フリーランス年収400万円の手取りはいくら?税金・社会保険料・生活レベルまで徹底解説

はじめに

フリーランスで年収400万円を稼いだ場合、実際に生活へ使える手取りはいくらになるのでしょうか。

結論からいうと、経費がほとんどかからない仕事や、「年収400万円」を経費控除後の所得として考える場合、手取りは約280万〜320万円が目安です。一方、年収を売上と考え、機材費や外注費などの経費が多い場合は、手元に残る金額が200万円台前半まで下がることもあります。

本記事では、フリーランス年収400万円の手取りを、税金・社会保険料・経費を含めてシミュレーションします。生活レベルや手取りを増やす方法、お金の落とし穴についても解説します。

なお、税額や社会保険料は年度、自治体、年齢、家族構成によって異なります。本記事の金額は、2026年6月時点の制度を基にした概算です。

1. フリーランス年収400万円の手取りは結局いくら?

1-1. 年収400万円の手取り目安は約280万〜320万円

フリーランス年収400万円の手取りは、一般的には約280万〜320万円が目安です。

ただし、この金額は次のようなケースを前提としています。

  • 経費が少ない

  • 独身で扶養家族がいない

  • 40歳未満

  • 青色申告特別控除を利用している

  • 消費税の免税事業者である

  • 「年収400万円」が経費控除後の所得を指している

売上400万円から年間100万円以上の経費を支払っている場合、税金は安くなるものの、経費そのものが現金支出となります。そのため、売上から経費・税金・社会保険料をすべて差し引いた金額は、約220万〜250万円になる可能性があります。

1-2. 月の手取りは約23万〜26万円が目安

年間の手取りが280万〜320万円の場合、月平均では約23万〜26万円です。

ただし、会社員の給料のように毎月一定額が残るわけではありません。フリーランスは、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などを自分で支払います。

売上が入金された時点では多くのお金が口座に残っていても、その全額が自由に使えるお金ではありません。生活費として使える金額を把握するには、売上から経費と納税予定額を先に分けておく必要があります。

1-3. 手取り額は経費・住んでいる自治体・扶養の有無で変わる

フリーランスの手取りを左右する主な要素は、次のとおりです。

  • 必要経費の金額

  • 青色申告特別控除の有無

  • 国民健康保険料の料率

  • 年齢

  • 配偶者や扶養親族の有無

  • 生命保険料控除や医療費控除の有無

  • 小規模企業共済やiDeCoの掛金

  • 消費税の課税事業者かどうか

特に国民健康保険料は、自治体によって計算方法や料率が異なります。同じ所得でも、住んでいる地域によって年間数万円以上の差が生じることがあります。

1-4. 「年収400万円」と「所得400万円」の違いに注意

フリーランスのお金を考えるうえで重要なのが、売上と所得の違いです。

基本的な関係は、次のようになります。

所得=売上-必要経費-青色申告特別控除

例えば、売上400万円、経費100万円、青色申告特別控除65万円の場合、所得は235万円です。

一方、「所得400万円」とは、原則として経費を差し引いた後に400万円が残っている状態です。売上400万円と所得400万円では、税金や社会保険料の計算結果が大きく異なります。

2. フリーランス年収400万円の手取りシミュレーション

2-1. 前提条件:売上400万円・独身・扶養なしの場合

ここでは、次の条件で手取りを試算します。

  • 年間売上:400万円

  • 独身、扶養親族なし

  • 39歳以下

  • 東京都新宿区在住

  • 前年も同程度の所得

  • 青色申告特別控除:65万円

  • 消費税は免税

  • 生命保険料控除などは利用しない

  • 個人事業税は税率5%の法定業種として計算

  • 住民税の調整控除など細かな税額控除は省略

2026年分の所得税では、一定の所得範囲で基礎控除が最高104万円に引き上げられています。新宿区の40歳未満・1人世帯の国民健康保険料は、所得割率の合計が10.58%、均等割額等の合計が6万7,073円です。2026年度の国民年金保険料は月額1万7,920円、年額では21万5,040円となります。国税庁+2新宿区公式ウェブサイト+2

2-2. 経費が少ないケースの手取り

年間経費を30万円として計算すると、概算は次のようになります。

項目金額
売上400万円
必要経費30万円
青色申告特別控除65万円
所得305万円
国民健康保険料約34万4,000円
国民年金保険料約21万5,000円
所得税・復興特別所得税約7万4,000円
住民税約21万1,000円
個人事業税約4万円
最終的な手取り約281万6,000円

月平均の手取りは約23万5,000円です。

経費が少ないエンジニア、ライター、コンサルタントなどであれば、売上400万円でも手取り280万円前後を確保できる可能性があります。ただし、職種によって個人事業税の対象になるかどうかは異なります。

2-3. 経費が多いケースの手取り

年間経費を120万円として計算すると、概算は次のようになります。

項目金額
売上400万円
必要経費120万円
青色申告特別控除65万円
所得215万円
国民健康保険料約24万9,000円
国民年金保険料約21万5,000円
所得税・復興特別所得税約3万3,000円
住民税約13万1,000円
個人事業税0円
最終的な手取り約217万2,000円

月平均の手取りは約18万1,000円です。

経費が増えると税金や国民健康保険料は下がりますが、経費として支払った現金が戻ってくるわけではありません。「経費を増やせば手取りが増える」と考えるのは誤りです。

2-4. 青色申告あり・なしで手取りはどう変わる?

経費30万円のケースで、青色申告特別控除65万円を利用しない場合、概算手取りは約265万5,000円です。

青色申告を利用した場合の約281万6,000円と比べると、年間約16万円の差が生じます。所得税や住民税だけでなく、国民健康保険料の算定に使われる所得も下がることが、差が大きくなる理由です。

2026年分では、正規の簿記による記帳などの要件を満たし、期限内にe-Taxで申告するか、一定の電子帳簿保存を行うことで65万円の青色申告特別控除を受けられます。国税庁

2-5. 会社員の年収400万円とフリーランス年収400万円の手取り比較

会社員の額面年収400万円の手取りは、年齢や加入する健康保険、賞与の配分によりますが、概算で約315万〜325万円です。

フリーランスより手取りが多くなりやすい理由は、会社員には給与所得控除があり、健康保険料と厚生年金保険料の一部を会社が負担しているためです。厚生年金保険料率は18.3%ですが、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。年金機構+1

一方、フリーランスは事業に必要な経費を自分で負担し、国民年金と国民健康保険料も自分で納付します。そのため、同じ「年収400万円」でも、会社員とフリーランスでは使える金額に差が出ます。

3. フリーランス年収400万円にかかる主な税金

3-1. 所得税

所得税は、所得から基礎控除、社会保険料控除、青色申告特別控除などを差し引いた課税所得に対してかかります。

所得税率は課税所得に応じて5〜45%です。課税所得195万円未満の部分には5%、195万円以上330万円未満の部分には10%の税率が適用されます。また、2037年分まで、所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税が加算されます。国税庁

売上400万円でも、必要経費や各種控除を差し引けば課税所得は大きく下がるため、売上全体に5%や10%がかかるわけではありません。

3-2. 住民税

住民税は、原則として前年の所得を基に計算されます。

東京都の場合、所得割は都民税4%と区市町村民税6%を合わせた10%です。これに都民税と区市町村民税の均等割4,000円、森林環境税1,000円が加わります。東京税務署

住民税は所得を得た翌年度に請求されるため、独立1年目より2年目のほうが資金繰りを厳しく感じるケースがあります。

3-3. 個人事業税

個人事業税は、法律で定められた業種に該当する個人事業主に課税される地方税です。

年間290万円の事業主控除があるため、基本的には青色申告特別控除を差し引く前の事業所得が290万円以下であればかかりません。税率は業種によって3〜5%で、多くの業種では5%です。個人事業税では青色申告特別控除を利用できません。東京税務署+1

ライターや一部のクリエイターなど、仕事内容によっては法定業種に該当しないこともあります。

3-4. 消費税

年間売上400万円であれば、基準期間の課税売上高が1,000万円以下である限り、原則として消費税の免税事業者です。

ただし、インボイス発行事業者として登録すると、売上が1,000万円以下でも課税事業者になります。また、基準期間が1,000万円以下でも、前年上半期の課税売上高などが1,000万円を超えると課税事業者になる場合があります。国税庁+1

インボイス制度を機に免税事業者から課税事業者になった人は、一定の条件のもと、2026年分まで売上税額の2割を納税額とする2割特例を利用できます。国税庁+1

3-5. 税金は「売上」ではなく「所得」に対してかかる

所得税、住民税、個人事業税は、基本的に売上そのものではなく、必要経費などを差し引いた所得を基に計算されます。

例えば、売上400万円、経費100万円の場合、税金の出発点になる金額は400万円ではなく300万円です。そこから青色申告特別控除や基礎控除、社会保険料控除などを差し引いて課税所得を求めます。

ただし、必要経費を支払うほど自由に使える現金は減ります。節税額と経費の支出額を混同しないことが重要です。

4. フリーランス年収400万円にかかる社会保険料

4-1. 国民健康保険料

国民健康保険料は、前年の所得、年齢、加入人数、自治体の料率を基に計算されます。

新宿区の2026年度料率では、40歳未満の所得割率は医療分7.51%、支援金分2.80%、子ども・子育て支援金分0.27%です。これに加入者1人当たりの均等割額などが加わります。新宿区公式ウェブサイト

同じ年収400万円でも、自治体や前年所得によって保険料は変わります。正確な金額は居住する自治体の試算ページで確認する必要があります。

4-2. 国民年金保険料

2026年度の国民年金保険料は月額1万7,920円です。1年間では21万5,040円になります。まとめて前納すると割引を受けられる場合があります。年金機構+1

国民年金保険料は所得に比例せず、原則として定額です。そのため、所得が低い時期ほど負担を重く感じやすくなります。

4-3. 介護保険料

40歳から64歳までの国民健康保険加入者には、国民健康保険料と一緒に介護分が加算されます。

新宿区の2026年度では、介護分の所得割率は2.43%、均等割額は年間1万7,800円です。新宿区公式ウェブサイト

40歳になると年間負担が増えるため、39歳までの手取りシミュレーションをそのまま利用しないよう注意しましょう。

4-4. 会社員より社会保険料の負担が重く感じやすい理由

会社員の健康保険料や厚生年金保険料は、基本的に会社と本人が分担します。

フリーランスが加入する国民健康保険と国民年金には、勤務先による負担がありません。口座から自分で納付するため、心理的にも負担を大きく感じやすくなります。

また、国民健康保険料は原則として前年所得に連動します。現在の売上が減っていても、前年の所得が高ければ保険料がすぐには下がらないことがあります。

4-5. 家族構成によって社会保険料はどう変わる?

会社員の健康保険には一定の条件を満たす被扶養者制度がありますが、国民健康保険には同様の仕組みがありません。

国民健康保険では、加入者数に応じて均等割額が増えるのが基本です。例えば新宿区でも、医療分と支援金分の均等割額は加入者数を掛けて計算します。新宿区公式ウェブサイト

配偶者が無収入でも、配偶者自身が国民健康保険と国民年金に加入すれば、その分だけ世帯の負担が増えます。結婚や出産を予定している場合は、本人だけでなく世帯全体で社会保険料を試算することが大切です。

5. フリーランス年収400万円の生活レベル

5-1. 一人暮らしなら生活は可能だが余裕は大きくない

月の手取りが23万〜26万円あれば、一人暮らしは可能です。

ただし、フリーランスには有給休暇や会社負担の退職金がなく、病気や案件終了で収入が減るリスクがあります。会社員と同じ感覚で手取りをすべて使うと、突発的な支出に対応できません。

生活費だけでなく、無収入期間の備えや事業用資金も確保する必要があります。

5-2. 家賃にかけられる目安

フリーランス年収400万円の場合、家賃は月6万〜8万円程度が現実的です。

一般的な家賃の目安として手取りの3分の1が使われますが、収入が不安定なフリーランスは、手取りの25%程度に抑えるほうが安全です。

月の手取りが23万5,000円なら、家賃6万円は約26%、7万円は約30%です。家賃が10万円になると、売上が減った月の負担が大きくなります。

5-3. 食費・通信費・光熱費など生活費の目安

月の手取り23万5,000円を想定した生活費の一例は、次のとおりです。

項目月額目安
家賃7万円
食費4万円
水道光熱費1万2,000円
通信費8,000円
日用品・交通費1万5,000円
医療・交際・娯楽費2万円
貯金・事業予備費3万円
合計19万5,000円

この場合、約4万円が残ります。ただし、家電の買い替え、引っ越し、冠婚葬祭などがあれば、余裕はすぐになくなります。

5-4. 貯金・投資に回せる金額の目安

年収400万円のフリーランスが無理なく貯金や投資に回せる金額は、月2万〜5万円程度が目安です。

ただし、最初から全額を投資へ回すのは避けましょう。まずは生活防衛資金と納税資金を現金で確保し、その後に余剰資金で積立投資を行うほうが安全です。

国民年金、税金、国民健康保険料の支払いに備えたお金は、投資資金と分けて管理する必要があります。

5-5. 結婚・子育てを考える場合の注意点

年収400万円のフリーランスが1人の収入だけで配偶者や子どもを養う場合、生活に大きな余裕があるとはいえません。

国民健康保険では加入者が増えるほど保険料が上がりやすく、住居費、食費、教育費も増加します。産休や育休による所得補償も、会社員と同じ条件では受けられません。

結婚や子育てを考える場合は、配偶者の収入、自治体の子育て支援、民間保険、半年から1年分の生活防衛資金まで含めて計画しましょう。

6. 年収400万円フリーランスが手取りを増やす方法

6-1. 経費を正しく計上する

事業のために必要な支出は、漏れなく経費に計上しましょう。

フリーランスで経費になりやすいものには、次のような支出があります。

  • パソコンや周辺機器

  • 業務用ソフトやクラウドサービス

  • 通信費

  • 書籍や研修費

  • 打ち合わせの交通費

  • コワーキングスペース代

  • 外注費

  • 自宅兼事務所の家賃や光熱費の事業使用分

ただし、節税目的で不要なものを買うのは逆効果です。1万円を経費にしても、税金が1万円減るわけではありません。

6-2. 青色申告特別控除を活用する

年収400万円のフリーランスにとって、青色申告特別控除は効果の大きい制度です。

2026年分では、一定の要件を満たすことで最大65万円を所得から控除できます。複式簿記による記帳と期限内申告に加え、e-Taxまたは一定の電子帳簿保存が必要です。国税庁

控除を受けるには、原則として事前に青色申告承認申請書を提出しなければなりません。

6-3. 小規模企業共済を活用する

小規模企業共済は、個人事業主などが将来の廃業や退職に備えて積み立てる制度です。

掛金は月額1,000円から7万円まで500円単位で設定でき、支払った全額が所得控除の対象になります。共済サポート navi+1

ただし、掛金は必要経費ではありません。また、節税できても毎月使える現金は減ります。資金繰りを圧迫しない金額から始めることが大切です。

6-4. iDeCoを活用する

自営業者など国民年金の第1号被保険者は、iDeCoの掛金を原則として月額5,000円から6万8,000円まで設定できます。掛金は全額所得控除になります。iDeCo公式サイト

老後資金を準備しながら税負担を抑えられるのがメリットです。一方、原則として一定年齢まで引き出せないため、生活防衛資金や納税資金を確保したうえで利用しましょう。

6-5. ふるさと納税を活用する

ふるさと納税では、上限額の範囲内であれば、寄附額から2,000円を差し引いた金額が所得税と翌年度の住民税から控除されます。国税庁+1

ただし、ふるさと納税は税金そのものを大きく減らす制度ではなく、税金の支払先を変更して返礼品を受け取る仕組みに近いものです。

フリーランスは通常、確定申告を行うため、ワンストップ特例を申請していても確定申告書に寄附内容を記載する必要があります。

6-6. 単価アップ・継続案件で売上を増やす

手取りを増やす最も根本的な方法は、節税だけでなく売上と利益を増やすことです。

特に効果が高いのは、次のような取り組みです。

  • 既存顧客に単価交渉をする

  • 高単価分野のスキルを習得する

  • 継続契約や月額契約を増やす

  • 紹介や直接契約を増やす

  • 作業時間の短い高利益案件へ移行する

  • 実績を整理して営業力を高める

年間売上を400万円から500万円へ増やせれば、税負担が増えても、通常は手取りも増えます。

7. フリーランス年収400万円で注意すべきお金の落とし穴

7-1. 税金・保険料の支払い時期を忘れやすい

フリーランスは、所得税、住民税、個人事業税、国民健康保険料などを異なる時期に支払います。

特に住民税は前年所得に基づき、普通徴収では通常、年4回に分けて納付します。東京税務署

納付書が届いてから慌てないよう、年間の納税予定表を作成しておきましょう。

7-2. 売上をすべて使うと納税資金が足りなくなる

売上400万円が入金されても、その全額が手取りではありません。

経費の少ないフリーランスであっても、税金と社会保険料を合わせて年間80万〜100万円前後になる可能性があります。売上が入金されるたびに、25%程度を納税・社会保険料用の口座へ移す方法が有効です。

インボイス登録をしている場合は、消費税分も別に確保しましょう。

7-3. 収入が不安定だと生活費の固定費が重荷になる

フリーランスは、案件終了や取引先の都合によって売上が急減する可能性があります。

高い家賃、自動車ローン、分割払い、毎月固定のサブスクリプションなどが多いと、売上が減った際に生活が苦しくなります。

固定費は好調な月ではなく、売上が少ない月を基準に決めることが大切です。

7-4. 経費にできるもの・できないものを混同しやすい

経費にできるのは、原則として事業との関係を合理的に説明できる支出です。

私生活だけに使った飲食費、衣服代、家族旅行代などは、通常は経費になりません。自宅の家賃や通信費のように仕事と私生活の両方で使う支出は、事業使用割合に応じて家事按分します。

領収書があるだけで経費になるわけではありません。支出の目的、取引先、参加者なども記録しておきましょう。

7-5. インボイス制度による手取り減少に注意

売上400万円のフリーランスでも、取引先の要請でインボイス発行事業者に登録すると、消費税の納税が必要になります。

例えば、売上400万円がすべて消費税10%の税込売上で、2割特例を利用する場合、概算納税額は約7万3,000円です。

2割特例は2026年分までが基本となるため、その後の負担増も見込んで料金設定や取引条件を見直す必要があります。国税庁+1

8. フリーランス年収400万円を目指す人が知っておくべきこと

8-1. 年収400万円に必要な月商の目安

年間売上400万円に必要な平均月商は約33万3,000円です。

ただし、毎月必ず働けるとは限りません。病気、休暇、営業期間などを考えると、月商35万〜40万円を目標にするほうが現実的です。

8-2. 仕事がない期間を考慮した売上計画

年間2か月を営業、休暇、案件の空白期間として見込む場合、残り10か月で400万円を稼ぐ必要があります。

この場合、必要な月商は40万円です。

請求から入金まで1〜2か月かかる取引もあるため、売上だけでなく入金予定日を含めた資金繰り表を作りましょう。

8-3. 必要な貯金額の目安

独立時には、最低でも生活費6か月分を確保しておきたいところです。

毎月の生活費が20万円なら、生活防衛資金だけで120万円必要です。さらに開業費、納税資金、事業用機材の購入費を考えると、150万〜200万円程度あると安心です。

扶養家族がいる場合や、案件が季節によって変動する場合は、1年分の生活費を目標にしてもよいでしょう。

8-4. 案件単価と稼働日数から逆算する方法

売上目標は、次の式で逆算できます。

案件単価または日単価×稼働数×稼働月数=年間売上

例えば、日単価3万円で月12日、年間11か月働く場合は、次のようになります。

3万円×12日×11か月=396万円

年収400万円に近い売上を達成できます。単価が低い場合は稼働日数が増え、営業やスキルアップに使える時間が減る点に注意が必要です。

8-5. 年収400万円からさらに収入を伸ばす考え方

年収400万円を超えて収入を伸ばすには、労働時間だけを増やす方法には限界があります。

次の段階では、単価と継続性を高めることが重要です。

  • 得意分野を絞って専門性を高める

  • 顧客の売上やコスト削減に直結するサービスを提供する

  • 単発案件を継続契約へ切り替える

  • 作業をテンプレート化する

  • 外注やツールを活用する

  • 教材やデジタル商品など、労働時間に比例しない売上を作る

売上だけでなく、経費を差し引いた利益率も確認しましょう。

9. フリーランス年収400万円に関するよくある質問

9-1. フリーランス年収400万円は低い?

一人暮らしであれば生活できる水準ですが、経費が多い場合や扶養家族がいる場合は、余裕が大きいとはいえません。

売上400万円でも、経費が150万円なら事業の利益は250万円です。一方、経費がほとんどなければ、生活に使える金額は300万円前後まで残る可能性があります。

年収の金額だけでなく、利益率、労働時間、継続案件の割合、将来性を含めて判断する必要があります。

9-2. フリーランス年収400万円で住宅ローンは組める?

年収400万円のフリーランスでも、住宅ローンを組める可能性はあります。

ただし、金融機関は売上ではなく、確定申告書に記載された所得や納税状況、事業年数などを重視します。フラット35では、給与所得者以外の場合、原則として前年と前々年の公的収入証明書、納税証明書、確定申告書の写しなどが必要です。フラット35

節税のために所得を過度に下げると、住宅ローンの審査では不利になる可能性があります。

9-3. 年収400万円でも確定申告は必要?

フリーランスとして計算した所得から各種所得控除を差し引き、所得税額が残る場合は、原則として確定申告が必要です。国税庁

年収400万円の専業フリーランスであれば、通常は確定申告が必要になると考えてよいでしょう。

源泉徴収された報酬がある場合、確定申告によって税金が還付されることもあります。

9-4. 経費はいくらまで使っていい?

経費に一律の上限はありません。

事業に必要で、金額が合理的であり、領収書や請求書などの証拠を保存していれば、所得に対して経費の割合が高くても直ちに問題になるわけではありません。

ただし、売上400万円に対して毎年390万円の経費を計上しているような場合は、事業としての継続性や支出の内容を説明できるようにしておく必要があります。

9-5. 年収400万円なら法人化したほうがいい?

年収400万円という理由だけで法人化する必要はありません。

法人化すると、赤字でも法人住民税の均等割が発生し、会計や申告の費用も増えます。原則として社会保険への加入も必要です。

法人化は、売上ではなく、経費控除後の利益、今後の成長計画、取引先からの信用、役員報酬、家族への給与、社会保険料などを総合的に比較して判断します。

9-6. 手取りを正確に知るにはどうすればいい?

正確な手取りは、次の順番で計算します。

  1. 売上から必要経費を差し引く

  2. 青色申告特別控除を差し引く

  3. 国民健康保険料を自治体の料率で計算する

  4. 国民年金保険料を加える

  5. 基礎控除や社会保険料控除などを反映する

  6. 所得税、住民税、個人事業税を計算する

  7. 課税事業者の場合は消費税を加える

国税庁の確定申告書等作成コーナーと、居住する自治体の国民健康保険料試算ページを利用すると、概算精度を高められます。複数の所得や扶養家族、住宅ローン控除などがある場合は、税理士や自治体の相談窓口へ確認するのが確実です。

まとめ

フリーランス年収400万円の手取りは、経費が少なく青色申告を利用している場合、約280万〜320万円が目安です。月平均では約23万〜26万円になります。

ただし、「年収400万円」が売上を指し、年間100万円以上の経費がかかる場合は、経費・税金・社会保険料を差し引いた手取りが約220万円前後になることもあります。

手取りを増やすには、経費を正しく計上し、青色申告特別控除、小規模企業共済、iDeCoなどを適切に活用することが重要です。ただし、節税だけでは大幅な収入増にはつながりません。

税金や社会保険料の支払いに備えて売上の25%程度を別口座へ確保しながら、単価アップと継続案件の獲得によって利益を増やしていくことが、安定したフリーランス生活への近道です。