フリーランスの源泉徴収とは?対象報酬・税率・請求書の書き方・確定申告までやさしく解説
はじめに
フリーランスとして仕事をしていると、請求書を作るときや入金額を確認するときに「源泉徴収」という言葉に出会います。たとえば、請求額は11万円なのに実際の振込額が9万9,790円になっている、クライアントから「源泉徴収税額を入れて請求書を出してください」と言われる、といったケースです。
源泉徴収は、フリーランスにとって「報酬が減らされる仕組み」ではありません。所得税の一部を、報酬の支払い時点で先に納めてもらう仕組みです。年末や確定申告のときに正しく精算されるため、しくみを理解しておけば過度に不安になる必要はありません。
ただし、すべてのフリーランス報酬が源泉徴収の対象になるわけではありません。ライティング、講演、デザイン、士業報酬など対象になりやすい報酬がある一方で、Web制作やエンジニア報酬などは内容によって判断が分かれることがあります。また、消費税やインボイス制度、支払調書、確定申告との関係も混同しやすいポイントです。
この記事では、「フリーランス 源泉徴収」で悩む方に向けて、源泉徴収の基本、対象報酬、税率、請求書の書き方、確定申告での扱いまでをやさしく整理します。
1. フリーランスの源泉徴収とは?まず押さえる基本
1-1. 源泉徴収は「報酬から所得税を先に差し引く仕組み」
源泉徴収とは、報酬を支払う側が、支払時に所得税および復興特別所得税を差し引き、フリーランス本人に代わって国へ納付する仕組みです。国税庁も、源泉徴収制度を「所得の支払者が、支払の際に所定の方法で所得税額を計算し、支払金額から差し引いて国に納付する制度」と説明しています。
たとえば、フリーランスのライターが法人クライアントに原稿料10万円を請求する場合、源泉徴収の対象であれば、10万円のうち10.21%にあたる1万210円が差し引かれます。この1万210円はクライアントが預かり、後日税務署へ納付します。
つまり、源泉徴収は「報酬を値引きされること」ではなく、「所得税の前払い」です。最終的な税額は、1年間の売上、経費、所得控除などをもとに確定申告で計算します。
1-2. フリーランス側は「引かれる側」、発注者側は「納める側」
フリーランスの源泉徴収では、基本的にフリーランス本人は「源泉徴収される側」です。報酬を受け取るときに、源泉徴収税額を差し引かれた金額が入金されます。
一方、発注者は「源泉徴収して納める側」です。源泉徴収の対象になる報酬を支払う場合、発注者は報酬から所得税等を差し引き、その税金を国へ納めます。居住者である個人に対して国内で源泉徴収対象の報酬・料金を支払う者は、原則として支払時に所得税および復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
フリーランス側が注意したいのは、「源泉徴収するかどうかを最終的に処理するのは発注者側」という点です。請求書に源泉徴収税額を記載することはありますが、税務署に納付するのは発注者です。
1-3. 源泉徴収された税金は確定申告で精算する
源泉徴収された税金は、確定申告で精算します。フリーランスは、1年間の売上から必要経費を差し引き、所得控除などを反映して最終的な所得税額を計算します。
そのうえで、すでに源泉徴収されている金額があれば、最終的な所得税額から差し引きます。源泉徴収税額が実際の所得税額より多ければ還付され、不足していれば追加で納付します。
たとえば、年間の源泉徴収税額が20万円で、確定申告によって計算した最終的な所得税額が12万円だった場合、差額の8万円は還付対象になります。反対に、最終税額が30万円で源泉徴収税額が20万円なら、差額の10万円を納付します。
1-4. 源泉徴収と年末調整・住民税・消費税の違い
源泉徴収と混同しやすいものに、年末調整、住民税、消費税があります。
年末調整は、主に会社員など給与所得者について、勤務先が1年間の所得税を精算する手続きです。フリーランスの事業所得については、原則として自分で確定申告を行って精算します。
住民税は、前年の所得をもとに自治体が計算する地方税です。所得税の源泉徴収とは別の税金であり、フリーランスの場合は確定申告後に自治体から納付書が届く、または口座振替などで支払うのが一般的です。
消費税は、商品やサービスの提供に対して課される税金です。源泉徴収は所得税の前払いであり、消費税とはまったく別のものです。請求書では「消費税」と「源泉徴収税額」を分けて考える必要があります。
2. フリーランスで源泉徴収の対象になる人・ならない人
2-1. 個人のフリーランス・個人事業主は対象になる可能性がある
源泉徴収の対象になりやすいのは、個人として報酬を受け取るフリーランスや個人事業主です。ライター、デザイナー、イラストレーター、講師、カメラマン、士業など、個人に対して一定の報酬を支払う場合、発注者が源泉徴収を行うケースがあります。
ただし、「個人事業主だから必ず源泉徴収される」というわけではありません。源泉徴収が必要かどうかは、主に次の3点で判断します。
・報酬を受け取る人が個人か法人か
・報酬の内容が源泉徴収対象に該当するか
・支払者が源泉徴収義務者か
この3つがそろうと、源泉徴収が必要になる可能性が高くなります。
2-2. 法人化している場合は原則として扱いが異なる
フリーランスが法人化し、株式会社や合同会社として報酬を受け取る場合、個人として報酬を受け取る場合とは扱いが異なります。
国税庁の説明では、居住者である個人に支払う報酬・料金等と、内国法人に支払う報酬・料金等では、源泉徴収の対象範囲が異なります。内国法人に対する報酬・料金等については、主に馬主である法人に支払う競馬の賞金が対象として示されています。
そのため、個人のライターやデザイナーには源泉徴収が必要な報酬でも、法人宛ての業務委託費として支払う場合は源泉徴収されないことが多くあります。ただし、法人化していても契約名義や請求書の名義が個人のままになっていると、取引先が個人報酬として扱う可能性があります。契約書、請求書、振込先名義を法人名義にそろえることが大切です。
2-3. 副業フリーランスも対象報酬なら源泉徴収される
会社員が副業でライティングやデザイン、講演などを行う場合でも、その報酬が源泉徴収の対象であれば源泉徴収されます。
「本業で会社員として給与から源泉徴収されているから、副業報酬では源泉徴収されない」というわけではありません。給与の源泉徴収と、副業の報酬・料金に対する源泉徴収は別のものです。
たとえば、会社員が副業で企業のオウンドメディア記事を執筆し、原稿料を受け取る場合、その原稿料は源泉徴収の対象になり得ます。報酬を支払う会社が源泉徴収義務者であれば、報酬から源泉徴収税額を差し引いて支払うのが一般的です。
2-4. 発注者が源泉徴収義務者かどうかも確認が必要
源泉徴収は、報酬内容だけで決まるわけではありません。発注者が源泉徴収義務者に該当するかどうかも重要です。
会社や団体、給与を支払っている個人事業主などは、源泉徴収義務者に該当することが多いです。一方で、個人が給与の支払者でない場合などは、一定の報酬を支払っても源泉徴収をする必要がないケースがあります。国税庁は、給与所得について源泉徴収義務を有する個人以外の個人が支払う弁護士報酬などについては、源泉徴収の必要がないと説明しています。
そのため、同じイラスト制作でも、企業から依頼された場合は源泉徴収あり、一般個人から個人的に依頼された場合は源泉徴収なし、という違いが生じることがあります。
2-5. 個人から仕事を受けた場合に源泉徴収されないケース
一般の個人から仕事を受けた場合、源泉徴収されないケースが多くあります。たとえば、個人の依頼者から似顔絵、写真撮影、文章作成、相談業務などを受けた場合です。
ただし、個人でも事業をしていて従業員や青色専従者に給与を支払っている場合は、源泉徴収義務者に該当することがあります。発注者が個人だから必ず源泉徴収不要、法人だから必ず源泉徴収あり、と単純には言い切れません。
フリーランス側としては、請求前に「源泉徴収の要否はどのように処理されますか」と確認しておくと安心です。
3. 源泉徴収の対象になる報酬・ならない報酬
3-1. 原稿料・ライティング報酬
原稿料や講演料は、源泉徴収の対象として代表的な報酬です。国税庁は、居住者である作家に原稿料を支払うときや、大学教授などに講演料を支払うときは、報酬・料金等として所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければならないとしています。
フリーランスのWebライター、コピーライター、編集者などが受け取る原稿料は、源泉徴収の対象になることが多いです。記事制作、コラム執筆、取材記事、広告コピー、メルマガ原稿なども、実態が原稿料に当たる場合は源泉徴収される可能性があります。
注意したいのは、名目よりも実態が重視される点です。「業務委託費」「制作費」「編集協力費」といった名目でも、中身が原稿執筆の対価であれば源泉徴収対象として扱われることがあります。
3-2. デザイン料・イラスト料・写真撮影料
デザイン料やイラスト料も、源泉徴収の対象になりやすい報酬です。国税庁の原稿料・講演料等に関するページでも、関連する質疑応答事例として「コピーライター、イラストレーター及びレタリングライターへの報酬」が挙げられています。
たとえば、広告デザイン、パッケージデザイン、チラシ制作、挿絵、イラスト、ロゴ制作などは、源泉徴収の対象として処理されることがあります。
写真撮影料は、使用目的によって判断が分かれることがあります。印刷物や広告掲載のための写真などは対象になりやすい一方、単なる記録撮影やWeb掲載のみの写真などは、実務上判断が分かれることがあります。契約書や発注書で「何の対価なのか」を明確にしておくことが大切です。
3-3. 講演料・セミナー登壇料・監修料
講演料やセミナー登壇料は、源泉徴収の対象になる代表例です。大学教授、専門家、著者、インフルエンサー、コンサルタントなどが登壇し、その対価として報酬を受け取る場合、発注者は源泉徴収を行うことがあります。
監修料も、内容によっては源泉徴収対象になることがあります。たとえば、書籍、記事、教材、動画コンテンツなどの専門監修を行い、その対価を受け取る場合です。
ただし、単なる業務委託の顧問料やコンサルティング報酬がすべて源泉徴収対象になるわけではありません。講演、原稿、著作物、専門的な監修など、所得税法上の対象報酬に該当するかを確認する必要があります。
3-4. 士業への報酬
弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、社会保険労務士など、一定の資格を持つ士業への報酬は、源泉徴収の対象になることがあります。国税庁は、弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金を、源泉徴収の対象範囲として示しています。
ただし、士業報酬の中でも計算方法が異なるものがあります。たとえば司法書士等に支払う報酬では、同一人に対し1回に支払われる金額から1万円を差し引いた残額に10.21%を乗じる計算方法が示されています。
士業報酬は一般の原稿料や講演料と計算方法が異なる場合があるため、発注者側は特に注意が必要です。
3-5. 芸能・モデル・スポーツ関連の報酬
芸能、モデル、スポーツ関連の報酬も、源泉徴収の対象になることがあります。国税庁は、プロ野球選手、プロサッカー選手、プロテニス選手、モデル、外交員などに支払う報酬・料金や、映画・演劇・音楽・テレビ放送等の出演報酬などを対象範囲として挙げています。
フリーランスのモデル、タレント、俳優、ナレーター、司会者、演奏者、ダンサー、スポーツ選手などは、報酬の内容によって源泉徴収されることがあります。
この分野では、出演料、契約金、肖像利用料、広告出演料など名目がさまざまです。名目だけで判断せず、実際にどのような役務提供の対価なのかを確認しましょう。
3-6. Web制作・エンジニア・コンサル報酬は対象になる?
Web制作、エンジニア、コンサルティングの報酬は、フリーランスの源泉徴収で特に迷いやすい分野です。
まず、プログラミング、システム開発、サーバー構築、保守運用などのエンジニア業務は、一般的な原稿料や講演料とは異なり、源泉徴収の対象として明示されていないことが多いため、源泉徴収なしで処理されるケースが多くあります。
一方で、Web制作の中にデザイン、イラスト、コピーライティング、記事制作、写真撮影、監修、講演などが含まれる場合、その部分は源泉徴収対象として扱われる可能性があります。
コンサルティング報酬も同様です。月額顧問料や業務改善支援料が直ちに源泉徴収対象になるとは限りませんが、セミナー登壇料、講演料、原稿執筆料、監修料として支払われる場合は源泉徴収対象になることがあります。
3-7. 交通費・宿泊費・材料費は源泉徴収の対象になる?
交通費、宿泊費、材料費などを報酬と一緒に請求する場合、源泉徴収の対象に含めるかどうかで迷うことがあります。
原則として、旅費や宿泊費などの支払いも報酬・料金等に含まれることがあります。ただし、通常必要な範囲の金額で、支払者が交通機関、ホテル、旅行会社などへ直接支払った場合は、報酬・料金等に含めなくてもよいとされています。
たとえば、フリーランスが立て替えた交通費を請求書に含める場合は源泉徴収対象に含める処理になりやすい一方、発注者が新幹線代やホテル代を直接手配・支払いしている場合は、報酬とは別に扱いやすくなります。
材料費についても、単なる立替なのか、制作報酬の一部なのかで判断が変わります。請求書上で「報酬」「交通費」「材料費」を分けて記載し、実態が分かるようにしておくことが重要です。
3-8. 名目ではなく実態で判断する点に注意
源泉徴収の判断で大切なのは、請求書上の名目ではなく実態です。
国税庁も、謝金、取材費、調査費、車代などの名目で支払う場合でも、実態が原稿料や講演料と同じであれば源泉徴収の対象になるとしています。
たとえば、請求書に「制作協力費」と書いていても、実際には記事執筆の対価であれば原稿料として源泉徴収される可能性があります。反対に、「デザイン費」と書いていても、中身がシステム設定や保守作業だけであれば、源泉徴収対象ではない可能性があります。
判断に迷う場合は、発注者の経理担当者や税理士に確認し、契約書や請求書に業務内容を具体的に記載しておくと安心です。
4. フリーランスの源泉徴収税率と計算方法
4-1. 基本税率は10.21%
フリーランスの報酬・料金に対する源泉徴収税率は、多くの場合10.21%です。これは、所得税10%に復興特別所得税分を加えた税率です。
たとえば、源泉徴収対象となる報酬が10万円の場合、計算は次のようになります。
100,000円 × 10.21% = 10,210円
この場合、源泉徴収税額は1万210円です。消費税を別に請求している場合は、源泉徴収を税込金額にかけるのか、税抜金額にかけるのかを確認する必要があります。
4-2. 1回の支払額が100万円を超える場合の計算方法
1回の支払金額が100万円を超える場合は、100万円以下の部分と100万円を超える部分で税率が変わります。
原稿料や講演料等については、支払金額が100万円以下なら「A × 10.21%」、100万円を超える場合は「(A − 100万円)× 20.42% + 102,100円」とされています。また、1円未満の端数は切り捨てます。
たとえば、源泉徴収対象額が150万円の場合は、次のように計算します。
(1,500,000円 − 1,000,000円)× 20.42% + 102,100円
= 500,000円 × 20.42% + 102,100円
= 102,100円 + 102,100円
= 204,200円
この場合、源泉徴収税額は20万4,200円です。
4-3. 源泉徴収額の計算例
報酬10万円、消費税1万円、源泉徴収は税抜報酬額を対象にするケースで考えてみましょう。
報酬額:100,000円
消費税:10,000円
税込請求額:110,000円
源泉徴収税額:100,000円 × 10.21% = 10,210円
差引支払額:110,000円 − 10,210円 = 99,790円
この場合、請求書上の合計額は11万円ですが、実際に振り込まれる金額は9万9,790円になります。
次に、報酬額が30万円、消費税3万円の場合です。
報酬額:300,000円
消費税:30,000円
税込請求額:330,000円
源泉徴収税額:300,000円 × 10.21% = 30,630円
差引支払額:330,000円 − 30,630円 = 299,370円
このように、消費税を別で請求していても、源泉徴収税額が差し引かれるため、振込額は税込請求額より少なくなります。
4-4. 手取り額から逆算する方法
「手取りで10万円ほしい」という契約をする場合、源泉徴収を考慮して請求額を逆算することがあります。
消費税を考慮せず、源泉徴収税率10.21%だけで考える場合、手取り額は次の式で求められます。
手取り額 = 報酬額 × 89.79%
そのため、手取り10万円にしたい場合は、次のように逆算します。
100,000円 ÷ 0.8979 = 約111,371円
ただし、実務では消費税の有無、税抜・税込表示、契約上の報酬額、端数処理によって金額が変わります。「手取り保証」の契約は計算が複雑になりやすいため、事前に発注者と認識を合わせておきましょう。
4-5. 1円未満の端数処理
源泉徴収税額を計算した結果、1円未満の端数が出た場合は切り捨てます。たとえば、報酬額が33,333円の場合、計算は次のようになります。
33,333円 × 10.21% = 3,403.2993円
1円未満を切り捨てるため、源泉徴収税額は3,403円です。
請求書作成ソフトや会計ソフトを使う場合でも、端数処理の設定が異なると金額が1円ずれることがあります。クライアントの計算結果と異なる場合は、端数処理の方法を確認しましょう。
4-6. 源泉徴収額を計算するときの注意点
源泉徴収額を計算するときは、次の点に注意しましょう。
まず、報酬が源泉徴収対象かどうかを確認します。対象外の報酬にまで源泉徴収を入れると、請求書や会計処理が不自然になります。
次に、源泉徴収の計算対象が税込金額か税抜金額かを確認します。請求書で報酬額と消費税額を明確に分けていれば、税抜報酬額を源泉徴収対象にできる場合があります。
また、1回の支払額が100万円を超える場合は、10.21%だけで単純計算しないようにしましょう。100万円を超える部分には20.42%を使う計算が必要です。
5. 消費税・インボイス制度と源泉徴収の関係
5-1. 源泉徴収は税込金額・税抜金額のどちらで計算する?
源泉徴収の計算対象は、原則として消費税を含めた金額です。ただし、請求書等で報酬・料金の額と消費税額が明確に区分されている場合は、消費税を除いた報酬・料金の額だけを源泉徴収の対象としてもよいとされています。
たとえば、請求書に「税理士報酬110,000円」とだけ記載されている場合は、110,000円に10.21%をかけて源泉徴収税額を計算します。一方、「報酬100,000円、消費税10,000円」と明確に分けて記載していれば、100,000円に10.21%をかけて計算できます。
フリーランスの請求書では、報酬額、消費税額、源泉徴収税額を分けて書くのがおすすめです。
5-2. 請求書で消費税額を明確に分ける重要性
請求書で消費税額を明確に分けておくと、源泉徴収税額の計算ミスを防ぎやすくなります。
たとえば、次のように書くと分かりやすいです。
報酬額:100,000円
消費税:10,000円
小計:110,000円
源泉徴収税額:−10,210円
差引請求額:99,790円
このように、消費税と源泉徴収税額を別の行に分けることで、発注者側も処理しやすくなります。
逆に、「請求額110,000円」とだけ書くと、税込金額なのか税抜金額なのか分かりにくく、源泉徴収税額の計算対象がずれる原因になります。
5-3. インボイス登録事業者の場合の請求書の考え方
インボイス登録事業者の場合は、適格請求書の記載事項も満たす必要があります。適格請求書には、発行事業者の氏名または名称および登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の額および適用税率、税率ごとの消費税額、書類の交付を受ける事業者の氏名または名称などを記載します。
ただし、インボイス制度と源泉徴収は別の制度です。インボイス登録事業者であっても、報酬が源泉徴収対象であれば源泉徴収されます。反対に、インボイス登録していない免税事業者でも、源泉徴収対象の報酬を受け取る場合は源泉徴収されることがあります。
インボイス対応の請求書を作る場合も、「消費税」と「源泉徴収税額」は分けて記載しましょう。
5-4. 免税事業者でも源泉徴収される?
免税事業者でも、源泉徴収対象の報酬を受け取る場合は源泉徴収されます。
消費税の課税事業者か免税事業者かは、消費税の納税義務に関する話です。一方、源泉徴収は所得税および復興特別所得税の前払いに関する話です。そのため、免税事業者であっても、個人のフリーランスとして原稿料や講演料、デザイン料などを受け取る場合、源泉徴収されることがあります。
「免税事業者だから源泉徴収なし」とは考えないようにしましょう。
5-5. 消費税と源泉所得税を混同しないためのポイント
消費税と源泉所得税を混同しないためには、請求書上で次の4つを分けて考えることが大切です。
報酬額は、仕事そのものの対価です。消費税は、報酬に対して上乗せされる税金です。源泉徴収税額は、報酬から差し引かれる所得税等の前払いです。差引支払額は、実際に振り込まれる金額です。
この4つを整理すると、請求書の見方が一気に分かりやすくなります。
6. 源泉徴収がある場合の請求書の書き方
6-1. 請求書に記載すべき基本項目
フリーランスの請求書には、一般的に次の項目を記載します。
・請求書の発行日
・請求書番号
・宛先
・自分の氏名または屋号
・住所、連絡先
・登録番号
・取引内容
・報酬額
・消費税額
・源泉徴収税額
・差引支払額
・振込先
・支払期限
インボイス登録事業者の場合は、登録番号や税率ごとの消費税額など、適格請求書に必要な事項も記載します。
源泉徴収がある場合は、単に合計請求額だけを書くのではなく、「源泉徴収税額」と「差引支払額」を明記すると親切です。
6-2. 報酬額・消費税・源泉徴収税額・差引支払額の書き方
源泉徴収ありの請求書では、次の順番で書くと分かりやすくなります。
まず、税抜の報酬額を書きます。次に消費税額を記載し、税込小計を出します。その後、源泉徴収税額をマイナスで記載し、最後に差引支払額を書きます。
例として、報酬10万円、消費税10%、源泉徴収税率10.21%の場合は次のようになります。
報酬額:100,000円
消費税:10,000円
税込小計:110,000円
源泉徴収税額:−10,210円
差引支払額:99,790円
この形式であれば、フリーランス側も発注者側も、どの金額をもとに計算したのか確認しやすくなります。
6-3. 源泉徴収ありの請求書記載例
源泉徴収ありの請求書は、次のような記載にすると分かりやすいです。
請求内容:記事制作費
数量:1式
報酬額:100,000円
消費税(10%):10,000円
小計:110,000円
源泉徴収税額(100,000円 × 10.21%):−10,210円
ご請求金額:99,790円
ポイントは、源泉徴収税額の計算対象を明記することです。「100,000円 × 10.21%」と書いておけば、税抜金額をもとに計算していることが分かります。
クライアントによっては、請求書上の表記ルールを指定してくることもあります。その場合は、発注者の経理処理に合わせて調整しましょう。
6-4. 源泉徴収なしの請求書記載例
源泉徴収がない場合は、源泉徴収税額の行を入れずに記載します。
請求内容:システム保守費
数量:1式
報酬額:100,000円
消費税(10%):10,000円
ご請求金額:110,000円
源泉徴収が不要な報酬であれば、差引せずに税込金額を請求します。
ただし、発注者側が源泉徴収すると判断している場合、請求書に源泉徴収税額を入れてほしいと言われることがあります。自分では対象外だと思っていても、取引先の判断と異なる場合は、業務内容を確認しながらすり合わせましょう。
6-5. 発注者に確認すべき項目
請求書を発行する前に、次の項目を発注者へ確認しておくとトラブルを防げます。
・源泉徴収の有無
・源泉徴収の計算対象が税抜か税込か
・消費税を請求してよいか
・インボイス登録番号の記載が必要か
・交通費や材料費の扱い
・支払調書を発行する予定があるか
・請求書の宛名、支払期限、振込先表記
特に初回取引では、源泉徴収の扱いが不明確なまま請求書を出すと、差し戻しや再発行の原因になります。事前確認をしておくとスムーズです。
6-6. 請求書でよくあるミス
フリーランスの源泉徴収に関する請求書でよくあるミスは、次のようなものです。
まず、源泉徴収税額を消費税にもかけてしまうミスです。消費税額を明確に区分している場合は、税抜報酬額をもとに計算できます。
次に、源泉徴収税額を差し引いた後に消費税を計算してしまうミスです。基本的には、報酬額に消費税を加算し、その後に源泉徴収税額を差し引きます。
また、源泉徴収税額を「消費税」と同じように扱ってしまうミスもあります。源泉徴収税額は預けた所得税であり、売上から値引きしたものではありません。会計処理上も正しく分ける必要があります。
7. 源泉徴収されたフリーランスの確定申告
7-1. 源泉徴収された金額は確定申告書に記入する
フリーランスが源泉徴収された場合、その金額は確定申告書に記入します。源泉徴収税額を記入しないと、すでに前払いした税金が反映されず、本来より多く税金を納めることになってしまいます。
確定申告では、売上、経費、所得控除などを入力したうえで、源泉徴収税額を反映します。会計ソフトを使っている場合は、取引入力の段階で「源泉徴収税額」を別項目として登録できることが多いです。
年間を通じて複数の取引先から源泉徴収されている場合は、取引先ごとに金額を整理しておきましょう。
7-2. 源泉徴収税額は所得税の前払いとして扱う
源泉徴収税額は、所得税の前払いです。売上が減ったわけではありません。
たとえば、報酬10万円、源泉徴収1万210円、入金8万9,790円だった場合でも、売上は10万円です。入金額だけを売上にしてしまうと、売上を過少に記録してしまいます。
会計処理では、売上10万円を計上し、源泉徴収税額1万210円を「事業主貸」や「仮払税金」などの科目で処理する方法があります。会計ソフトによって科目名や入力方法が異なるため、ソフトの仕様に合わせて登録しましょう。
7-3. 税金を払いすぎていれば還付される
源泉徴収された金額が、最終的な所得税額より多ければ、確定申告によって還付を受けられます。国税庁も、源泉徴収された所得税額などが年間の所得金額について計算した所得税額より多い場合、確定申告によって納め過ぎの所得税の還付を受けることができると説明しています。
フリーランスの場合、売上から経費を差し引くと所得が少なくなることがあります。開業初年度、設備投資が多い年、売上が少ない年などは、源泉徴収税額が実際の所得税額を上回り、還付になるケースもあります。
還付を受けるためにも、源泉徴収税額を正確に集計しておくことが大切です。
7-4. 支払調書がない場合でも確定申告できる?
支払調書が届かないと確定申告できないと思っているフリーランスは少なくありません。しかし、支払調書がなくても確定申告はできます。
支払調書は、報酬などを支払った側が税務署に提出する法定調書です。国税庁は、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書について、一定の提出範囲に該当するものを支払者の所轄税務署へ翌年1月31日までに提出するとしています。
支払調書は、フリーランス本人に必ず交付される書類ではありません。届かない場合でも、自分の請求書、入金明細、帳簿をもとに売上と源泉徴収税額を集計して申告します。
7-5. 売上・源泉徴収税額の帳簿付け方法
源泉徴収がある取引では、入金額ではなく総額で売上を記録します。
たとえば、報酬100,000円、源泉徴収税額10,210円、入金額89,790円の場合、次のように考えます。
売上:100,000円
源泉徴収税額:10,210円
普通預金への入金:89,790円
消費税を別で請求している場合は、消費税額も含めて整理します。
報酬100,000円、消費税10,000円、源泉徴収税額10,210円、入金額99,790円の場合、売上と消費税を正しく分けたうえで、源泉徴収税額を前払い税金として管理します。
7-6. 会計ソフトで入力するときの注意点
会計ソフトを使う場合は、源泉徴収ありの取引入力に対応しているか確認しましょう。多くの会計ソフトでは、請求書作成時に源泉徴収税額を自動計算できたり、入金時に源泉徴収分を自動で仕訳に反映できたりします。
注意したいのは、入金額だけを売上として登録しないことです。入金額だけを売上にすると、売上と源泉徴収税額の両方が正しく反映されません。
また、取引先ごとに源泉徴収税額を集計できるようにしておくと、支払調書や入金明細との照合がしやすくなります。
8. 源泉徴収されていない場合の対応
8-1. 本来は源泉徴収の対象か確認する
報酬が満額で振り込まれた場合、まず確認したいのは「本来、源泉徴収の対象かどうか」です。
源泉徴収対象ではない業務であれば、満額入金で問題ありません。たとえば、源泉徴収対象に該当しないシステム開発や保守業務などでは、源泉徴収なしで支払われることがあります。
一方、原稿料や講演料など、明らかに源泉徴収対象になりやすい報酬なのに満額入金されている場合は、発注者側の処理漏れの可能性があります。
8-2. 発注者に確認すべきこと
源泉徴収されていないことに気づいたら、まず発注者に確認しましょう。
確認するときは、次のような聞き方がスムーズです。
「今回の報酬について、源泉徴収の処理は不要というご判断でよろしいでしょうか」
「請求書では源泉徴収税額を記載していませんが、貴社側での処理方針を確認させてください」
「業務内容が原稿料に該当する可能性があるため、源泉徴収の有無をご確認いただけますでしょうか」
責めるような言い方ではなく、処理方針の確認として伝えるのがポイントです。
8-3. 源泉徴収されていなくても確定申告は必要
源泉徴収されていない場合でも、売上がなくなるわけではありません。報酬を受け取っている以上、確定申告が必要な場合は、その売上を申告します。
源泉徴収されていないということは、所得税を前払いしていないということです。確定申告で所得税額を計算し、必要に応じて納付します。
「源泉徴収されていないから申告しなくてよい」という考え方は誤りです。源泉徴収の有無と、確定申告の必要性は別の問題です。
8-4. 後から源泉徴収漏れが分かった場合の対応
後から源泉徴収漏れが分かった場合、基本的には発注者側が税務処理を確認することになります。源泉徴収して納付する義務は、報酬を支払う側にあるためです。
ただし、フリーランス側でも売上と入金額を正しく記録し、確定申告で必要な所得税を申告・納付することが大切です。
発注者から後日「源泉徴収漏れがあったため返金してほしい」「次回支払分で調整したい」と言われることもあります。この場合は、請求書、入金明細、契約内容を確認し、処理方法をすり合わせましょう。
8-5. フリーランス側が勝手に差し引いてよいか
フリーランス側が、発注者に確認せず勝手に源泉徴収税額を差し引いた請求書を出すのは避けたほうがよいです。
源泉徴収を行い、税務署へ納付するのは発注者側です。発注者が源泉徴収しない方針なのに、フリーランス側が請求書上だけで差し引いてしまうと、実際にその税額が納付されるのか不明確になります。
源泉徴収が必要と思われる場合は、必ず発注者に確認しましょう。請求書を作成する前に認識を合わせるのが安全です。
9. 発注者側が知っておきたい源泉徴収の実務
9-1. 源泉徴収義務者とは
源泉徴収義務者とは、所得税を源泉徴収して国へ納付する義務がある人や法人のことです。会社、学校、官公庁、人格のない社団・財団なども源泉徴収義務者になり得ます。
フリーランスへ報酬を支払う企業は、報酬内容が源泉徴収対象に該当するかを確認し、必要であれば支払時に源泉徴収を行います。
個人事業主が外注先へ報酬を支払う場合でも、従業員や青色専従者に給与を支払っているなど、源泉徴収義務者に該当する場合は注意が必要です。
9-2. 源泉徴収した税金の納付期限
源泉徴収した所得税および復興特別所得税は、原則として、実際に支払った月の翌月10日までに国へ納付します。
たとえば、6月25日にフリーランスへ報酬を支払い、その際に源泉徴収した場合、原則として7月10日までに納付します。
納付が遅れると、不納付加算税や延滞税などのリスクがあります。発注者側は、報酬支払日と納付期限を管理しておく必要があります。
9-3. 納期の特例が使える場合
給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、一定の要件を満たすと、源泉所得税を半年分まとめて納める「納期の特例」を利用できます。納期の特例を受けている場合、1月から6月分は7月10日、7月から12月分は翌年1月20日が納付期限になります。
ただし、納期の特例の対象になる報酬は限定されています。国税庁は、特例の対象を給与や退職金から源泉徴収した所得税等と、税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収した所得税等に限るとしています。
原稿料や講演料などは納期の特例の対象外とされるため、翌月10日までの納付が必要です。
9-4. 支払調書の作成が必要になるケース
発注者は、一定の報酬、料金、契約金、賞金を支払った場合、支払調書を作成して税務署へ提出する必要があります。
たとえば、弁護士や税理士等への報酬、作家や画家への原稿料・画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるものが提出範囲とされています。
提出期限は、支払の確定した日の属する年の翌年1月31日です。フリーランス本人に支払調書を送るかどうかは任意であることが多いですが、税務署への提出義務は別途確認する必要があります。
9-5. 源泉徴収を忘れた場合のリスク
発注者が本来源泉徴収すべき報酬について源泉徴収を忘れると、後から税務署に指摘される可能性があります。源泉徴収義務は支払者側にあるため、納付漏れがあった場合は発注者側のリスクになります。
また、フリーランス側との間で「すでに満額を支払ってしまった後、源泉徴収分をどう調整するか」という実務上の問題も起こります。
発注時点で業務内容を確認し、請求書を受け取る前に源泉徴収の有無を決めておくことが大切です。
10. フリーランスの源泉徴収でよくある質問
10-1. 源泉徴収票はもらえる?
フリーランスが業務委託報酬を受け取る場合、通常もらうのは「源泉徴収票」ではなく「支払調書」です。
源泉徴収票は、主に給与や退職金などについて発行される書類です。フリーランスの原稿料、講演料、デザイン料などは、給与ではなく報酬・料金として扱われるため、支払調書の対象になることがあります。
ただし、支払調書は必ず本人に交付されるものではありません。届かない場合でも、請求書や入金明細をもとに確定申告を行います。
10-2. 支払調書が届かないと確定申告できない?
支払調書が届かなくても確定申告できます。
確定申告は、自分の帳簿、請求書、入金明細、通帳、会計ソフトのデータなどをもとに行います。支払調書は確認資料として便利ですが、それがなければ申告できないわけではありません。
むしろ、支払調書だけに頼ると、未入金分、消費税、源泉徴収税額、取引先ごとの集計にズレが出ることがあります。日々の帳簿を正確に付けることが大切です。
10-3. クラウドソーシング経由の報酬は源泉徴収される?
クラウドソーシング経由の報酬が源泉徴収されるかどうかは、案件内容、契約形態、支払者、プラットフォームの仕様によって異なります。
ライティング、デザイン、イラスト、講演、監修など、源泉徴収対象になり得る業務では、クライアント側が源泉徴収を設定する場合があります。一方、システム開発やデータ入力などでは、源泉徴収なしで処理されることもあります。
クラウドソーシングでは、報酬からシステム手数料が差し引かれることもあります。源泉徴収税額、手数料、消費税、実際の入金額を分けて確認しましょう。
10-4. 海外企業からの報酬は源泉徴収される?
海外企業から直接報酬を受け取る場合、日本の源泉徴収が行われないことが多くあります。海外企業が日本の源泉徴収義務者に該当しない場合、報酬は満額で支払われることがあるためです。
ただし、日本に支店や子会社がある、国内法人を通じて支払われる、国内源泉所得に該当する、相手国で源泉税が差し引かれるなど、取引形態によって扱いは変わります。
日本に住むフリーランスが海外企業から報酬を受け取った場合でも、原則として所得の申告は必要です。外貨で受け取った場合は、円換算や為替差損益の扱いにも注意しましょう。
10-5. 源泉徴収されたのに赤字の場合はどうなる?
フリーランス事業が赤字になった場合でも、報酬から源泉徴収されていることがあります。
この場合、確定申告で売上、経費、所得控除などを計算した結果、所得税が発生しない、または源泉徴収税額より少ない税額になることがあります。その場合は、源泉徴収された税額の全部または一部が還付される可能性があります。
赤字だから確定申告しなくてよいと考えるのではなく、源泉徴収税額がある場合は還付の可能性も含めて申告を検討しましょう。
10-6. 報酬が少額でも源泉徴収は必要?
報酬が少額でも、源泉徴収の対象になる場合があります。
たとえば、原稿料や講演料などは、少額であっても原則として源泉徴収の対象になります。ただし、懸賞応募作品などの入選者に支払う賞金や新聞・雑誌などの投稿謝金については、1人に対して1回に支払う金額が5万円以下であれば源泉徴収しなくてもよいとされています。
「少額だから必ず源泉徴収不要」とは限りません。報酬の種類ごとに確認が必要です。
10-7. 開業届を出していない副業でも源泉徴収される?
開業届を出していない副業でも、源泉徴収されることがあります。
源泉徴収の有無は、開業届を出しているかどうかではなく、報酬の内容や支払者の立場によって判断されます。会社員が副業で記事を書き、法人から原稿料を受け取る場合、開業届を出していなくても源泉徴収されることがあります。
また、開業届を出していない場合でも、副業収入が一定以上あれば確定申告が必要になることがあります。源泉徴収されているかどうかにかかわらず、売上と経費は記録しておきましょう。
まとめ
フリーランスの源泉徴収は、報酬から所得税および復興特別所得税を先に差し引く仕組みです。フリーランス側にとっては「税金の前払い」であり、最終的には確定申告で精算します。
源泉徴収の対象になりやすい報酬には、原稿料、ライティング報酬、講演料、デザイン料、イラスト料、士業報酬、芸能・モデル・スポーツ関連の報酬などがあります。一方で、Web制作、エンジニア、コンサルティング報酬は、業務内容によって判断が分かれます。
税率は多くの場合10.21%ですが、1回の支払額が100万円を超える場合は、100万円を超える部分に20.42%を使う計算が必要です。請求書では、報酬額、消費税、源泉徴収税額、差引支払額を分けて記載すると、発注者との認識違いを防ぎやすくなります。
また、支払調書が届かなくても確定申告はできます。大切なのは、日々の請求書、入金明細、帳簿で売上と源泉徴収税額を正しく管理することです。
フリーランスとして安心して仕事を続けるためには、「源泉徴収されるかどうか」だけでなく、「何の報酬なのか」「誰が支払うのか」「請求書でどう表記するのか」「確定申告でどう精算するのか」まで理解しておくことが大切です。

