ファイルとデータベースをセットで復元する

WordPressを正しく元に戻すには、ファイルとデータベースをセットで復元することが重要です。

ファイルだけを戻しても、データベースが新しい状態のままだと不整合が起きる可能性があります。逆に、データベースだけを戻しても、ファイル側が新しいままだと正常に動かないことがあります。

特にWordPress本体、プラグイン、テーマ、データベースが同時に更新されていた場合は、同じ時点のバックアップを使って復元するのが安全です。

7-5. 復元後にパーマリンク・表示・問い合わせフォームを確認する

バックアップから復元した後は、サイトが正常に動いているか確認します。

まずトップページや主要ページを開き、表示崩れがないか確認しましょう。次に、投稿ページやカテゴリーページのURLが正常に開けるか確認します。

404エラーが出る場合は、管理画面の「パーマリンク設定」を開き、何も変更せずに保存すると改善することがあります。

問い合わせフォーム、予約フォーム、決済機能など、ユーザー行動に直結する機能も必ず確認してください。

8. WordPress本体以外をダウングレードする方法

8-1. プラグインを前のバージョンに戻す方法

不具合の原因が特定のプラグインにある場合は、WordPress本体ではなくプラグインを前のバージョンへ戻すほうが適切です。

プラグインの旧バージョンは、WordPress公式ディレクトリの詳細ページから入手できることがあります。また、プラグインのロールバック用プラグインを使う方法もあります。

ただし、古いプラグインには脆弱性が含まれていることがあるため、長期間使い続けるのは避けましょう。

8-2. テーマを前のバージョンに戻す方法

テーマ更新後にデザインが崩れたり、独自機能が動かなくなったりした場合は、テーマを以前のバージョンへ戻すことを検討します。

公式テーマであれば、過去バージョンを入手できる場合があります。有料テーマの場合は、購入元のマイページやサポートから旧バージョンを入手できるか確認しましょう。

テーマを戻す前には、カスタマイズ内容が失われないようにバックアップを取っておくことが大切です。

8-3. PHPバージョンを下げる前に確認すべきこと

PHPバージョンを下げる場合は、WordPress本体、プラグイン、テーマとの互換性を慎重に確認する必要があります。

PHPを下げることで一部の古いプログラムが動くようになる場合もありますが、セキュリティやパフォーマンスの面では不利になることがあります。

また、サーバーによっては古いPHPの提供が終了している場合もあります。PHPの変更はサイト全体に影響するため、安易に行わないようにしましょう。

8-4. 原因が本体・プラグイン・テーマのどれか切り分ける方法

不具合が起きたときは、まず原因を切り分けることが重要です。

最初にキャッシュを削除し、ブラウザを変えて表示を確認します。次に、プラグインを一時停止して症状が改善するか確認します。プラグインを停止して直る場合は、プラグインが原因の可能性が高いです。

それでも直らない場合は、標準テーマに切り替えて確認します。標準テーマで正常に表示される場合は、使用中のテーマに問題がある可能性があります。

8-5. 本体を戻す前に試したい安全な対処法

WordPress本体をダウングレードする前に、より安全な対処法を試してみましょう。

ブラウザキャッシュやサーバーキャッシュの削除、プラグインの一時停止、テーマの切り替え、PHPバージョンの確認、エラーログの確認などです。

これらの方法で原因が分かれば、WordPress本体を戻さずに解決できる可能性があります。

9. ダウングレード後に不具合が直らないときの対処法

9-1. キャッシュを削除して表示を確認する

WordPressをダウングレードしても不具合が直らない場合、キャッシュが影響している可能性があります。

キャッシュ系プラグイン、サーバーキャッシュ、CDNキャッシュ、ブラウザキャッシュを削除してから再度確認しましょう。

古いキャッシュが残っていると、実際には修正されていても、ブラウザ上では不具合が続いているように見えることがあります。

9-2. プラグインを一時停止して原因を切り分ける

キャッシュを削除しても改善しない場合は、プラグインを一時停止して確認します。

管理画面に入れる場合は、プラグイン一覧からすべてのプラグインを一時停止し、ひとつずつ有効化して原因を探します。

管理画面に入れない場合は、FTPでpluginsフォルダの名前を一時的に変更することで、プラグインを停止できる場合があります。

9-3. 標準テーマに切り替えて確認する

プラグインを停止しても不具合が続く場合は、テーマが原因の可能性があります。

Twenty Twenty-FourなどのWordPress標準テーマに切り替えて、表示や管理画面の動作を確認しましょう。

標準テーマで正常に動く場合、使用中のテーマに問題がある可能性が高いです。この場合は、テーマの更新、修正、別テーマへの変更を検討します。

9-4. エラーログやデバッグモードで原因を確認する

不具合の原因が分からない場合は、エラーログを確認しましょう。

レンタルサーバーの管理画面からエラーログを確認できる場合があります。また、WordPressのデバッグモードを有効にすると、どのファイルやプラグインでエラーが起きているか分かることがあります。

ただし、デバッグ表示を本番サイトで公開したままにすると、内部情報が見えてしまう可能性があります。確認後は必ず無効にしましょう。

9-5. 管理画面に入れない場合はFTPから復旧する

管理画面に入れない場合は、FTPやサーバーのファイルマネージャーから復旧を行います。

プラグインが原因と思われる場合は、pluginsフォルダ名を変更してプラグインを停止します。テーマが原因と思われる場合は、使用中テーマのフォルダ名を変更し、標準テーマへ切り替わるか確認します。

それでも復旧できない場合は、バックアップからの復元を検討しましょう。

10. ダウングレード後に必ず行う安全確認

10-1. サイト全体の表示崩れやリンク切れを確認する

ダウングレード後は、サイト全体の表示を確認します。

トップページだけでなく、投稿ページ、固定ページ、カテゴリーページ、タグページ、検索結果ページなども確認しましょう。

メニュー、サイドバー、フッター、ボタン、画像、内部リンクが正常に表示されているかもチェックします。

10-2. 投稿・固定ページ・画像が正しく表示されるか確認する

投稿や固定ページの本文、画像、アイキャッチ、埋め込みコンテンツが正しく表示されるか確認します。

特にブロックエディターで作成したページは、WordPressのバージョンによって表示や編集画面に差が出る場合があります。

画像が表示されない場合は、メディアライブラリやアップロードフォルダの状態も確認しましょう。

10-3. お問い合わせフォームや決済機能を確認する

問い合わせフォームや決済機能があるサイトでは、必ず動作確認を行いましょう。

フォーム送信、確認メールの受信、自動返信メール、決済完了画面、注文通知などを実際にテストします。

見た目は正常でも、送信処理や決済処理が失敗している場合があります。ビジネスに直結する部分なので、必ず確認してください。

10-4. プラグイン・テーマを最新対応版へ更新する

ダウングレード後は、原因となったプラグインやテーマを確認し、最新対応版へ更新できないか検討します。

プラグインやテーマの開発元が修正版を出している場合は、テスト環境で検証したうえで適用しましょう。

更新が止まっているプラグインやテーマを使い続けると、今後も同じような不具合が起きる可能性があります。

10-5. 再アップデートのタイミングを決める

WordPressをダウングレードしたまま放置しないために、再アップデートのタイミングを決めておきましょう。

原因となったプラグインやテーマが対応したタイミング、サーバー環境を整えたタイミング、テスト環境で問題がないことを確認できたタイミングなどが目安です。

安全に最新版へ戻せるよう、計画的に対応することが大切です。

11. WordPressのダウングレードで失敗しないための予防策

11-1. アップデート前に必ずバックアップを取る

WordPressのトラブルを防ぐうえで最も重要なのは、アップデート前のバックアップです。

本体、プラグイン、テーマ、PHPを更新する前には、ファイルとデータベースを必ずバックアップしましょう。

バックアップがあれば、不具合が起きても元の状態へ戻せるため、ダウングレードより安全に復旧できる場合があります。

11-2. メジャーアップデートはすぐに適用しない

WordPressのメジャーアップデートは、新機能や大きな変更が含まれることがあります。

公開直後は、一部のプラグインやテーマがまだ対応していない場合もあります。重要なサイトでは、すぐに本番環境へ適用せず、少し様子を見てから更新するのもひとつの方法です。

ただし、セキュリティ更新は重要なため、必要以上に放置しないようにしましょう。

11-3. ステージング環境で事前検証する

本番サイトを更新する前に、ステージング環境で検証しておくと安心です。

ステージング環境でWordPress本体、プラグイン、テーマを更新し、表示や機能に問題がないか確認します。

問題がなければ本番環境へ反映し、不具合があれば本番サイトには適用せずに対策できます。

11-4. 不要なプラグインを減らして互換性トラブルを防ぐ

プラグインが多いほど、互換性トラブルが起きる可能性は高くなります。

使っていないプラグイン、機能が重複しているプラグイン、長期間更新されていないプラグインは整理しましょう。

必要最低限のプラグイン構成にしておくことで、WordPressアップデート時のトラブルを減らせます。

11-5. 定期的にPHP・テーマ・プラグインを更新する

WordPress本体だけでなく、PHP、テーマ、プラグインも定期的に更新することが大切です。

古い環境を長く使い続けると、ある時点で一気に更新したときに不具合が起きやすくなります。

定期的にメンテナンスを行い、少しずつ最新環境に近づけておくことで、ダウングレードが必要になるリスクを減らせます。

12. WordPressダウングレードに関するよくある質問

12-1. WordPressをダウングレードしてもデータは消えない?

通常、WordPress本体をダウングレードするだけで投稿や固定ページのデータがすぐに消えることはありません。

ただし、作業ミスやデータベースの不整合によってトラブルが起きる可能性はあります。そのため、作業前には必ずファイルとデータベースのバックアップを取ってください。

12-2. どのバージョンまで戻せばいい?

基本的には、不具合が起きる前に使っていた直前のバージョンへ戻すのがおすすめです。

たとえば、WordPressを更新した直後に不具合が出たなら、更新前のバージョンを確認してそこへ戻します。

古すぎるバージョンへ戻すと、セキュリティや互換性の問題が大きくなるため注意しましょう。

12-3. WP Downgradeが使えないときはどうする?

WP Downgradeが使えない場合は、手動ダウングレードまたはバックアップからの復元を検討します。

管理画面にログインできない場合は、プラグインを操作できないため、FTPやサーバーのファイルマネージャーを使った対応が必要になります。

作業に不安がある場合は、レンタルサーバーのサポートやWordPressに詳しい専門家へ相談するのが安全です。

12-4. ダウングレード後に自動で最新版へ戻ってしまう原因は?

WordPressの自動更新が有効になっていると、ダウングレード後に自動で最新版へ戻ることがあります。

また、サーバー側のWordPress自動更新機能や管理ツールによって更新されるケースもあります。

一時的にダウングレードする場合は、WordPress本体の自動更新設定とサーバー側の更新設定を確認しましょう。

12-5. ダウングレードはSEOに悪影響がある?

ダウングレードそのものが直接SEO評価を下げるとは限りません。

ただし、作業ミスによってサイトが表示されなくなる、ページが404になる、表示速度が落ちる、問い合わせフォームが動かない、セキュリティ問題が起きるといった場合は、SEOやユーザー体験に悪影響が出る可能性があります。

作業後は、主要ページの表示、リンク、インデックス状況、サイトマップなども確認しておくと安心です。

12-6. 初心者でも自分で作業して大丈夫?

管理画面にログインでき、WP Downgradeを使って一時的にバージョンを戻す程度であれば、初心者でも対応できる場合があります。

ただし、手動でファイルを差し替える作業や、データベースを扱う作業はリスクが高くなります。

バックアップの取り方や復元方法が分からない場合、本番サイトでいきなり作業するのは避けたほうが安全です。

まとめ

WordPressのダウングレードは、アップデート後に発生した不具合を一時的に回避するための有効な手段です。特に、プラグインやテーマが最新のWordPressに対応していない場合、以前のバージョンへ戻すことでサイトを復旧できることがあります。

ただし、ワードプレスのダウングレードにはリスクもあります。作業前には必ずファイルとデータベースをバックアップし、どのバージョンに戻すのかを確認したうえで進めましょう。

初心者にはWP Downgradeを使う方法が分かりやすいですが、管理画面に入れない場合は手動作業やバックアップ復元が必要になることもあります。

また、ダウングレードは長期的な解決策ではありません。古いWordPressを使い続けるとセキュリティリスクが高まるため、不具合の原因を特定し、プラグイン・テーマ・PHP環境を整えたうえで、最終的には安全に最新版へ戻すことが大切です。